壁村正照(第15旅団副旅団長・1等陸佐)|第30期・陸上自衛隊

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その壁村が陸上自衛隊に入隊したのは昭和61年3月。

1等陸佐に昇った時期が自衛隊の人事記録で確認ができないが、おそらくこれは平成17年6月から外務省に出向し防衛駐在官を務めていたからと思われ、事実上の1選抜のはずだ。

原隊(初任地)は滝川に所在していた第11特科連隊第1大隊であり、同地で初級幹部として、厳しい自衛官生活のスタートを切っている。

(画像提供:陸上自衛隊第15旅団公式フェイスブック

(画像提供:陸上自衛隊湯布院駐屯地公式Webサイト

その後職種部隊では、大隊長ポストを福島県の郡山に所在する第6特科連隊の第1大隊長で、連隊長ポストも同じ第6特科連隊長兼郡山駐屯地司令として上番している。

また情報科が職種化する前は、他の職種にある幹部が兼務で務めていた事実があるが、壁村は野戦特科の幹部としてよりも情報科の幹部としてのポストも多く経験しており、北部方面総監部の調査部、陸上幕僚監部の調査部調査課、北部方面総監部の調査部調査課長、東北方面総監部情報部長などと言った要職も歴任。

また他に、研究本部総合研究部、自衛隊群馬地方協力本部長、さらにフィンランド兼エストニアの防衛駐在官として現地に赴いていたのは先述のとおりだ。

そして平成28年7月から西部方面特科隊長兼ねて湯布院駐屯地司令とつとめ、その後職として平成30年8月、第15旅団副旅団長兼ねて那覇駐屯地司令に着任している。

30期を代表する野戦特科の高給幹部であり、また情報科の幹部としても非常に経験豊富な指揮官である。

 

なお、その壁村が前職で務めていた西部方面特科隊は、西部方面隊直轄の特科部隊であり、西日本で唯一、地対艦ミサイル連隊が配備されてる部隊でもある。

また12式地対艦ミサイルが配備された野戦特科部隊は、我が国の防衛を担う上で極めて大きな役割を果たす兵種であり、2019年現在、南西方面の島嶼部にもっとも必要な装備だ。

そういった意味では、壁村がこの時期に第15旅団の副旅団長に着任した意味は明白であり、さらなる防衛体制の強化を託されていると言ってよいだろう。

決して目立つことはないが、我が国の最前線ではとても頼もしい指揮官が、このような配置についていることをぜひ、一人でも多くの人に知ってほしい。

 

では最後に、その壁村と同期である30期組の人事の動向について見てみたい。

30期組は、既に1選抜の陸将が出揃っており、同期の陸上幕僚長候補という意味では絞り込みが終わっている状況だ。

そして2019年2月現在、その候補者たる30期組の陸将にある幹部は、以下の通りになっている。

 

髙田祐一(第30期)・富士学校長(普通科出身・2017年8月)

小野塚貴之(第30期)・陸上幕僚副長(施設課出身・2017年8月)

野澤真(第30期)・第2師団長(野戦特科出身・2017年8月)

吉田圭秀(第30期相当)・第8師団長(普通科出身・2017年8月)

田中重伸(第30期)・第3師団長(航空科出身・2017年12月)

※肩書はいずれも2019年2月現在。( )は陸将昇任時期。

 

以上のようになっており、30期組は髙田、野澤、小野塚、吉田の4名が、極めて近い将来の陸幕長候補と言うことになるだろう。

中でもおそらく、大本命として陸自内外から期待を集めているのは、おそらく高田であろうと予想している。

次の次の陸上幕僚長候補として、内局はもちろん、政治家サイドでも強く意識されている存在ではないだろうか。

 

壁村については、これだけ充実し、優れた実績を誇る高級幹部ではあるが、1佐としての定年を迎える56歳が、1年後に迫っている。

その為あるいは、現職が最後のポストということになるのではないだろうか。

寂しいことだが、どれだけ優れた自衛官にも、定年は必ず訪れることを改めて考えさせられる思いだ。

とは言え壁村が担う責任は、現に国防の最前線であり、その担っている責任は極めて重く、国民からの期待は非常に大きい。

その活躍には最後まで注目し、そして応援をしていきたいと思う。

 

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。

(画像提供:陸上自衛隊湯布院駐屯地公式Webサイト

◆壁村正照(陸上自衛隊) 主要経歴

昭和
61年3月 陸上自衛隊入隊(第30期)
61年10月 第11特科連隊第1大隊(滝川)
63年10月 通信学校付(久里浜)

平成
3年8月 装備開発実験隊(富士)
5年8月 幹部学校学生(市ヶ谷)
7年8月 北部方面総監部調査部(札幌)
9年8月 陸上幕僚監部調査部調査課(桧町)
13年8月 第6特科連隊第1大隊長(郡山)
15年3月 陸上幕僚監部調査部調査課(市ヶ谷)
16年3月 研究本部総合研究部(朝霞)
16年8月 陸上幕僚監部調査部付(市ヶ谷)
17年6月 外務事務官(フィンランド兼エストニア)
20年8月 北部方面総監部調査部調査課長(札幌)
21年12月 第6特科連隊長兼郡山駐屯地司令(郡山)
23年8月 自衛隊群馬地方協力本部長(群馬)
25年9月 研究本部主任研究官(朝霞)
26年12月 東北方面総監部情報部長(仙台)
28年7月 西部方面特科隊長兼ねて湯布院駐屯地司令(湯布院)
30年8月 第15旅団副旅団長兼ねて那覇駐屯地司令

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