辻正紀(つじ・まさのり)|第29期・航空自衛隊

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辻が航空自衛隊に入隊したのは昭和60年3月。

防衛大学校第29期であり、もっとも若くても2018年度中に56歳を迎えることになる。

つまり、今年度中に退役が決まっているということであり、第11飛行教育団司令のポストは、長かった自衛官生活の、最後のポストということだ。


(画像提供:航空自衛隊那覇基地

1等空佐の定年は56歳であり、2018年度中に56歳を迎えるからである。

2018年2月に現職に着任したことを考えると、あるいは2019年2月頃に誕生日を迎え、退役となるのではないだろうか。

 

その辻だが、直近の補職しか判明しないものの、そのキャリアは非常に充実したものになっている。

平成27年12月から任されていた第83航空隊副司令のポストだが、第83航空隊は、その1ヶ月後の28年1月に、第9航空団として強化・再編された部隊である。

我が国の島しょ部を守る、国防の最前線である那覇基地に所在するが、辻はこの再編強化された部隊を実質的に統括する副司令として辣腕を発揮した。

どこの組織でもそうだが、実務を統括し現場を運営するのはNo.2と相場が決まっている。

つまり辻は、我が国の国防の最前線を守る第9航空団を実質的に作り上げた、初代の副司令ということだ。

その功績は極めて大きく、今後もきっと、その働きぶりは第9航空団で語り継がれるだろう。

 

なお上記の、スキンヘッドの物騒な男性に水をぶっかけて追い出している画像。

追い出されているのは辻本人だ。

第9航空団副司令の、離任の日の画像である。

 

その際、第9航空団公式Webサイトでは、以下のような文言で辻の功績をたたえて送り出した。

「類まれなる行動力と発想力で新編された第9航空団を引っ張っていただきました。」

みたまんまの行動力と、おそらく発想力なのだろう。

愛されキャラの辻の人柄が浮かぶような離任の日となったようだ。

そしてその後、29年5月から百里基地に所在する第7航空団で副司令に着任。

30年2月に第11飛行教育団司令兼ねて静浜基地司令に着任し、活躍をしている。

 

なお辻は1佐に昇任後、基地司令や団司令のポストはこれが初めてとなる。

航空自衛隊では、というよりも自衛隊で幹部自衛官として務めるものは、やはりポストの格よりも、司令や隊長といった補職に大きな誇りを感じる。

なぜなら、幕僚などの「スタッフポスト」では、着任式が行われることはなく、場合によっては申し送りと指揮官への申告・紹介で終わることも多いからだ。

たとえ2佐職であっても、司令、隊長、艦長といったポストは非常に大きな名誉となる。

 

そういった意味では、辻の最近の補職を見ていると、極めて重要なポストではあったものの、第9航空団副司令、第7航空団副司令と、副司令ポストが続いていた。

それが、長かった自衛官生活の最後に第11飛行教育団司令兼ねて静浜基地司令に着任である。

なおかつ、このポストで退役をする場合、辻はおそらく退役の日に空将補に特別昇任するだろう。

早い話が、このような「送られ方」をする幹部は、航空幕僚監部、ひいては制服組から愛されていた幹部ということだ。

その仕事ぶりと活躍を誰もが認め、

「あれだけ活躍した幹部だ。最後は指揮官ポストで送ってやりたい」

という意味が暗に込められていると考えて、まず間違いないのではないだろうか。

もちろんそれも、卓越した実力と、重要な部隊を任せてなお余りある指導力を持ち合わせていることが、当たり前だが前提になるが、いずれにせよ辻は、そのような形で自衛官生活を終えようとしている、ということである。

 

我が国の平和と安全に貢献をし続けた辻が、極めて重要な仕事を任されながら持てる力を出し切り、その最後の任務に励んでいる。

静浜基地に足を運ぶことがあれば、あるいは仕事などで、その退役の日までに辻と会うことがある人がいればぜひ、そんな辻のキャリアにも思いを馳せてもらえれば幸いだ。

その退役を迎える日まで、当サイトでも注目し、応援し続けたい。

 


(画像提供:航空自衛隊那覇基地

◆辻正紀(航空自衛隊) 主要経歴

昭和
60年3月 航空自衛隊入隊(第29期)

平成
23年12月 第4航空団飛行群司令
25年8月 幹部学校主任教官
27年12月 第83航空隊副司令
28年1月 第9航空団副司令
29年5月 第7航空団副司令
30年2月 第11飛行教育団司令兼ねて静浜基地司令

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2件のコメント

辻君を採り上げて頂きありがとうございます。辻君は、F4パイロットで301飛行隊勤務時にファイターウエポンコースを修了し、その教官を務め上げてから高級課程へと進みました。指揮官としてもパイロットとしても本物の凄腕です。
情報発信:高校同期生 

東様、コメントありがとうございました。
とても羨ましい、素晴らしい同期生をお持ちでいらっしゃいますね。
また40年近くの時を経ても、変わらず同期生を誇りに思われるご友人関係も、羨ましく思います。
間もなく退役を迎えられるかと思いますが、機会がございましたらぜひ、長い間本当にお疲れ様でしたと、お伝えくださいませ。

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