森田義和(もりた・よしかず)|第30期・海上自衛隊

森田義和は昭和38年9月生まれ、新潟県出身の海上自衛官。

防衛大学校第30期の卒業で幹候37期、出身職種は判明しないが、固定翼哨戒機のパイロットもしくはTACCO(タコー:戦術航空士)出身と思われる。

平成28年7月(2016年7月) 大湊地方総監部幕僚長・海将補

前職は航空集団司令部幕僚長であった。

2018年3月現在、大湊地方総監部の幕僚長を務める森田だ。

大湊地方隊は、青森県以北の周辺海域をその警備担当区域とする地方隊だが、中でもロシア艦隊の動向を警戒監視する任務が極めて大きい。

とりわけ、北海道北端の宗谷岬とロシアが実効支配する樺太の間に位置する宗谷海峡、そして北海道と青森の間に位置する津軽海峡については、ここを通過するロシア艦隊の規模、艦種、頻度と言ったもの全てが軍事的・政治的メッセージを伴うものであり、その警戒監視は極めて重要な任務となる。

そのようなこともあるのであろう。

地方隊としての規模がやや小さいため、大湊の総監職は直接海上幕僚長にジャンプアップするポストではないが、後職では佐世保や横須賀の総監、海上幕僚副長といった「海上幕僚長直前ポスト」に異動になるものが多く、実際に海幕長に昇ったものも多くいる。

直近では、第32代の海上幕僚長であった武居智久(第23期)が、第41代の大湊地方総監。

後職として海上幕僚副長に着任し、横須賀地方総監を経て海上幕僚長に昇っている。

幕僚長ポストにあったものの動向はどうだろうか。

森田の前任者まで、後職で着任したポストと昇任について、ここ5代の人事の動きを見てみたい。

22年7月 道満誠一(第26期) → 海上幕僚監部総務部長(海将補)

24年7月 糟井裕之(第29期) → 護衛艦隊司令部幕僚長(海将補)

25年8月 二川達也(第32期) → 第4航空群司令(海将補)

26年8月 佐藤賢上(第29期) → 潜水艦隊司令部幕僚長(海将補)

27年8月 福田達也(第34期) → 第4護衛隊群司令(海将補)

28年7月 森田義和(第30期) → ?

このような状況になっており、森田も後職としてはもう一つ、海将補職を経験することになりそうだ。

ただ、特筆するべきはこれら森田の前任者を5代前まで遡ると、皆が皆、同期のトップエリートであるという事実だ。

5名のうち糟井、二川、福田の3名は、海将補までの昇任が全て同期1選抜(1番乗り)のスピード出世である。

将官の数が少ない海自において、同期から1選抜で海将補に昇るのはせいぜい2名までだ。

つまり、同期1、2を争うキレモノたちということになる。

このうち糟井は、同期1選抜の4ヶ月遅れで海将に昇っており、29期組の海上幕僚長有力候補になっている。

二川と福田はまだ海将に昇る年次に達していないので、2018年3月現在では海将補にあるが、同様に海将に昇るであろうキャリアを歩んでおり、同期の出世頭だ。

道満については、我が国最大規模にして海上防衛の要とも言える現職の横須賀地方総監を務める。

これ以上のポストは海上幕僚長しか無いというところまで、出世を極めた。

佐藤については、横須賀地方隊と並ぶ我が国の海上防衛の要、佐世保地方隊で幕僚長を務めており、あるいは後職でいずれかの地方隊で総監に着任することになるだろう。

つまり、大湊で幕僚長を務めたものは、例外なく要職を歴任することになる可能性が極めて高いということだ。

規模が小さいので余り存在感がないようだが、大湊地方隊はその人事の動向から見ても、同期のエース級が投入されて来たことがよくわかる人事となっている。

※ここまで、肩書は全て2018年3月現在のもの。

では次に、大湊地方総監部の現役幕僚長である森田のキャリアと、同期である30期の状況についてみてみたい。

森田が海上自衛隊に入隊したのは昭和61年3月。

1等海佐に昇ったのが平成17年1月だったので、30期組1選抜のスピード出世だ。

海将補に昇ったのは平成24年7月だったので、こちらは同期1選抜の1年遅れではあるが、海上自衛隊の将官人事では、海将補の段階での1年は大きな遅れではない。

堂々のスピード出世を続ける、30期組エリートの一人と言ってよいだろう。

なお30期組は、2017年夏の将官人事で最初の海将が選抜された年次にあたる。

そして2018年3月現在で、30期組から海将に昇任しているのは下記の幹部たちだ。

出口佳努(第30期相当)・統合幕僚学校長(2017年8月)

湯浅秀樹(第30期)・海上自衛隊幹部学校長(2017年12月)

※肩書は2018年3月現在。( )は海将昇任時期。

森田については、大湊地方総監部の幕僚長に着任したのが2016年7月。

そのため、2018年3月か、遅くとも2018年夏の将官人事で異動になるとみて間違いないだろう。

そしてここ5代の大湊地方総監部幕僚長の後職を見ていると、もう一つほど海将補職を経験する可能性が高そうだ。

ただ森田の場合、すでに航空畑の海将補として経験すべき補職を一通り経験している。

後は海幕の部長職くらいだが、海幕の部長職は、海将に昇るための必須の補職ではない。

そのため後職では、海将に昇任の上でより重要なポストに着任する可能性も十分考えられるだろう。

いずれにせよ、この先5年ほどに渡り、我が国の平和と安全を担っていく海上自衛隊の中で、中心になって活躍していく最高幹部であることだけは間違いない。

その動向には注目して、そして応援していきたい。

◆森田義和(海上自衛隊) 主要経歴

昭和
61年3月 海上自衛隊入隊(第30期)

平成
9年1月 3等海佐
12年7月 2等海佐
17年1月 1等海佐
19年3月 自衛艦隊司令部幕僚
20年8月 第3航空隊司令
21年7月 第1航空群主席幕僚
22年12月 航空集団幕僚
24年7月 第4航空群司令 海将補
26年8月 航空集団司令部幕僚長
28年7月 大湊地方総監部幕僚長

【注記】

このページに使用している画像の一部及び主要経歴は、防衛省のルールに従い、防衛省のHPから引用。

主要経歴については、将補以上の階級のものにあっては防衛年鑑あるいは自衛隊年鑑も参照。

自衛官各位の敬称略。

※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的に加工して用いているものがある。

【引用元】

防衛省海上自衛隊 大湊地方隊公式Webサイト(プロフィール画像及びイベント画像)

http://www.mod.go.jp/msdf/oominato/butai/soukanbu/index.html

http://www.mod.go.jp/msdf/oominato/info/news1/index.html

※2016年11月版、2017年12月版

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. mana より:

    おはようございます
    昨日の総理横須賀基地初視察
    統合幕僚長 自衛艦隊司令官がご一緒したそうですが

    次期統合幕僚長 初づくしになりそうです
    2代続けて海から 後方職から 
    今年の観艦式が来年へ順延され村川幕僚長での
    観艦式はないのかと思いましたが
    現安倍政権に大きな変化が無い限り
    村川海上幕僚長は統合幕僚長になります
    やはり陸 空幕僚長では河野さんとの期が開きすぎます
    断言できます 次期統幕長は村川さんです

    • ytamon より:

      mana様、コメントありがとうございました。
      もしそうなれば、相当なサプライズですね・・・
      全く考えもしない人事でした。
      早ければ後2ヶ月ですね。
      既に打診くらいはされている時期でしょうか。