西田健(第26普通科連隊長・1等陸佐)|第38期・陸上自衛隊

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その西田が陸上自衛隊に入隊したのは平成6年3月。

1等陸佐に昇ったのが25年7月であったので、38期組1選抜後期(1番手グループ)での昇任となるスピード出世だ。

原隊(初任地)は秋田に所在する第21普通科連隊であり、同地で初級幹部として鍛えられ、厳しい自衛官生活のスタートを切った。

(画像提供:陸上自衛隊留萌駐屯地公式Webサイト

(画像提供:陸上自衛隊留萌駐屯地公式Webサイト

その後、15年8月にCGS(指揮幕僚課程)を卒業すると、「頭号連隊」第1普通科連隊の第1中隊長に着任。

さらに中央では、陸上幕僚監部の防衛部と教育訓練部に加え、統合幕僚監部の運用部でも任務をこなすなど着実に実績を積み上げる。

そして26年8月、沖縄の第15旅団で第3部長を経験し、その後職として28年8月、第26普通科連隊長兼留萌駐屯地司令に上番し、厳しい任務をこなし続けている。

38期ということで、今まさに現場を支える中心世代の一人として、注目したい幹部の一人である。

 

では最後に、その西田と同期である38期組の人事について見ていきたい・・・

と言いたいところだが、38期組は2019年夏の将官人事で最初の陸将補が選抜される予定の年次だ。

そのため今回は割愛し、また1選抜の陸将補が出揃った頃に加筆したい。

 

なお留萌駐屯地についてだが、過疎化が進む一方で、先述のように非常に厳しい自然環境の中にあり、独特の災派(災害派遣)の歴史があることは、先述のとおりだ。

それに追い打ちをかける出来事、と言ってもよいだろうか。留萌では2016年に、留萌本線の留萌-増毛間のJR駅が廃線となり、大きな話題となった。

陸の孤島化が進み、ますます過疎化が進行するのではないか、という恐れと共に繰り返しニュースになっていたが、そういった意味でもますます、自衛隊は防災、地方活性化、経済活動など、あらゆる意味で地域の中核となっていくであろう。

ますます自衛隊と西田に対する、行政や地域住民からの期待値は高まっていくことになるのではないだろうか。

本来任務だけでも非常に厳しいロケーションに在りながら、文字通り「地域とともに」歩もうとする留萌の指揮官、西田のご紹介であった。

その活躍には今後も注目し、そして応援していきたい。

 

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。

(画像提供:陸上自衛隊留萌駐屯地公式Webサイト

◆西田健(陸上自衛隊) 主要経歴

平成
6年3月 陸上自衛隊入隊(第38期)
7年3月 第21普通科連隊(秋田)
13年8月 幹部学校指揮幕僚課程学生(目黒)
15年8月 第1普通科連隊第1中隊長(練馬)
17年3月 陸上幕僚監部防衛部(市ケ谷)
18年3月 統合幕僚監部運用部(市ケ谷)
21年3月 陸上幕僚監部防衛部(市ケ谷)
24年3月 陸上幕僚監部教育訓練部(市ケ谷)
25年7月 1等陸佐
25年8月 幹部学校幹部高級課程(目黒)
26年3月 幹部学校統合高級課程(目黒)
26年8月 第15旅団第3部長(那覇)
28年8月 第26普通科連隊長兼留萌駐屯地司令(留萌)

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