大谷伸秀は昭和53年10月23日生まれ、石川県出身の陸上自衛官。
防衛大学校第45期の卒業(電気)で幹候82期、職種は通信科だ。
平成29年8月(2017年8月) 第8通信大隊長・2等陸佐
前職は陸上幕僚監部装備計画部通信電子課であった。
(画像提供:陸上自衛隊第8師団公式Webサイト)
2018年8月現在、第8通信大隊長を務める大谷だ。
なお45期は、2018年度にストレートでも40歳になる期なので、1選抜でも1佐に昇る年次に達していない。
そのため1等陸佐のカテゴリに入れさせて頂いているが、大谷の階級も2等陸佐だ。
特にご紹介したい補職や幹部の場合、2佐でも1佐のカテゴリで、そのご活躍を記載させて頂くことがあるが、今回大谷も最前線の通信科ということで、ぜひ記事にしたかった。
その点、予めご了承をお願いしたい。
さて、第8通信大隊長の大谷である。
第8通信大隊は国防の最前線、西部方面隊の第8師団隷下に在り、師団唯一の通信科部隊となる。
自衛隊には、階級に関わりなく「長」「司令」という指揮官ポストがひとつの誇りある補職とされる文化が在るが、やはり大谷の補職も大隊長ポストだ。
階級は2陸佐だが、上記画像のように着任式が執り行われ観閲行進を指揮し、多くの部下を国家から預けられる、非常に誇りある任務を背負う。
特に第8通信大隊の場合、2018年3月に実施された陸自大改革で、その部隊の一部が水陸機動団隷下部隊として再編されたほどである。
言い換えればいつでも、国防の最前線に出動命令が下る可能性がある部隊であり、その求められる能力、緊張感は極めて高いものがあるということだ。
そのようなこともあるのだろう。
実は第8通信大隊には、平成27年3月に全国に先駆けて「野外通信システム(FCNet)」が導入され、いわば「戦場のシステム化」をさらに一歩前に進める仕組みが構築されている。
ところで、通信科の仕事についてである。
通信科とは、各種通信器材を用いて指揮連絡のための通信機能を確保・維持することがその大きな任務だが、もちろんそれだけではない。
敵情を把握し、また写真撮影などを行い、もって指揮官の意志決定に積極的に寄与することもその大事な任務となる。
そしてこの新型野外通信システムでは、司令部だけでなく戦闘の最前線においても、陸海空3自衛隊とともに戦闘情報を共有し、必要に応じて米軍とのリンクも含め、最善の意思決定を下すための仕組みを構築中だ。
それら機能も全て、この第8師団という最前線の部隊にとって、明日実戦で用いられるかもしれない実際に機能しなければならない新技術である。
大谷に任された責任は極めて重く、またかけられている期待は非常に大きい。
では、そんな期待を一身に背負う大谷とはどんなキャリアを歩んできた幹部なのか。
すこし詳細に見ていきたい。
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