藤井祥一(ふじい・しょういち)|第30期・陸上自衛隊

藤井祥一は昭和39年3月生まれ、岡山県出身の陸上自衛官。

防衛大学校第30期の卒業で幹候67期、出身職種は通信だ。

平成28年7月(2016年7月) 通信団長・陸将補

前職は九州補給処副処長であった。

2018年3月現在、陸上自衛隊通信団長を務める藤井だ。

通信団は防衛大臣直轄の組織であり、巨大な通信塔が印象的な市ヶ谷駐屯地に所在する。

通信団という名前から、情報通信のインフラを扱う部隊に思われがちだが、通信インフラを確保し運用するノウハウが有るということは、即ちこれら情報の漏洩防止やセキュリティの確保にも通じているということだ。

さらに入手した写真やビデオの解析も行い、近隣諸国はもちろん、世界各国から手に入る各種情報を分析する役割も担う。

そしてその通信団だが、この記事をポストして間もなくの2018年3月中に、陸自大改革の一環で大幅な組織改編が行われる。

細かな改編は割愛するが、大きくは、防衛大臣直轄組織から陸上総隊隷下部隊へと移行することがその特徴だ。

陸上総隊は、中央即応集団隷下に在った部隊を吸収することと併せ、危機に際し迅速な作戦行動を開始するために欠かせない機動的な通信能力を、通信団を隷下に置くことで得ることになる。

藤井については、通信団長に着任したのが平成28年7月。

そこから陸自大改革への準備に忙しい通信団を預かってきたが、あるいは平成30年(2018年)3月の改革実行に併せ、「システム通信団」に衣替えするタイミングで異動になることも予想されるだろう。

さて、その藤井のキャリアについて少し見てみたい。

藤井が陸上自衛隊に入隊したのは昭和61年3月。

1等陸佐に昇ったのが平成17年7月であったので、第30期組1選抜からは半年遅れでの昇任であった。

陸将補に昇ったのは平成28年7月であったので、1等陸佐を11年務めた事になり、極めて豊富な現場指揮を経験した上での、将官への昇任であった。

なお1等陸佐では、「分析室」などを持つ統合幕僚監部第5幕僚室、西部方面通信群長、陸幕通信室長、西部方面後方支援隊長、九州補給処副処長など、通信畑を中心とした後方支援を広く経験。

研究本部研究員も経験するなど、研究者としての一面も見せながら広く活躍した。

なおその藤井には、国会の外交防衛委員会でも参考資料として取り上げられた、

「沖ノ鳥島の戦略的価値とその利用–中国の海洋における活動範囲の拡大とグアム防衛」

という論文がある。

おそらく時期的に、研究本部研究員の頃のものであると思われ、本当に小さな沖ノ鳥島の、その戦略的重要性について語る内容になっている。

また、繰り返し付近に出没する中国人民解放軍の意図を読み解き解説する内容も非常に興味深いので、機会があればぜひ目を通して欲しい。

次に、藤井と同期である30期組の動向について見てみたい。

30期組は、2018年夏の将官人事で最初の陸将が選抜された年次だ。

そのため、既に「陸上幕僚長候補」の最後のレースが始まっていると言えるが、その実質的な候補者は、2018年3月までに陸将に昇ったものに限られるだろう。

2018年3月の将官人事は、この記事をポストしている3月12日現在ではまだ発令されていないが、とても楽しみだ。

そのようなこともあり、まずは2017年12月までに陸将に昇ったものと言うことにはなるが、30期組で、2018年3月現在で陸将にあるものは以下の幹部たちとなる。

髙田祐一(第30期)・第4師団長(普通科出身・2017年8月)

野澤真(第30期)・第2師団長(野戦特科出身・2017年8月)

小野塚貴之(第30期)・第7師団長(施設課出身・2017年8月)

吉田圭秀(第30期相当)・第8師団長(普通科出身・2017年8月)

田中重伸(第30期)・第3師団長(航空科出身・2017年12月)

※肩書はいずれも2018年3月現在。( )は陸将昇任時期。

上記のように、まずは1選抜で陸将に昇った髙田、野澤、小野塚、吉田の4名を中心に、30期組の最高幹部人事は進んでいくことになるだろう。

中でも、髙田は早くから近い将来の陸上幕僚長候補としての呼び声が高く、厳密に言えば、実は上記1選抜4名の中で、わずか1週間ほどだが、髙田が「先任陸将」になっている。

あるいは4~5年後には、髙田祐一が第38代あたりの陸上幕僚長に昇っているかも知れない。

藤井については、豊富な現場経験に裏付けられた確かな指揮能力が魅力の将官として、これからも我が国の平和と安全に、通信畑の専門知識を活かして活躍し続けてくれるはずだ。

後方支援系の職種はなかなか表に出てくることはなく目立たないが、注意して探せば、後方支援系部隊や各地補給処などの広報誌で、その活躍を知ることができる。

インターネットでも閲覧できる部隊広報誌はたくさんあるので、ぜひこのような表に出ない、それでいて部隊運営の根幹である後方支援職種にも注目し、そして応援してもらえれば幸いだ。

◆藤井祥一(陸上自衛隊) 主要経歴

昭和
61年3月 陸上自衛隊入隊

平成
9年1月 3等陸佐
12年7月 2等陸佐
17年7月 統合幕僚監部第5幕僚室 1等陸佐
18年3月 幹部学校付
19年3月 研究本部研究員
19年9月 北関東防衛局防衛補佐官
21年8月 西部方面通信群長
23年4月 陸上幕僚監部防衛部情報通信・研究課情報通信室長
24年12月 研究本部主任研究開発官
25年8月 西部方面後方支援隊長
27年3月 九州補給処副処長
28年7月 通信団長 陸将補

【注記】

このページに使用している画像の一部及び主要経歴は、防衛省のルールに従い、防衛省のHPから引用。

主要経歴については、将補以上の階級のものにあっては防衛年鑑あるいは自衛隊年鑑も参照。

自衛官各位の敬称略。

※画像はそれぞれ、軽量化やサイズ調整などを目的に加工して用いているものがある。

【引用元】

防衛省陸上自衛隊 関東補給処公式Webサイト広報誌第36号(顔写真)

http://www.mod.go.jp/gsdf/eae/eadep/sabu07.html

防衛省陸上自衛隊 通信学校公式Webサイト(訓練画像)

http://www.mod.go.jp/gsdf/sigsch/gallery/index.html

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