その黒木が陸上自衛隊に入隊したのは平成6年3月。
1等陸佐に昇ったのが25年7月だったので、38期組1選抜後期(1番手グループ)となるスピード出世だ。
なお黒木については、最終学歴の情報が無かったために、「38期相当」という形で仮に表題を付けている。
別途事実が判明次第、必要があれば修正したい。
(画像提供:陸上自衛隊第2戦車連隊公式Webサイト)
原隊(初任地)は、風光明媚な琵琶湖のほとりの、本当になにもない山間部に所在する第10戦車大隊(今津駐屯地)。
北海道程ではないとは言え、日本海側の気候の影響を受ける自然環境で、近畿地方にしては珍しく、ドッカドカに雪が降る駐屯地だ。
その後、幹部自衛官にとっての最難関試験・CGS(指揮幕僚課程)に合格しこれを修了すると、機甲科のエリートとして要職を歴任。
中央(陸幕)では運用支援班や人事部厚生課での勤務を経験し、また機甲科の聖地・第7師団司令部では第3部で要職に配置。
また一方での機甲科の聖地である、富士学校機甲科部にも詰めて、諸職種協働での戦闘も研究するなど、機甲科を率いる幹部として非常に幅広いポストを経験した形だ。
職種部隊では、平成23年4月から第8戦車大隊の大隊長に上番し、そして平成29年3月、それ以来となる指揮官ポストの、第2戦車連隊長を任され、任務に励んでいる。
まさにこれから、2020年代後半にかけて機甲科を中心になって担っていくにふさわしい、極めて充実したキャリアとなっている。
では最後に、その黒木と同期である38期組の人事の動向を・・・見たいところなのだが、38期組は2019年夏の将官人事で、最初の陸将補が選抜される予定の年次だ。
そのため2019年6月現在では、1選抜でも1佐であり、その数はとても多く、ご紹介は改めて別の機会とさせて頂きたい。
黒木については、機甲科のエリートとして非常に充実したキャリアを歩んできた幹部の一人だ。
今後はさらに、諸職種協働と機動力の強化という陸自の新ドクトリンの中で、さらにその活躍の場を広げていくことだろう。
その動向は、これからの防衛政策の運用と併せて、非常に注目されるところだ。
これまで以上にその活躍からは目を離すことなく、そして応援していきたい。
※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。
(画像提供:陸上自衛隊第2戦車連隊公式Webサイト)
◆黒木正富(陸上自衛隊) 主要経歴
平成
6年3月 陸上自衛隊入隊(第38期相当)
7年3月 第10戦車大隊(今津)
13年8月 第10師団司令部第3部(守山)
15年8月 幹部学校付(目黒)
17年8月 第7師団司令部第3部(東千歳)
19年1月 陸上幕僚監部運用支援班(市ヶ谷)
23年4月 第8戦車大隊長(玖珠)
24年3月 幹部学校付(目黒)
25年4月 陸上自衛隊富士学校機甲科部(富士)
25年7月 1等陸佐
27年3月 陸上幕僚監部人事部厚生課(市ヶ谷)
29年3月 第2戦車連隊長(上富良野)
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