その青木が陸上自衛隊に入隊したのは平成3年3月。
1等陸佐に昇ったのが22年1月なので、35期1選抜（1番乗り）となるスピード出世だ。
その後、29年8月に陸将補に昇っているので、こちらは同期2選抜前期ということになる。
（画像提供：第1特科団公式Webサイト）
1佐時代には、エリートが配置を重ねることが多いとされる陸幕防衛課で要職を歴任。
また研究本部での勤務も2度に渡り経験していることから、おそらく早い段階から、この野戦特科の再編と新たな在り方に深く関わってきたことを窺い知ることができるキャリアとなっている。
そしてその延長線上として、特科の戦い方と普通科・機甲科と共にどのように共同し国防にあたるのか。
その任務を研究し、また訓練を指揮する富士学校特科部長に着任し、陸将補に昇任。
併せて30年3月には富士学校諸職種協同副センター長にも着任した。
これまでのキャリアから考えれば、極めて適任であるポストなのだろう、活躍が期待されるところだ。
最後に、その35期の人事の状況について見ておきたい。
35期組は、2016年夏の将官人事で最初の陸将補が選抜されたばかりの年次にあたる。
そのため陸将補が同期の出世頭ということになるが、2018年7月現在でその任に在るのは、以下の通りだ。
井戸川一友（第35期）・北部方面総監部幕僚副長（2016年7月）
上田和幹（第35期）・需品学校長兼ねて松戸駐屯地司令（2016年7月）
遠藤充（第35期）・第3施設団長（2016年7月）
戒田重雄（第35期）・第1空挺団長兼ねて習志野駐屯地司令（2016年7月）
坂本雄一（第35期）・中部方面総監部幕僚副長（2017年3月）
武田敏裕（第35期）・富士学校機甲科部長（2017年8月）
青木誠（第35期）・富士学校特科部長（2017年8月）
※肩書は全て2018年7月現在。（ ）は陸将補昇任時期。
以上のような状況になっており、まずは井戸川、上田、遠藤、戒田の4名が頭一つ抜け出し、35期の陸上幕僚長候補として名乗りを上げたと言ったところだ。
とは言えこの年次はまだ50代になったばかりであり、まだまだ先が見通せない世代でもある。
これからの活躍次第で、人事が大きく変わることもありそうだ。
青木については、組織再編と職種の在り方が大きく変わる過渡期にあって、その最前線で国防の将来像を描いている要職にある幹部である。
その活躍が日本の20年後、30年後を決定すると言ってもよく、更に注目をしていく必要がある幹部だ。
富士学校で活躍した後には、次にどこの部隊で活躍することになるのか。
その動向には注目を続け、そして応援していきたい。
※文中、自衛官および関係者の敬称略。
（画像提供：陸上自衛隊富士学校公式Webサイト 岳友第249号）
◆青木誠（陸上自衛隊） 主要経歴
平成
3年3月 陸上自衛隊入隊（第35期）
14年1月 3等陸佐
17年7月 2等陸佐
22年1月 陸幕防衛課 1等陸佐
22年3月 研究本部研究員
22年8月 中央情報隊本部付
23年12月 幹部学校教官
24年3月 第13特科隊長
25年8月 陸上幕僚監部防衛課防衛調整官
26年8月 研究本部主任研究開発官
27年8月 陸上幕僚監部総務課長
29年8月 富士学校特科部長 陸将補
30年3月 兼ねて富士学校諸職種協同副センター長
momono on 前田忠男（まえだ・ただお）｜第31期・北部方面総監: “某企業の顧問を務められたあと、会長に着任されてましたね！ お元気そうでした！ ＾…” 11月 2, 14:32
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