その奥村が、長年に渡り務めてきた職種は高射特科。
我が国の領空に侵入する敵の航空機や、地上施設・地上ユニットを攻撃しようとする対地ミサイルなどを迎撃し、無力化するのがその大きな役割だ。
近年、南西方面の離島に新たに陸自の新基地建設が計画されているが、これら基地に地対艦ミサイル部隊と共に配備が予定されている部隊であり、我が国の防衛の根幹を担う職種である。
(画像提供:自衛隊栃木地方協力本部公式Webサイト)
(画像提供:自衛隊栃木地方協力本部公式Webサイト)
そんな中、奥村は第7高射特科群(長崎)の中隊長や第6高射特科(福島)の大隊長など、各地の現場で最前線に立ち、指揮を執る。
また一方で、中央では人事や広報の要職を歴任。
地方隊では、退役する自衛官の第二の人生を支援する援護業務の要職を歴任するなど、一貫して人を扱い、また民間と自衛隊の懸け橋となる要職で成果を上げてきた。
そんな奥村が、最後に任された要職が栃木地方協力本部長であったのは、ある意味で自然な流れだったのだろう。
多くの若者に自衛隊の魅力をアピールし、そして長年に渡り自衛隊に貢献してきた自衛官を支援する責任者として、その知見を存分に発揮して、最後の大仕事をこなした。
とはいえまだ、奥村の自衛官生活は終わったわけではない。
今のポジションは高射学校付ということで、長年に渡り積み上げた知見で、さらに後進への教育や組織づくりに貢献する毎日を送っていることだろう。
40年以上に渡り送られてきたその崇高な自衛官生活には、ただただ敬意をお送りし、最後の応援をしたい。
そして退役を迎えるであろう日には静かに、敬意と共にお見送りしたい。
※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。
(画像提供:自衛隊栃木地方協力本部公式ツイッター)
◆奥村晶一(陸上自衛隊) 主要経歴
昭和
53年4月 陸上自衛隊少年工科学校入校(生徒第24期)
平成
年 月 陸上自衛隊幹部候補生学校卒業(福岡県)
年 月 高射教導隊、高射学校教官等(千葉県)
年 月 第7高射特科群中隊長(長崎県)
年 月 防衛庁長官官房広報課(東京都)
年 月 陸上幕僚監部人事部募集・援護課(東京都)
年 月 陸上幕僚監部監理部広報室(東京都)
20年8月 第6高射特科大隊長(福島県)
年 月 東部方面総監部防衛部防衛課(東京都)
年 月 東北方面総監部広報室長(宮城県)
24年7月 1等陸佐
年 月 防衛省北関東防衛局防衛補佐官(埼玉県)
年 月 東部方面総監部援護業務課長(東京都)
28年8月 自衛隊栃木地方協力本部長
30年8月 陸上自衛隊高射学校付
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