山下慎一(茨城地方協力本部長・1等陸佐)|第33期・陸上自衛隊

Pocket

その山下が陸上自衛隊に入隊したのは平成元年3月。

原隊(初任地)は北千歳に所在していた第125特科大隊であり、現在の第1地対艦ミサイル連隊である。

この北千歳の地で、地対艦ミサイル部隊の初級幹部として、厳しい自衛官生活のスタートを切っている。

(画像提供:自衛隊茨城地方協力本部公式Webサイト 三の丸だより35号)

(画像提供:自衛隊茨城地方協力本部公式Webサイト 三の丸だより新春号)

その後、改編で格上げされた第1地対艦ミサイル連隊でも活躍し、程なくしてCGS(指揮幕僚課程)に進む。

以降、職種部隊では健軍に所在する第5地対艦ミサイル連隊でも指揮を執ったが、地対艦ミサイル部隊の現場指揮官としてはここが最後となった。

政府の政策転換によるものであることは先述のとおりだが、平成18年8月には岩手に所在する第9特科連隊の第1大隊長に、また25年8月には宇都宮に所在する第12特科隊長にそれぞれ上番している。

その間、幕僚やスタッフのポジションでは、地方協力本部がまだ地方連絡部という名称であった平成10年8月に兵庫地方連絡部で勤務を経験。

西部方面総監部では防衛部で、中央(陸上幕僚幹部)では教育訓練部でそれぞれスタッフとして経験値を積んだ。

またCRF(中央即応集団、現陸上総隊)では情報部の副長を、第13旅団で第3部長の要職も、それぞれ歴任している。

そして27年8月に富士学校特科部の訓練評価室長として活躍すると、その後職として29年8月に自衛隊茨城地方協力本部長に着任し、自衛隊と国民の間の架け橋として尽力を続けている。

33期組を代表する、今我が国の国防体制がもっとも必要とする幹部自衛官の一人であると言ってよいだろう。

 

では最後に、その山下と同期である33期組の人事の動向について見てみたい。

33期組は2014年に最初の陸将補が選抜され、2020年に最初の陸将が選抜される予定になっている年次だ。

そして2019年3月現在で、以下の幹部たちが陸将補の任にあたっている。

 

冨樫勇一(第33期)・陸上幕僚監部人事教育部長(2014年8月)

山根寿一(第33期)・第13旅団長(2014年8月)

牛嶋築(第33期)・東北方面総監部幕僚長兼ねて仙台駐屯地司令(2014年8月)

末吉洋明(第33期)・陸上幕僚監部運用支援・訓練部長(2014年8月)

廣惠次郎(第33期)・陸上幕僚監部指揮通信システム・情報部長(2015年3月)

児玉恭幸(第33期)・教育訓練研究本部副本部長兼ねて総合企画部長(2015年8月)

梅田将(第33期相当)・警務隊長(2015年12月)

酒井秀典(第33期)・第1ヘリコプター団長兼ねて木更津駐屯地(2016年3月)

宮本久徳(第33期)・高射学校長兼ねて下志津駐屯地司令(2016年12月)

堀江祐一(第33期相当)・陸上自衛隊高等工科学校長兼ねて武山駐屯地司令(2017年3月)

楠見晋一(第33期)・中央情報隊長兼ねて陸上総隊司令部情報部長(2017年8月)

更谷光二(第33期)・東北方面総監部幕僚副長(2018年3月)

※肩書はいずれも2019年4月現在。( )内は陸将補昇任時期。

※2018年8月以降の将官人事で昇任した陸将補の確認が未了のため、加筆する可能性あり。

 

以上のような状況になっており、まずは冨樫、山根、牛島、末吉の4名が中心になって、33期組の最高幹部人事は進んでいくことになるだろう。

 

山下については、今現在の安全保障の中で、その知見がもっとも必要とされている地対艦ミサイル部隊のエキスパートだ。

おそらく今後も、その知見が活きてくるポストで更に活躍の場を広げてくれることになるのではないだろうか。

いずれにせよ、今もっとも注目をして欲しい幹部の一人である、山下のご紹介であった。

今後ともその活躍を追い続け、そして応援していきたい。

 

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。

(画像提供:自衛隊茨城地方協力本部公式Webサイト 三の丸だより新春号)

◆山下慎一(陸上自衛隊) 主要経歴

平成
元年3月 陸上自衛隊入隊(第33期)
2年3月 第125特科大隊(北千歳)
4年3月 第1地対艦ミサイル連隊(北千歳)
8年8月 幹部学校(目黒)
10年8月 自衛隊兵庫地方連絡部(兵庫)
12年8月 第5地対艦ミサイル連隊(健軍)
14年3月 西部方面総監部・防衛(熊本)
15年8月 陸上幕僚監部・教育(市ヶ谷)
16年3月 陸上幕僚監部・教育訓練(市ヶ谷)
17年8月 研究本部(朝霞)
18年8月 第9特科連隊第1大隊長(岩手)
20年3月 幹部候補生学校(前川原)
22年3月 中央即応集団情報部副長(朝霞)
23年8月 第13旅団第3部長(海田市)
25年8月 第12特科隊長(宇都宮)
27年8月 富士学校(特科部)訓練評価室長(富士)
29年8月 自衛隊茨城地方協力本部長(水戸)

Pocket

3件のコメント

まったく関係ないコメント失礼します。
自衛隊基地と云えば基地内に床屋やトレーニングルームがあり
食事は栄養士さんが考えてくれた食事を食べることが可能と
色々充実しております。

下記 航空自衛隊基地でも同様でしょうか?
府中基地
十条基地(補給処)
横田基地

うーん・・・どうでしょう。
さすがにちょっと、想像がつきません。。
今度、中の人に会った時に聞いておきますね!

コメントを残す