平野邦治(北部方面後方支援隊長・1等陸佐)|第34期・陸上自衛隊

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平野邦治(ひらの・くにはる)は昭和42年2月25日生まれ、東京都出身の陸上自衛官。

防衛大学校第34期の卒業で幹候71期、職種は化学科だ。

 

平成30年3月(2018年3月) 北部方面後方支援隊長・1等陸佐

前職は東部方面総監部装備部長であった。

(画像提供:陸上自衛隊北部方面隊公式Webサイト

(画像提供:陸上自衛隊北部方面隊公式Webサイト

2019年3月現在、北部方面後方支援隊長を務める平野だ。

文字通り、部隊の後方にあって兵站を担当し、あるいは武器弾薬の整備補給にあたることはもちろん、野外における風呂の設営などを広く後方支援を任務とする部隊である。

そのため、大規模災害にあって私たち国民が身近にお世話になる機会も多い、とても頼りになる存在だ。

そしてその部隊を率いる平野は、化学科の高級幹部ということになるが、あるいはこの余り聞き慣れないかも知れない職種について少しお話したい。

 

化学科は、辞書的な説明で言うと各種特殊兵器による攻撃などを受けた際に、汚染された地域を偵察し、また汚染された人員や装備品等の除染を行うことを任務としている。

さらにその対応は化学物質に限らず、放射性物質を含め、あらゆる未確認物質に対する初動をも担っている。

具体的にはどのようなケースが想定されるか。

今我が国でもっともありえるリスクとしては、都市部、あるいは人口密集地に対する敵性勢力からの、NBC兵器による攻撃だ。

なおNBC兵器とは、核:Nuclear、生物:Biological、化学:Chemicalの頭文字を取ったものであり、小規模な部隊による攻撃でも非常に大規模な被害を受ける可能性がある、非常に厄介なものである。

かつて、軍事組織ではない一宗教団体に過ぎない集団からの化学兵器によって、我が国の都市部は麻痺し、多くの人的被害と社会的混乱が生起したことを記憶している人は多いだろう。

そしてあの事件に際しては、精製度の低い化学兵器を、僅か数人で人口密集地に散布するだけで、あのような甚大な被害が生まれたのである。

これが、敵性国家によって企図された攻撃であれば、その破壊力、作戦遂行者の練度は比べ物にならず、さらに大きな被害を生む可能性があるだろう。

そしてこのような攻撃に際し、リスクを恐れず直ちに現地入りし、各種化学物質の中和など通して人命救助に当たり、また社会的混乱を最小限に抑えるのが化学科の役割である。

 

平野は、そのような危険に立ち向かう精鋭たちを指揮しキャリアを積み上げ、平成30年3月に北部方面後方支援隊長に着任した。

国境防衛とはまた違う意味での、我が国の国防の最前線を守るエキスパートであると言ってよいだろう。

有事の際には、ある意味で最も命の危険を伴う危険な現場で体を張る職種にある、幹部曹士である。

 

では、そんな勇敢な部隊を率いてきた平野とは、これまでどのようなキャリアを歩んできた幹部なのだろうか。

少し詳細に、その経歴を見ていきたい。

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