その工藤が陸上自衛隊に入隊したのは、昭和63年4月。
63年3月28日に、先述のように少年工科学校に入校しているが、おそらく自衛官任官は4月1日付なのではないだろうか。
この辺りに数日のタイムラグがある理由は、正直良くわからない。
(画像提供:陸上自衛隊第6師団公式Webサイト)
そして少年工科学校を卒業した工藤は、陸曹として部隊勤務を10年近くに渡り経験した後、平成13年3月に3等陸尉に任官。
通信科の幹部として改めて新たな自衛官生活のスタートを切ると、修理幹部、運用訓練幹部として各地の職種部隊で活躍を始める。
その現場は主に、中央野外通信群の第101搬送通信大隊、西部方面通信群の第302通信支援中隊などであったが、ただ職種部隊は平成21年を最後に、以降は総監部や中央(陸幕・統幕)に転じる。
やはり現場を知り尽くす幹部として、中央での仕組み・組織づくりに工藤の力が必要とされたということなのだろう。
陸幕では装備部(装備計画部)通信電子課で。
統幕では指揮通信システム部指揮通信システム運用班で、それぞれ現場観を活かし、組織づくりに貢献する活躍を見せた。
そして平成30年3月から、久しぶりとなる職種部隊に復帰し、第11通信隊長に着任している。
非常に頼もしい下士官上がりの隊長ということで、部隊の士気も大いに高まっているのではないだろうか。
では最後に、その工藤の同期である第44期組のご紹介を・・・したところで、部内から幹部に上がった幹部でもあり、幹部候補生学校の同期をご紹介しても余り意味はないだろう。
なおかつ、防衛大学校を卒業し第44期で自衛隊に入隊している幹部は、1選抜でもまだ2等陸佐なので、その数はさすがに余りにも多い。
また別の機会に、ご紹介をさせて頂くことにしたい。
工藤の今後についてだが、FOC(幹部特修)課程を選び、現場を愛し、現場に生きることを選んだ幹部である。
にも関わらず、中央に引っ張り上げられる補職が続いているが、いずれにせよ、大隊長クラスの要職を歴任し、少年工科学校卒業生らしい、いぶし銀の職人幹部として今後も活躍していってくれるはずだ。
繰り返しになるが、自衛隊が精強さを維持できるのは、工藤のような現場に精通する幹部が存在するからだ。
曹(士)から叩き上げた頼もしい幹部として、その動向にはぜひ注目をし、駐屯地などの記念行事があれば、積極的に足を運んで欲しい。
そして工藤以下の、少年工科学校卒業生という「ブランド」にも併せて注目をして貰って、応援をしてもらえれば幸いだ。
※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。
(画像提供:陸上自衛隊第11旅団公式Webサイト 広報紙希望590号)
◆工藤謙(陸上自衛隊) 主要経歴
昭和
63年3月28日 少年工科学校入校(第34期)
平成
12年3月 幹部候補生学校(第44期相当)
13年3月 中央野外通信群第101搬送通信大隊通信修理幹部(久里浜)
14年4月 西部方面通信群第302通信支援中隊運用訓練幹部等(健軍)
21年3月 東北方面通信群教育隊長(仙台)
21年8月 東北方面総監部防衛部防衛課システム運用幹部(仙台)
24年3月 通信学校付#52幹部特修課程(久里浜)
25年3月 陸上幕僚監部装備部通信電子課電計班計画統制係等(市ヶ谷)
27年10月 陸上幕僚監部装備計画部通信電子科電計班器材管理担当(市ヶ谷)
28年12月 統合幕僚監部指揮通信システム部指揮通信システム運用班(市ヶ谷)
30年3月 第11通信隊長兼第11旅団通信課長(真駒内)
>>この辺りに数日のタイムラグがある理由は、正直良くわからない。
工科学校生徒は、入隊後提携の通信制高校に入学するため、その準備期間が必要なのではないでしょうか?
majin様、コメントありがとうございました。
なるほど、確かにそうかも知れませんね!
>タイムラグ
防衛大学の場合は、着校日(4/1)と入校式に数日のタイムラグがあり、その間に敬礼などの基本動作を
学ぶと聞きました。工科学校も同じような理由なのでは?
わかめ様、コメントありがとうございます!
確かに、そうかも知れませんね。
今度、OBの方に聞いておきます!
初めまして。
現在の高等工科学校では、今年(65期)の場合、4月1日着校で、4月7日が入校式で、その間に衣服等の準備、入校式に向けての訓練が行われました。
参考までにyoutubeに今年の模様がアップされています。(https://www.youtube.com/watch?time_continue=2&v=hvWToIA_63A)
ウチのもいずれ、このブログに取り上げられるような立派な自衛官になって欲しいものです。
それまで頑張ってくださいね!(ちょいと無責任な言い方で申し訳ない!)
おぉ!ご子息様が生徒さんなんですね!
承知しました、40年頑張って、ご子息様が陸将に昇られた記事をしっかりと書かせて頂きます!
ご子息様にも、どうぞ宜しくお伝えください!