その平田が陸上自衛隊に入隊したのは平成9年3月。
1等陸佐に昇った人事発令が、41期組1選抜である平成28年1月以降を探しても存在しないために、26年6月、在パキスタン防衛駐在官として赴任する際に昇任していると思われる。
なお実は、この際の昇任は本当は等級の伴わないなんちゃって昇任なのだが、それを話すと長くなるので別の機会に譲りたい。
(画像提供:陸上自衛隊公式Webサイト)
原隊(初任地)は北海道の釧路に所在する第27普通科連隊で、同部隊で初級幹部として厳しい自衛官生活のスタートを切ると、中隊長は国境の最前線・留萌駐屯地に所在する第26普通科連隊で上番。
なお留萌駐屯地は北海道の西端にあり、冷戦時代には対ソ連(ロシア)戦闘の要と位置づけられていた精鋭部隊の一つだ。
ただでさえ、多くの幹部自衛官にとって思い出深いポストとされる中隊長を同地で務められたことは、平田にとっても思い出深い任務になっているのではないだろうか。
そして同地で中隊長の任務をまっとうすると、その後は少し職種部隊を離れ、スタッフや幕僚としての職責が続く。
中央では陸上幕僚監部教育訓練部や運用支援・情報部、指揮通信システム・情報部などでスタッフポジションを歴任。
また地方隊では第8師団司令部第3部勤務のほか、善通寺の第14旅団司令部では第3部長にも着任している。
平成26年6月からは、在パキスタン防衛駐在官としても辣腕を振るったことは、先述のとおりだ。
そして平成30年8月、第8師団司令部第3部で奄美準備室長を任されると、そのままその後職として31年3月、初代となる奄美警備隊長に着任することになった。
我が国の国防の最前線を守るにふさわしい、非常に充実したキャリアを誇る1等陸佐であると言えるだろう。
(画像提供:陸上自衛隊公式Webサイト)
なおその奄美には、実は奄美駐屯地以外にもうひとつ、瀬戸内分屯地が設置されているので併せてご紹介したい。
上記画像はその初代司令を務める、熊本市出身で34歳の若き3等陸佐・古場太佑である。
奄美警備隊で中隊長兼補であり、現場を支える頼りになるリーダーだ。
ぜひ、古場の活躍にも合わせて注目をして欲しい。
では最後に、その平田と同期である41期組の動向について・・・ご紹介したいところなのだが、41期組は1選抜1佐の選抜が為されたのが2016年であり、まだまだ現場で指揮を執る世代だ。
最初の陸将補が選抜されるのも2022年夏の将官人事の予定であり、今回はそのご紹介は割愛し、また将補が選抜された頃合いに加筆したい。
いずれにせよ、平田をはじめとした41期組は、この先2030年代にかけて我が国の国防を中心になって担う世代だ。
中でも平田は、その経歴や現職を任された期待値の大きさから考えても、今後ますます活躍の場を広げていくことは疑いの余地が無いだろう。
その活躍こそが我が国の国防であり、ぜひ注目していきたい幹部の一人だ。
今後ともその動向を追い続け、そして応援していきたい。
※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。
(画像提供:陸上自衛隊公式Webサイト)
◆平田浩二(陸上自衛隊) 主要経歴
平成
9年3月 陸上自衛隊入隊(第41期)
10年3月 第27普通科連隊(釧路)
17年8月 幹部学校(第51期指揮幕僚課程)(目黒)
19年8月 第26普通科連隊中隊長(留萌)
21年8月 第8師団司令部第3部(北熊本)
23年8月 陸上幕僚監部教育訓練部(市ヶ谷)
25年8月 陸上幕僚監部運用支援・情報部(市ヶ谷)
26年6月 外務事務官(パキスタン防衛駐在官)(パキスタン)
29年7月 陸上幕僚監部指揮通信システム・情報部(市ヶ谷)
29年8月 第14旅団司令部第3部長(善通寺)
30年8月 第8師団司令部第3部奄美準備室長(北熊本)
31年3月 奄美警備隊長(奄美)
コメントを残す