その久田が陸上自衛隊に入隊したのは平成5年3月。
1等陸佐に昇ったのが24年7月だったので、37期組1選抜後期(1番手グループ)での昇任となるスピード出世であった。
原隊(初任地)は北熊本に所在する第8高射特科大隊であり、同地で初級幹部として、厳しい自衛官生活のスタートを切る。
(画像提供:自衛隊大分地方協力本部公式ツイッター)
ちなみに2019年現在、その第8高射特科大隊では若く美しい女性幹部、山﨑麻由(第47期)が大隊長を務める。
平成30年4月にインドネシアで開催された「第1回アジア太平洋女性軍人セミナー」で登壇しスピーチをするなど、若手~中堅の幹部の中では非常に目立つ存在だ。
ぜひ彼女にも、注目してほしい。
話を久田に戻したい。
その後、職種部隊では久留米駐屯地に所在する第4高射特科大隊で大隊長を。
また連隊長相当職では、飯塚駐屯地に所在する第3高射特科群で群長を務めている。
その間、中央(陸上幕僚監部)では教育訓練部教育訓練計画課の制度班に務めた他、人事部厚生課では家族支援班長など要職を歴任。
地方部隊・地方組織では、第10師団司令部で第2部情報班長として活躍し、西部方面総監部では人事部人事課の人事第1班長を務めた。
そして平成29年3月、自衛隊大分地方協力本部長に着任し人手不足で厳しい採用環境の中、今日も任務に励んでいる。
そのキャリアからは、人を扱い、人事系に特に強い久田の活躍が目立つものになっていると言えるだろう。
地方協力本部長の要職を任されたのは、納得の配置ということになりそうだ。
なお上記1枚目の写真。
これは、防衛白書が刷り上がった際に、大分県下の各首長の下に足を運び、防衛政策の説明をしている様子だ。
地方協力本部長の仕事はもちろん採用・再就職関係も大きいが、地域自治体と自衛隊との架け橋の他、地元住民への自衛隊の知見の提供、それに災害時の連絡役などもこなすことからその役割は非常に多岐にわたる。
無骨一辺倒な自衛官には向かないポストであり、高いコミュニケーション能力が求められる要職であるが、こんなところからも、久田のそのお人柄を窺い知ることができるのではないだろうか。
ちなみに1枚め右側の少しおっかない1佐は、平成30年3月に新たに発足した西部方面戦車隊の、初代隊長に着任した黒木正憲だ。
2017年3月から本部長を務めている久田だが、2018年3月の陸自大改革はその任期中であったこともあり、通常以上に非常に大変なポストになったのではないだろうか。
では最後に、その久田と同期である37期組の人事の動向について・・・
みていきたいところなのだが、37期組は2018年夏の将官人事で、最初の陸将補が選抜されたばかりの年次だ。
そのため、今のところ37期1選抜の陸将補は、第5施設団長の白川訓通(第37期)以外に正確に把握できておらず、また詳細を把握できる春頃に記事を更新し、加筆していきたい。
久田については、南西方面島嶼部の緊張感の高まりで、ますますその存在感が大きくなっている高射特科の高級幹部だ。
人事系の強みとも併せて更にその活躍の場を広げていくことは確実であり、ぜひ注目していきたい幹部の一人である。
いずれにせよ、第37期組の幹部はこの先2030年にかけて、我が国と世界の平和に最も重い責任を担っていく世代となる。
その動向には特に注目し、そして応援していきたい。
※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。
(画像提供:自衛隊大分地方協力本部公式ツイッター)
◆久田茂将(陸上自衛隊) 主要経歴
平成
5年3月 陸上自衛隊入隊(第37期)
6年3月 第8高射特科大隊
年 月 高射学校
年 月 中央資科隊
年 月 幹部学校(指揮幕僚課程学生)
年 月 第10師団司令部第2部情報班長
年 月 陸上幕僚監部教育訓練部教育訓練計画課制度班
20年8月 第4高射特科大隊長
22年4月 西部方面総監部人事部人事課人事第1班長
年 月 幹部学校(幹部高級課程学生・統合高級課程学生)
24年7月 1等陸佐
25年3月 陸上幕僚監部人事部厚生課家族支援班長
27年8月 第3高射特科群長
29年3月 自衛隊大分地方協力本部長
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