児島明(第2偵察隊長・2等陸佐)|第44期・陸上自衛隊

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その児島が陸上自衛隊に入隊したのは、平成12年3月。

ストレートの場合、2018年度で41歳にあたる年次である。

1選抜で1等陸佐に昇るのが2019年1月の昇任1佐人事、つまり年明けの人事ということになる、現場で今、一番活躍する世代だ。


(画像提供:陸上自衛隊第2偵察隊公式Webサイト

そしてその原隊(初任地)は、同じ第2師団隷下、上富良野駐屯地に所在する第2戦車連隊。

2018年11月現在での話だが、74式、90式、10式の3世代戦車が配備されている我が国で唯一の部隊であり、伝統的に非常に充実した火力と機動力を誇る、北の最精鋭集団だ。

この極寒の大地で児島は、精鋭部隊に揉まれながら若き初級幹部時代を鍛え上げられた。

そして中隊長職も、同じ第2戦車連隊で経験し、職種部隊としてそれ以来となる、第2偵察隊長のポストとなる。

その間、中央では技術研究本部の勤務が長く、また富士学校の装備実験隊や陸幕の開発官付も経験するなど、典型的な技術系の幹部である。

おそらく今後は、余り表に出てくることがない技術系の要職を歴任していくコースを歩んでいくことになるのではないだろうか。

せっかくのイケメンなのに、露出が減るかも知れないのは、もったいない限りである。

 

ところで、そんな技術系の幹部である児島が、ここ第2偵察隊長に就いた意味合いについてだ。

そもそもが、偵察部隊というのは基本的には、直接の戦闘を目的としない任務で動く。

第7師団隷下の第7偵察隊のように、90式戦車や迫撃砲分隊を備える、何が目的なのかわからないヤバイ連中もいるが、それでも威力偵察以上の戦闘行為は目的としていないだろう(多分・・・)

そのため基本的には、敵にもっとも近接することを求められながらも、敵に発見されれば直ちに命を落とすことを意味する、極めて過酷な任務に従事することを求められる。

実際に偵察部隊の訓練には、草むらの中でひたすら雑草に擬態し動かずにいる訓練などもあり、その努力にはただただ、頭が下がる思いだ。

あるいは児島には、そんな偵察任務をどうにか、肉眼で直接敵を目視をしながらも技術の力でさらに安全に、さらに確実に遂行する方法はないのか。

技術系の幹部としてそんな役割も期待され、この厳しい現場を任される事になったのではないだろうか。

 

では最後に、その児島と同期である44期組の動向を・・・みたいところだが、44期組は先述のように、2018年11月現在では1選抜でもまだ2等陸佐だ。

そのためその数はとても多く、ご紹介しきれないために、またの機会としたい。

普段余り目立つことがない部隊だが、偵察隊は震災の際にも最前線で情報収集にあたり、またその任務も極めて過酷で、訓練も非常に厳しい陸自の誇りある部隊である。

児島のご紹介を通してぜひ、そんな偵察隊の幹部曹士にも、注目をしてもらえれば幸いだ。

 

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。


(画像提供:陸上自衛隊第2偵察隊公式Webサイト

◆児島明(陸上自衛隊) 主要経歴

平成
12年3月 陸上自衛隊入隊
13年3月 第2戦車連隊(上富良野)
15年3月 防衛大学校付(横須賀)
17年3月 技術研究本部第4研究所(相模原)
18年7月 技術研究本部陸上装備研究所(相模原)
20年3月 技術研究本部技術開発官付(市ヶ谷)
22年3月 幹部学校付(目黒)
23年3月 装備実験隊(富士)
25年8月 第2戦車連隊中隊長(上富良野)
26年8月 陸上幕僚監部開発官付(市ヶ谷)
27年10月 陸上幕僚監部防衛部情報通信・研究課(市ヶ谷)
28年12月 第2偵察隊長(名寄)

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