大塚海夫(情報本部長・海将)|第27期・海上自衛隊

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その大塚が海上自衛隊に入隊したのは昭和58年3月。

1等海佐に昇ったのが平成14年1月であったので、27期組1選抜となるスピード出世だ。

1佐以降のポストで言えば、水上艦艇の幹部としてだけでなく、情報職種の幹部としても活躍をしているのが印象的である。


(画像提供:海上自衛隊幹部学校公式Webサイト


(画像提供:海上自衛隊横須賀地方隊公式Webサイト

ある意味で、大塚ほど非常に多方面で、非常な活躍をみせた幹部もとても珍しいのではないだろうか。

水上艦艇の幹部としては、第21護衛隊司令、第2護衛隊群司令に続き、海将補のポストとして唯一の司令官職となる、非常な名誉とされる練習艦隊司令官にも着任。

情報系のポストでは、情報本部統合情報部長と海上幕僚監部の指揮通信情報部長に。

さらに教育・訓練系の補職では海上幕僚監部の教育課教育班長、個人訓練班長、海上自衛隊幹部学校副校長に加え、幹部学校長にも着任。

なお海自の幹部学校副校長・校長のポストと言えば、教育者として以外に、「軍人外交」を積極的にこなす、外交官としての側面も非常に強い。

いわば大塚は、水上艦艇の指揮官として、また情報系の最高幹部として、そして教育・訓練のエキスパートでもあり、外交官としても活躍しているということである。

そして平成29年12月に情報本部長に着任し、我が国の国防に非常に重い責任を担い続けている。

シーマンシップに溢れた海の紳士であり、国民の誇りと言える自衛官の一人だ。

 

では最後に、その大塚と同期である27期組の人事の動向について見てみたい。

27期組と言えば、実は陸空ではすでに同期が幕僚長に着任しており、その他の最高幹部は全員退役している世代にあたる。

おそらく海上自衛隊でも、早ければこの記事を更新したおおよそ1ヶ月後、2018年12月にいずれか1名が海上幕僚長に着任し、その他の最高幹部は退役となるかも知れない年次だ。

そしてその海上幕僚長候補たる、27期組にある海将は以下の通りとなっている。

 

山下万喜(第27期)・・・自衛艦隊司令官

池太郎(第27期)・・・呉地方総監

大塚海夫(第27期)・・・情報本部長

(肩書はいずれも2018年11月現在)

 

以上のようになっており、27期組の多くの海将・海将補はすでに退役し、残ったのはこの3名だけとなった。

おそらくこの記事を更新してから1ヶ月以内に、この3名のいずれかから海上幕僚長が誕生することになるだろう。

下馬評では、圧倒的に山下が有利とされ、常識的に考えればおそらくそうなるのが普通の見方だ。

管理人も正直、本音ではそう思っている一方で、史上初となる呉地方総監から、池が昇る可能性が高いと予想している。

まあ常識的に考えればありえない予想なので、余り多くは語らないようにしたい・・・。

 

大塚については、おそらく現職を最後に、長かった自衛官生活に別れを告げ、制服を置くことになるのではないだろうか。

小学生の頃から自衛隊を志し、国防に重い責任を担う決意で人生を駆け抜けてきた大塚の誇りある人生を思うと、本当に胸が詰まる思いであり、ただただ、心からの敬意と感謝の言葉しか思い浮かばない。

とはいえ、先にお礼を言ってしまえば、海上幕僚長に昇ってしまった時に赤っ恥をかいてしまいそうなので、もう少し我慢しておきたい(汗)

そして最後まで、その活躍に注目し、応援していきたい。

 

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。


(画像提供:海上自衛隊横須賀地方隊公式Webサイト

◆大塚海夫(海上自衛隊) 主要経歴

昭和
58年3月 海上自衛隊入隊(第27期)

平成
6年1月 3等海佐
9年7月 2等海佐
10年7月 海上幕僚監部防衛課
12年8月 とね艦長
13年8月 海上幕僚監部防衛課
14年1月 1等海佐
16年8月 海上幕僚監部教育課教育班長
16年9月 兼ねて海上幕僚監部教育課個人訓練班長
18年3月 海上幕僚監部防衛課防衛調整官
19年3月 第21護衛隊司令
19年12月 情報本部統合情報部長
21年3月 海上幕僚監部付 海将補
21年6月 海上自衛隊幹部学校副校長
21年12月 第2護衛隊群司令
22年12月 練習艦隊司令官
23年12月 海上幕僚監部指揮通信情報部長
26年10月 自衛艦隊司令部幕僚長
27年8月 海上自衛隊幹部学校長 海将
29年12月 情報本部長

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3件のコメント

大塚元海将、今は在ジブチ特命全権大使閣下ですね。自衛隊拠点もあるし、やはり史上初の自衛隊出身大使として頑張って頂きたいものです。

語学の天才と言っても過言の無い人です。防大卒業後の遠洋航海で、各国を回る間に2、3ヶ国語をマスターしてしまったという証言があります。

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