澤村満称子（さわむら・みなこ）｜第39期相当・第6後方支援連隊長

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その澤村が陸上自衛隊に入隊したのは平成7年3月。

需品科の幹部として各地の現場で経験を積み、また「人」を扱う領域での活躍も目立つ。

16年8月には、陸自の幹部にとって最難関であるCGS（指揮幕僚課程）にも学び、高級幹部への道を確実なものとした。

（画像提供：陸上自衛隊第6後方支援連隊公式Webサイト）

（画像提供：陸上自衛隊第6後方支援連隊公式Webサイト）

ところで、ここまでくればやはり気になるのは、「女性初の将官」に昇るのだろうか、ということだ。

未だに、営門将補をふくめて陸上自衛隊では、陸将補に昇った女性幹部は存在しないが、果たして澤村は将補に届くのか。

正直、状況は厳しいが、もし昇れたとしても、あるいはそれは「女性初」という冠ではなくなっているかも知れない。

というのも、澤村は防衛大学校第39期相当の幹部だが、その1期後、第40期組が防衛大学校の、女子1期生にあたる。

そしてその40期組には1選抜で1等陸佐に昇任した女性幹部、すなわち澤村と同時となる平成27年1月に1佐に昇った女性幹部も存在している。

（画像提供：防衛省防衛白書2012公式Webサイト）

例えばこちらの女性、弥頭陽子（第40期）もその一人だが、やはり1選抜で昇任をする高級幹部は、特別な存在だ。

そう言った意味では、あるいは女性初の陸将補という意味では、弥頭の方が先んじることになるかも知れない。

そしてその40期組から最初の将官が選抜されるのは2021年夏のことであり、もう間もなくということになる。

この年の将官人事は、いろいろな意味で見どころが多いものになりそうだ。

話を澤村に戻したい。

CGSを修めた澤村はその後、中央（陸上幕僚監部）での仕事が多くなる。

人事部人事計画課、装備部需品課、装備部需品課総括班長、装備部装備計画課などで要職を歴任しているが、その一方で18年8月には福岡地方協力本部でも地本業務を経験。

その間、職種部隊ではわずかに、23年8月から第4後方支援連隊の補給隊長を務めているのみであり、キャリアの多くは中央での仕組みや組織づくりが目立つものになっていると言ってよいだろう。

そして29年8月、女性初となる第6後方支援連隊長に着任し活躍している。

では最後に、その39期組の人事の動向について・・・見てみたいところだが、39期組は2020年夏の将官人事で、最初の陸将補が選抜される予定になっている年次だ。

そのため、2018年11月現在では、1選抜でも1等陸佐が出世頭となり、そのご紹介はまた別の機会としたい。

澤村については、陸将補に昇るのかどうかと言えば、正直厳しいかも知れない。

しかしそのキャリアを見ていると、恐らく近い将来にいずれかの地方協力本部長に上番することは、恐らく間違いがなさそうだ。

2018年8月、京都地方協力本部では、京都地本初となる女性本部長、亀井律子（36期相当）が着任しているが、彼女もまた、部内幹部として初めてCGSを突破した伝説クラスの女性だ。

おそらく澤村も、今後女性自衛官をより多く採用し育てるという意味でも、きっと地本長に上番することになるのは、間違いないのではないだろうか。

もしそうなれば非常に楽しみであり、ますますその活躍の幅を広げていくことになるだろう。

何れにせよ、澤村は2018年現在、現場の第一線で最も力を発揮する年次であり、またキャリアを誇る高級幹部である。

その活躍からは目を離さず、今後とも変わらず応援していきたい。

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。

（画像提供：陸上自衛隊第6後方支援連隊公式Webサイト）

◆澤村満称子（陸上自衛隊）　主要経歴

平成
7年3月　陸上自衛隊入隊（第39期相当）
13年3月　関西補給処
16年8月　幹部学校付第50期指揮幕僚課程
18年8月　福岡地本
19年8月　陸上幕僚監部人事部人事計画課
22年3月　幹部学校
23年8月　第4後方支援連隊補給隊長
25年3月　陸上幕僚監部装備部需品課
26年8月　幹部学校（防衛研究所一般課程）
27年1月　1等陸佐
27年6月　陸上幕僚監部装備部需品課
27年8月　陸上幕僚監部装備部需品課総括班長
27年10月　陸上幕僚監部装備部装備計画課
29年8月　第6後方支援連隊長

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