さてそのような、大きな期待を背負う大谷についてである。
陸上自衛隊に入隊したのが平成13年3月。
先述のように、まだ1佐に昇る年次に達していないので、2018年現在では2等陸佐だ。
ただ、平成23年8月からはCGS(指揮幕僚課程)に学んでいるので、1選抜での昇任組に選ばれた場合は2020年にも、1等陸佐に昇任することになるだろう。
(画像提供:陸上自衛隊第8師団公式Webサイト)
なお45期組の幹部については、陸上自衛隊でのご紹介は大谷が初めてとなる。
陸海空を通じては、以前に、第1高射群第1高射隊長兼習志野分屯基地司令であった、2等陸佐の三輪大輔(第45期)をご紹介させて頂いたことがある。
第1高射群は、首都圏の防空を担う航空自衛隊の要であり、第1高射隊はその中でも、明治日本軍以来の伝統を誇る習志野に駐屯する精鋭部隊だ。
言うまでもなく、習志野に所在するのは陸自の第1空挺団や特殊作戦群であり、我が国の首都防衛に大きな役割を果たす根拠地でもある。
これら重要な根拠地を始め、首都圏の防空に責任を背負う重いポストを任されたかと思えば、一方で西方の最前線で最新鋭通信システムを運用する責任者に抜擢されたのも45期。
確実に、時代は40期以降の世代が背負っていくことを思い知らされる配置だ。
2018年夏の将官人事では、29期組を中心に一部30期組も勇退となったことを考えると、これからの10年は30期以降が国防の最高レベルの意志決定を担い、40期以降が最前線の指揮官に就いていくことになるだろう。
そのような中で、まずはこの第8通信大隊長を務める、大谷という誇りある幹部をご紹介できてとても光栄であった。
水陸機動団の新設も国防の最前線における陸自大改革も、その全てに関わるのがこの通信科という職種であり、また最新の通信システムにかかる運用を担う大谷である。
その活躍は、我が国の新しい通信システムの在り方にも影響を与えるほど、さらにその存在感を増していくことだろう。
大谷を始めとした45期組の若い幹部の活躍は、まさに今が要注目であり、今後ともますます応援していきたい。
※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。
(画像提供:陸上自衛隊第8師団公式Webサイト)
◆大谷伸秀(陸上自衛隊) 主要経歴
平成
13年3月 陸上自衛隊入隊(第45期)
13年10月 第3通信大隊(千僧)
18年3月 第3通信大隊運用訓練(千僧)
19年8月 第3通信大隊第4係(千僧)
21年8月 通信学校第1教育部戦術教官室(久里浜)
23年8月 幹部学校付第57期指揮幕僚課程(目黒)
25年8月 通信学校企画室(久里浜)
27年8月 陸上幕僚監部装備計画部通信電子課(市ヶ谷)
29年8月 第8通信大隊長(熊本)
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