後村幸治は防衛大学校第44期卒業の陸上自衛官。
幹候は81期にあたり、職種は航空科だ。
生年月日は判別しないが、第44期はストレートであれば、昭和52年度の生まれにあたる年次である。
平成29年3月(2017年3月) 第2飛行隊長・2等陸佐
前職は陸上幕僚監部運用支援・情報部勤務であった。
(画像提供:陸上自衛隊第2飛行隊公式Webサイト)
(画像提供:陸上自衛隊第2飛行隊公式Webサイト)
2019年1月現在、北方の防人・第2師団隷下の第2飛行隊長を務める後村だ。
第2飛行隊は旭川駐屯地に所在し、陸海空の3自衛隊を通じ、我が国の最北に位置する航空部隊となっている。
同じ第2師団隷下、第3普通科連隊の所在する名寄駐屯地のように、我が国で最北の地に位置する文字通り北の防人として、我が国の平和と安全に貢献する。
ところで、この第2飛行隊が使用する旭川駐屯地の飛行場、戦前に作られた愛国飛行場をその原点としている。
愛国飛行場は、国民からの献金・献納などで整備された飛行場の総称であり、そのうちの一つが第2飛行隊の原点ということだ。
旭川駐屯地の中に所在するために、当然官民共用の飛行場としては運用されていない。
また1個飛行隊だけで運用していることから、飛行場の運用から維持管理まで全て、第2飛行隊だけで行っている。
豪雪地帯であり、冬の寒さも北海道屈指の旭川にあってその負担は極めて大きいが、第2師団の立体的戦闘力の構築を担う同部隊の士気は極めて高い。
また豪雪地帯ということもあり、機体を偽装するシートは冬季以外は通常の飛行隊と同様に緑色のシートで行うが、降雪期間は真っ白のシートで覆い、大事な機体を隠す。
ただ、このような白いシートを使用する飛行隊はそれほど多くないからであろうか。ある意味で驚くべきことだが、偽装用のシートは隊員が手作りで作ったものを使用しているのが現在の状況だ。
長年の経験から、偽装用のシートは改良に改良を重ねているとは言え、その苦労はやはり並大抵のものではない。
近年ではようやく改善されつつあるとは言え、陸自を巡る予算の細さは本当に悲惨なものがあるが、これもそのうちの一つと言ってよいだろう。
かつて陸自では、「コピー代」と称して毎月給料から、幹部だけでなく曹、陸士までが、お金を徴収されていた部隊があったことをご存知だろうか。
仕事で使うコピー機の費用を隊員たちが給料から出し合うなど、民間のブラック企業も驚きの理不尽さである。
また同様に、ファイル共有ソフトWinnyを通じた機密書類の流出事件を経験するまで、陸自では業務用のパソコンすら、自腹で購入して私物をオフィスに持ち込んでいた。
今でこそ、このように理不尽な運用は改められて多少の改善は見られるものの、それでも総じて、陸自の予算を巡る現場での悲惨な状況は今なお、残っているものも多い。
そういった意味では、この第2飛行隊の冬季偽装用のシートが手作りということも、決して美談ではない。
私達国民はもっと、使うべきところにお金を使うように声を上げるべきだという、一つの事実として知っておいて欲しいと願う。
では、そんな厳しい自然環境の中にあり、我が国最北の飛行隊を率いる後村とは、どのようなキャリアを歩んできた幹部なのだろうか。
少し詳細に、その経歴を見ていきたい。
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