浅井玲(あさい・あきら)|第29期・航空自衛隊

浅井玲は昭和36年10月生まれ、岐阜県出身の航空自衛官。

防衛大学校は第29期の卒業で、幹候は75期の卒業だ。

平成28年7月(2016年7月) 航空総隊司令部幕僚長・空将補

前職は北部航空警戒管制団司令であった。

2018年3月現在、航空総隊司令部で幕僚長を務める浅井だ。

航空総隊は、言わずと知れた航空自衛隊のほぼ全ての実力組織を隷下に治める組織であり、有事に際して、極めて重要な最初の交戦を担うであろうことが予想される。

航空総隊という名前ではあるが、航空戦力(飛行隊)を束ねるだけではなく、高射部隊や管制部隊など、航空自衛隊の主要戦力全てを一元的に運用することになる。

当然のことではあるが、実力組織を束ねる部隊の幹部は、ただ単に実力行使に備え訓練を積み、部隊を指揮することだけが仕事ではない。

諸外国において、実際に交戦を担うことになる指揮官の多くがそうであるように、航空総隊の幹部も、平時においては諸外国軍のカウンターパートと交流し、相互理解を深める事も重要な任務だ。

いわば、政治の世界で感情的な対立が発生し実力行使が選択肢に入った時、おかしな話ではあるが、「軍人外交」が最後の砦となり、軍事衝突を未然に防止する役割も担うということになる。

軍人であるがゆえに、政治的感情などという1円にもならない観点など全て排除し、軍事的合理性のみから戦争や紛争の是非を追求し、政治に対し意見具申する。

すると、そのほとんどは発動する価値のない作戦であることがほとんどだ。

そういった意味でも、航空総隊の最高幹部が担う「軍人外交」には、極めて大きな意義があるだろう。

ちなみに、2017年11月にアメリカのトランプ大統領が来日し横田基地でスピーチした際には、航空総隊司令部の幹部が多く招かれ、前原弘昭(第27期)・航空総隊司令官だけでなく、当時既に幕僚長に着任していた浅井、それに今城弘治(第33期)・航空総隊司令部防衛部長を直接名指しし、日米同盟への貢献を讃えている。

私たち一般の国民には、偏向するメディアの報道姿勢のせいでこういった自衛官の活躍や功績はほとんど報じられることはない。

しかしながら、我が国の自衛隊最高幹部たちが世界の政治・軍事といった外交の中で極めて大きな存在感を持ち、そして活躍していることは疑いようのない事実だ。

もし時間があれば、諸外国の要人が来日しスピーチをした際には、その原文などにも当たり、注意深くファクトを掘り起こしてみて欲しい。

さて次に浅井と、その浅井の同期である29期の人事の状況について見てみたい。

浅井が航空自衛隊に入隊したのは昭和60年3月。

1等空佐に昇ったのが平成16年1月であったので、29期組1選抜(1番乗り)のスピード出世だ。

空将補に昇ったのが23年7月であったので、こちらは同期1選抜の1年遅れとなる将官昇任であったが、そもそも航空自衛隊では将官に昇る幹部の数が非常に少ない。

1選抜1年遅れは、遅れというほどのものではなく、堂々のスピード出世で昇任を重ねてきたスーパーエリートと言ってよいだろう。

そしてその29期組から、最初の空将が選任されたのは2016年夏の将官人事。

今のところ、同期から1選抜で空将が選ばれてから1年半が経過するが、あるいは浅井も、2018年3月か、2018年夏の将官人事で空将に昇り、航空総隊司令部幕僚長の後職としてさらに重い責任を背負うことになるものと予想している。

なお2018年3月現在で、29期組から空将に昇任しているものは以下の最高幹部たちである。

城殿保(第29期)・北部航空方面隊司令官(2016年7月)

三谷直人(第29期)・補給本部長(2016年7月)

増子豊(第29期)・統合幕僚監部運用部長(2016年12月)

長島純(第29期)・航空自衛隊幹部学校長(2016年12月)

井上浩秀(第29期相当)・航空開発実験集団司令官(2017年12月)

※肩書は2018年3月現在。( )内は空将昇任時期。

今のところ、キャリアや補職から考えてやはり、29期組では城殿が一歩リードしている印象ではあるが、まだまだ先を見通せる状況ではない。

とはいいながら、29期組は早ければ、丸茂吉成(第27期)・第35代航空幕僚長の跡を継ぎ、第36代の航空幕僚長に着任する可能性のある世代でもある。

そういった意味では、2018年3月までに空将に昇っていることが、あるいは次期空幕長の候補者としてのリミットになるだろう。

いずれにせよ、上記5名を中心に、29期組の最高幹部人事が進んでいくことは間違い無さそうだ。

浅井については、総隊司令部の幕僚長という極めて重い職責を経験している以上、まだまだ退役をさせて貰えそうになく、さらに要職を歴任していくであろうことは確実だ。

次の異動ではどこのポストに異動になるのか。

そして空将への昇任はあるのか。

その動向を楽しみに注目し、応援していきたい。

◆浅井玲(航空自衛隊) 主要経歴

昭和
60年3月 航空自衛隊入隊

平成
8年1月 3等空佐
11年7月 2等空佐
16年1月 1等空佐
16年8月 幹部学校付
17年7月 航空幕僚監部運用企画班長
18年3月 航空幕僚監部運用支援計画班長
19年4月 航空幕僚監部運用支援調整官
20年4月 第7航空団基地業務群司令
21年4月 航空総隊司令部防衛課長
22年3月 航空幕僚監部教育課長
23年7月 第3補給処長 空将補
25年8月 統合幕僚監部報道官
26年8月 北部航空警戒管制団司令
28年7月 航空総隊司令部幕僚長

【注記】

このページに使用している画像の一部及び主要経歴は、防衛省のルールに従い、防衛省のHPから引用。

主要経歴については、将補以上の階級のものにあっては防衛年鑑あるいは自衛隊年鑑も参照。

自衛官各位の敬称略。

※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的に加工して用いているものがある。

【引用元】

防衛省航空自衛隊 北部航空警戒管制団公式Webサイト(北友新聞28年1月、3月、4月号より)

http://www.mod.go.jp/asdf/nacw/hokuyu/backnumber/28.html

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