久保勝裕は兵庫県出身の陸上自衛官。
防衛大学校第38期の卒業で幹候75期、職種は高射特科だ。
生年月日は判明しないがストレートの場合、第38期は昭和46年度の生まれということになる。
平成29年12月(2017年12月) 陸上幕僚監部人事教育部募集・援護課長・1等陸佐
前職は第15高射特科連隊長兼ねて八重瀬分屯地司令であった。
なお、第15高射特科連隊長であった時の指導方針は以下の通り。
【統率方針】
所名完遂
(画像提供:陸上自衛隊第15高射特科連隊公式Webサイト)
2018年9月現在、陸上幕僚監部で人事教育部募集・援護課長を務める久保だ。
募集・援護課長は自衛官の募集に関する業務に広く責任を持つポストであり、また自衛官の再就職に関しても同様に、公共職業安定所など外部機関と協力し、その任にあたる。
そう言った意味では、募集・援護の分野に関し、地方協力本部の中央本部にあたる組織と言ってよいだろう、自衛官の募集・再就職実績に関して大きな役割を担っている。
制服自衛官とはいえ、戦闘に関する任務ばかりが仕事ではない。
このような人事・総務に関する仕事もこなしていく能力が求められるのが、幹部自衛官の幹部たる所以だが、いろいろと勝手の違う仕事をこなさなければならないのは、やはり大変そうだ。
その久保だが、前職は中央での要職とうってかわって、国防の最前線である沖縄に所在する、第15高射特科連隊長兼ねて八重瀬分屯地司令。
八重瀬分屯基地は沖縄本島の南部に所在し、03式中距離地対空誘導弾及び11式短距離地対空誘導弾を運用し、同方面の防空任務を担当する。
ところでこの高射特科部隊。
自衛隊及び在日米軍の重要な基地が所在する沖縄本島の防空任務を担うという意味でも非常に重要な部隊だが、今後さらに大きな役割を付与されていくことになる。
それは、南西方面に展開する陸自部隊の、護衛部隊という位置づけだ。
2018年9月現在で、陸上自衛隊は宮古島と石垣島に新たな駐屯地を建設すべく準備を進めているが、同方面に配備が予定されているのは12式地対艦誘導弾を運用する地対艦ミサイル部隊。
石垣や宮古に地対艦ミサイル部隊が配備されると、尖閣諸島を含む我が国の国境付近の防衛が極めて強固なものとなるが、しかしこの部隊の存在意義はそれにとどまらない。
概ね200~300kmの有効射程距離を持つとされる12式地対艦誘導弾は、九州南部から沖縄の離島まで効率的に配置することで、中国人民解放軍が考えるところのいわゆる「第1列島線」を、全く隙間なくカバーすることが可能となる。
つまり、この方面における我が国の海上優勢に陸自部隊が非常に大きな役割を果たすことになり、中国人民解放軍の行動は第1列島線の内側に完全に封じ込められる可能性があるということだ。
このインパクトは、非常に大きい。
その一方で、いったん局地戦規模の紛争が発生した際には、もちろんこれら地対艦ミサイル部隊を含む離島の自衛隊基地は、中国人民解放軍からの巡航ミサイル、あるいは空対地ミサイルの激しい攻撃を受けることになるだろう。
その時に活躍するのが、第15高射特科連隊を含む、この地域に展開する高射特科部隊だ。
いわば我が国が国境を守り抜く上での究極の盾であり、彼らの活躍なくして我が国は、数多く存在する島嶼部を防衛することなどとてもできないという存在である。
そのような厳しい任務に当たる誇り高い部隊が、久保が前職で預かっていた第15高射特科連隊であった。
強く誇り高い部隊を率いることができるのは、やはり心身ともに強靭な連隊長のみである。
その責任あるポストを任された久保は、任務を完遂し期待に応え、中央に戻され課長職に栄転することになった形だ。
では、そのような厳しい任務を任され続ける久保とは、どのようなキャリアを歩んできた幹部なのか。
少し詳細に、その経歴を見ていきたい。
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