その黒岩が陸上自衛隊に入隊したのは平成3年3月。
1等陸佐に昇ったのは27年7月であった。
原隊(初任地)は東京・練馬に所在する第1普通科連隊であり、初級幹部として最初に、我が国の政経中枢を担う頭号連隊に配属され、厳しい自衛官生活のスタートを切った。
(画像提供:陸上自衛隊大村駐屯地公式Webサイト)
(画像提供:陸上自衛隊第5旅団公式Webサイト)
その後、多くの幹部自衛官が「思い出深い補職の一つ」と話してくれる事が多い中隊長ポストは、別府に所在する第41普通科連隊で経験。
同じ九州の大村に所在する第16普通科連隊では、第3科長を務めた。
その間、中央(陸上幕僚監部)では監理部総務課企画班に勤務し、また各地の司令部では西部方面総監部の総務部総務課総務班長を。第2師団司令部では第4部長などの要職を歴任している。
そして平成28年8月から第27普通科連隊長兼ねて釧路駐屯地司令に上番し、その後職として30年8月から、北部方面総監部の総務部総務課長を担っている。
国防の現場を中心になって支える、今もっとも力を発揮している35期の高級幹部の一人であると言ってよいだろう。
なお上記写真1枚目は、おわかりだと思うが大村駐屯地にあった時の黒岩の画像を発掘してきたものである。
バナナ片手におどけている画像もあったが、そちらはご紹介を自粛した笑
41~42歳と思われる頃の黒岩だがそれほど今と大きな違いを感じないような・・・。
では最後に、その黒岩と同期である35期組の人事の動向についてみてみたい。
35期組は、2016年夏の将官人事で最初の陸将補が選抜されたばかりの年次にあたる。
そして2019年1月現在、その任に在る最高幹部たちは以下の通りだ。
井土川一友(第35期)・北部方面総監部幕僚副長(2016年7月)
上田和幹(第35期)・需品学校長兼ねて松戸駐屯地司令(2016年7月)
遠藤充(第35期)・第3施設団長(2016年7月)
戒田重雄(第35期)・第1空挺団長兼ねて習志野駐屯地司令(2016年7月)
坂本雄一(第35期)・中部方面総監部幕僚副長(2017年3月)
武田敏裕(第35期)・富士学校機甲科部長(2017年8月)
青木誠(第35期)・富士学校特科部長(2017年8月)
※肩書は全て2019年1月現在。( )は陸将補昇任時期。
※2018年夏以降の将官人事で昇任した将補について、年次未確認のために追記する可能性あり。
以上のようになっており、まずは井土川、上田、遠藤、戒田の4名が、35期組の陸上幕僚長候補として1歩抜け出した状態にあると言って良さそうだ。
黒岩については今後も、現場にあって現場を率いる高級幹部として、その豊富な知見を活かして力を尽くしてくれるのではないだろうか。
35期という年次でもあり、その活躍がまさに、2020年代の日本と世界の平和を左右する、大きな仕事を担っている世代である。
これからもその動向には特に注目し、そして応援していきたい。
※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。
(画像提供:陸上自衛隊第5旅団公式Webサイト ひがし北海道だより第172号)
◆黒岩太一郎(陸上自衛隊) 主要経歴
平成
3年3月 陸上自衛隊入隊(第35期)
3年9月 第1普通科連隊(練馬)
11年3月 防衛大学校訓練部訓練課(横須賀)
14年3月 富士学校普通科部付(富士)
15年3月 第41普通科連隊中隊長(別府)
17年3月 第8師団司令部第1部人事1班長(北熊本)
19年3月 陸上幕僚監部監理部総務課企画班(市ヶ谷)
22年3月 第16普通科連隊第3科長(大村)
25年3月 西部方面総監部総務部総務課総務班長(健軍)
27年4月 第2師団司令部第4部長(旭川)
27年7月 1等陸佐
28年8月 第27普通科連隊長兼ねて釧路駐屯地司令(釧路)
30年8月 北部方面総監部総務部総務課長(札幌)
コメントを残す