その星野が陸上自衛隊に入隊したのは昭和62年3月。
原隊(初任地)は北千歳に所在していた第125特科大隊であり、今の第1地対艦ミサイル連隊の母体となった部隊だ。
非常に厳しい自然環境の中、まただからこそ恵まれた演習環境などにも恵まれた北の大地で、初級幹部として自衛官生活のスタートを切った。
(画像提供:自衛隊長野地方協力本部公式ツイッター)
そして平成4年3月には、第1地隊艦ミサイル連隊に組織再編された部隊でも引き続き勤務。
大隊長は、真駒内駐屯地に所在する第1特科群隷下、MLRSを主兵装とする第133特科大隊で上番、連隊長(相当職)は同じ北海道の帯広に所在する第5特科隊長に着任した。
その間、中央では中央情報隊準備隊に続き、新編された情報処理隊の副隊長を任され、平成22年7月からは愛知地方協力本部でも要職を任される。
そして平成29年3月に長野地方協力本部長に昇り、空前の人手不足の中、自衛隊の魅力をアピールし、一人でも多くの若者に国防を仕事にする魅力を訴え続けている。
地対艦ミサイル部隊という非常に大きな役割を果たす兵科のエキスパートと言うだけでなく、人間的魅力を活かした、またコミュニケーション能力を必要とされるポストで強みを発揮する幹部であると言ってよいだろう。
では最後に、その星野と同期である31期組の動向について見てみたい。
31期組は、2018年夏の将官人事でまさに、1選抜の陸将が選抜されたばかりの年次にあたる。
そして2018年12月現在では、以下の幹部たちがその任にあたっている。
竹本竜司(第31期)・第1師団長(2018年8月)
沖邑佳彦(第31期)・第4師団長(2018年8月)
前田忠男(第31期)・第7師団長(2018年8月)
※肩書はいずれも2018年12月現在。( )は陸将昇任時期。
上記のようになっており、31期組についてはこの3名で、同期の陸幕長候補が出揃ったと考えてよいだろう。
本来であれば、4名が1選抜で陸将に昇任するのが慣例なのだが、2018年夏の将官人事では3名の陸将昇任に留まっているのが、31期組人事の特徴だ。
程なくして4人目が陸将に昇ると思われるが、あるいは陸自大改革の影響で、また人事の流れが少し変わったのかも知れない。
星野については、非常に幅広い領域に強みを発揮してきた上で、やはり人を扱う分野での実績が顕著な幹部だ。
おそらく今後も、人事系や、あるいは地対艦ミサイル部隊の幹部として、西方など緊張が高まる現場での活躍を求められるのではないだろうか。
長野地方協力本部長として、平時の最前線に立つ星野のご紹介であった。
今後ともその活躍からは目を離さず、そしてしっかりと応援していきたい。
※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。
(画像提供:自衛隊長野地方協力本部公式Webサイト)
◆星野浩幸(陸上自衛隊) 主要経歴
昭和
62年3月 陸上自衛隊入隊(第31期)
62年10月 第125特科大隊(北千歳)
平成
4年3月 第1地隊艦ミサイル連隊(北千歳)
7年8月 富士学校特科部(富士)
9年8月 幹部学校(目黒)
11年8月 防衛大学校訓練部(横須賀)
13年8月 陸上幕僚監部(市ヶ谷)
16年3月 第133特科大隊長(真駒内)
18年3月 中央情報隊準備隊(市ヶ谷)
19年3月 情報処理隊副隊長(市ヶ谷)
20年3月 西部方面総監部防衛部(健軍)
22年7月 自衛隊愛知地方協力本部(名古屋)
24年8月 東北方面総監部総務部(仙台)
26年8月 第5特科隊長(帯広)
29年3月 自衛隊長野地方協力本部長
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