蛭川利幸(中部方面総監部幕僚長・陸将補)|第31期・陸上自衛隊

その蛭川が陸上自衛隊に入隊したのは昭和62年3月。

1等陸佐に昇ったのは平成18年1月であったので、31期組1選抜(1番乗り)のスピード出世だ。

陸将補に昇ったのは25年3月であったので、こちらも2選抜後期(2番手グループ)での、堂々の将官へのスピード昇任であった。

(画像提供:自衛隊大阪地方協力本部公式フェイスブック

1等陸佐以降の経歴だけで見ると、そのキャリアは人事や運用系の補職が目立つ。

中央では、班長ポストを陸上幕僚監部の運用支援課で運用支援班長を、課長ポストは人事部の募集・援護課で、また統合幕僚監部では運用部の副部長の要職も務めるなど幅広く活躍。

また28年7月からは、本部長を将官が務める数少ない地本である大阪地方協力本部長も務めるなど、募集・援護系での強みを改めて発揮した。

その間、部隊指揮官としては先述のように、連隊長ポストでは秋田県の第21普通科連隊長に上番。

陸将補に昇任後の最初のポストでは、頭号師団・第1師団の副師団長を務めるなど普通科にある幹部として、非常に名誉ある補職を歴任する。

そして平成29年3月に中部方面総監部の幕僚長に着任し、北陸・東海~中国・四国地方に至る非常な広範囲の防衛に関し、その実務職の運用を担っている。

31期のみならず、我が国を代表する最高幹部の一人と言ってよいだろう。

では最後に、その蛭川と同期である31期組の人事の動向についてみてみたい。

31期組は、2018年夏の将官人事で1選抜の陸将が選抜されたばかりの年次にあたる。

そして2019年1月現在では、以下の幹部たちがその任にあたっている。

竹本竜司(第31期)・第1師団長(2018年8月)

沖邑佳彦(第31期)・第4師団長(2018年8月)

前田忠男(第31期)・第7師団長(2018年8月)

※肩書はいずれも2019年1月現在。( )は陸将昇任時期。

上記のようになっており、31期組についてはこの3名で、同期の陸幕長候補が出揃ったと考えてよいだろう。

本来であれば、4名が1選抜で陸将に昇任するのが慣例なのだが、2018年夏の将官人事では3名の陸将昇任に留まっているのが、31期組人事の特徴だ。

程なくして4人目が陸将に昇ると思われるが、あるいは陸自大改革か、もしくは自衛官の定年延長の影響で、人事の流れが少し変わったのかも知れない。

蛭川については、中部方面総監部の幕僚長を務めたほどの最高幹部だ。

後職ではあるいは陸将に昇り、いずれかの師団を任されることもあるのではないだろうか。

そしてその時期は、おそらく2019年度中になるものと思われ、ますますその活躍に注目が集まる。

いずれにせよ、2020年代前半にかけて我が国の安全保障体制の中で、もっとも重い責任を担い続けることは確実な蛭川である。

その活躍には今後も注目し、そして応援していきたい。

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。

(画像提供:自衛隊大阪地方協力本部公式フェイスブック

◆蛭川利幸(陸上自衛隊) 主要経歴

昭和
62年3月 陸上自衛隊入隊(第31期)

平成
10年1月 3等陸佐
13年7月 2等陸佐
18年1月 1等陸佐
18年3月 陸上幕僚監部運用支援課
18年8月 幹部学校付
19年8月 陸上幕僚監部運用支援課運用支援班長
21年7月 第21普通科連隊長
23年4月 陸上幕僚監部人事部募集・援護課長
25年3月 第1師団副師団長 陸将補
26年3月 統合幕僚監部運用部副部長
27年3月 東部方面総監部幕僚副長
28年7月 大阪地方協力本部長
29年3月 中部方面総監部幕僚長

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