八木浩二(やぎ・こうじ)|第35期・海上自衛隊

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八木浩二は防衛大学校第35期、幹候は42期卒業の海上自衛官。

防衛省公式ソースが無いため生年月日は判明しないが、第35期の卒業生は、ストレートに行けば昭和43年度生まれの年次にあたる。

 

平成29年8月(2017年8月) 第1護衛隊群司令・海将補

前職は海上幕僚監部運用支援課長であった。

なお第1護衛隊群司令としての指導方針は以下の通り。

 

【指導方針】

至誠

チームワーク

 

第35期のトップエリートにして、護衛艦隊隷下、第1護衛隊群を預かる八木だ。

第1護衛隊群は、その名前が示すとおりに海上自衛隊を代表する護衛艦により構成されており、その司令ポストは、水上艦艇幹部にとって極めて名誉ある補職の一つとなる。

 

その第1護衛隊群には、2017年11月現在で以下の護衛艦が配置されている。

 

第1護衛隊 いずも 基準排水量19500トン。

2015年就役の、我が国を代表する最新鋭DDH(ヘリ搭載護衛艦)

はたかぜ 基準排水量4600トン。

実績十分で使い勝手のよいDDG(ミサイル護衛艦)

いかずち 基準排水量4550トン。

数々の国際式典・国際活動で活躍する汎用型DD。

むらさめ 基準排水量4550トン。

海自国際観艦式で先導艦を務めるなど、我が国を代表する護衛艦の一つ。

第5護衛隊 こんごう 基準排水量7250トン。

我が国のミサイル防衛において中核を成す、実績十分のイージス護衛艦。

あきづき 基準排水量5000トン。

ソマリアでも活躍した、2012年に就役したばかりの最新鋭護衛艦。

ありあけ 基準排水量4550トン。

テロ特措法でインド洋にも派遣されるなど、国際貢献活動に広く従事。

あけぼの 基準排水量4550トン。

RIMPAC2010など、数々の多国間訓練に参加して存在感を示す。

 

最新鋭の護衛艦から実績十分で期待通りに仕事をしてくれる護衛艦まで、その構成は極めてバランスが良い。

第1護衛隊群は、国際貢献活動や軍人外交に活躍する機会も多いために、それにふさわしい精鋭が取り揃えられている編成内容だ。

 

とくにいずもは、その存在感の大きさゆえに、どこに派遣され、どのような国と訓練を行うのか。

その行動そのものが既に政治であり、その艦長や指揮官、司令に誰があたるのか、という人事についても中国人民解放軍の興味の対象になる。

 

前任の第1護衛隊群司令であった伍賀祥裕(第35期)もそうであったが、その国際行事における発言は常にマスコミにも報じられ、政治性を帯びざるを得ないポストだ。

八木の着任したポストはそれほどに重く、今後さらにその動静を伝える記事が多く報じられていくことになるだろう。

 

 

さて、その八木のキャリアについて少し見てみると、海上自衛隊に入隊したのが平成3年3月。

1等海佐に昇ったのは平成22年1月であったので、同期1選抜(1番乗り)のスピード出世であった。

そして海将補昇任とともに着任したのが第1護衛隊群司令であり、その時期は平成29年8月。

そのため、海将補昇任に関しては、同期1選抜に1年遅れたことになる。

なお、第1護衛隊群の前任である伍賀は同期であり、1選抜での海将補昇任であった。

 

このあたりの1年遅れは、まだまだトップを目指す「海上幕僚長レース」に決定的な遅れとなるというほどではない。

35期組は2016年夏に最初の将補が誕生した世代だが、おそらくまだ海将補に昇るものが後に続き、活発な人事が行われる年次となっていくだろう。

 

その35期組において、2017年11月現在で将補の階級にあるものは以下の通り。

あるいはこの中から、10年後の海上幕僚長が誕生しているかもしれないという最高幹部たちである。

 

松本完(第35期)・第4航空群司令(2016年7月)

伍賀祥裕(第35期)・護衛艦隊司令部幕僚長(2016年7月)

八木浩二(第35期)・第1護衛隊群司令(2017年8月)

(※肩書はいずれも2017年11月現在。末尾時期は将補昇任時期)

 

このように見ると、航空畑の松本と水上艦艇幹部の伍賀が今のところ、35期組のトップレースを走っているといえるだろう。

やはり特筆するべきは、医官を除く初の女性海将補、近藤の存在だ。

そしてそれに八木が続くという構図になっているが、この4名はいずれもスーパーエリートであり、誰が抜け出すのかはまだまだ見えていない状況にある。

 

この先10年、海上自衛隊において最高レベルの意思決定を行っていくことになる世代だ。

その一人として、2017年夏に将官の仲間入りをした八木には、注目して今後も追っていきたい。

 

◆八木浩二(海上自衛隊) 主要経歴

平成
3年3月 海上自衛隊入隊(第35期)
14年1月 3等海佐
17年7月 2等海佐
20年4月 ちくま艦長
21年3月 海上幕僚監部装備体系課
22年1月 1等海佐
23年8月 統合幕僚監部運用1課日米共同班長
25年8月 第15護衛隊司令
26年8月 海上幕僚監部防衛課分析室長
27年3月 海上幕僚監部運用支援課長
29年8月 第1護衛隊群司令 海将補

 

【注記】

このページに使用している画像の一部及び主要経歴は、防衛省のルールに従い、防衛省のHPから引用。

主要経歴については、将補以上の階級のものにあっては防衛年鑑あるいは自衛隊年鑑も参照。

自衛官各位の敬称略。

※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的に加工して用いているものがある。

【引用元】

防衛省海上自衛隊 第1護衛隊群公式Webサイト(顔写真)

http://www.mod.go.jp/msdf/ccf1/about/index.html

防衛省海上自衛隊 横須賀地方隊公式Webサイト(いずも引渡式)

http://www.mod.go.jp/msdf/yokosuka/news/26/35.html

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