嶋本学(しまもと・まなぶ)|第33期・陸上自衛隊

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その嶋本が陸上自衛隊に入隊したのは平成元年3月。

1等陸佐に昇った時期が防衛省の記録で確認ができないが、おそらく平成19年6月に防衛駐在官としてエジプトに渡る際に、昇任をしていると思われる。

原隊は、先述のように東千歳に所在する第7偵察隊であり、同地で厳しい自衛官生活のスタートを切った。

(画像提供:陸上自衛隊第1特科団公式Webサイト

その後職種部隊では、中隊長ポストを相馬原に所在していた第12戦車大隊で務めると、間に富士学校機甲科部での勤務を挟み、平成12年8月からは改編されたばかりの第13戦車中隊で隊長に着任。24年3月には、機甲科の幹部としてもっとも誇りあるポストの一つと言ってよいだろう、第71戦車連隊長に上番すると、我が国の最精鋭機甲科部隊を率いて活躍した。

その間、幕僚やスタッフのポジションでは、防衛大学校指導教官や富士学校機甲科部の主任教官、富士学校機甲科部教育課長、内局(大官官房)、研究本部主任研究開発官と多方面で力を発揮。陸幕では防衛部や運用支援情報部などで要職を任された他、エジプト防衛駐在官として現地に赴任しているのは先述のとおりだ。

そして平成29年3月から東部方面総監部情報部長を務めた後、令和元年12月から、第15副旅団長兼ねて那覇駐屯地司令という極めて重い責任を担い、活躍を続けている。

今まさに、我が国の国防を語る上で外せない、キーマンの一人であると言ってよいだろう。

 

なお余談だが、嶋本の原隊である第7偵察隊は、偵察隊でありながら令和2年1月現在、90式戦車を運用するというわけのわからない戦力を誇っている。

それもはや威力偵察目的じゃないよね?と問いただしたいくらいくらいのものだが、いったいこの主力戦車を運用してどのような偵察任務をするのだろうか。。

仮想敵がロシアである以上、あらゆる任務に重戦力が必要だということなのかも知れない・・・。

 

では最後に、その嶋本と同期である33期組の人事の動向について見てみたい。

第33期組は2014年に最初の陸将補が選抜され、今年の夏、2020年の将官人事で最初の陸将が選抜される予定になっている年次だ。

そして2020年1月現在で、以下の幹部たちが陸将補の任にあたっている。

 

冨樫勇一(第33期)・陸上幕僚監部人事教育部長(2014年8月)

山根寿一(第33期)・第13旅団長(2014年8月)

牛嶋築(第33期)・東北方面総監部幕僚長兼ねて仙台駐屯地司令(2014年8月)

末吉洋明(第33期)・陸上幕僚監部運用支援・訓練部長(2014年8月)

廣惠次郎(第33期)・陸上幕僚監部指揮通信システム・情報部長(2015年3月)

児玉恭幸(第33期)・教育訓練研究本部副本部長兼ねて総合企画部長(2015年8月)

梅田将(第33期相当)・警務隊長(2015年12月)

酒井秀典(第33期)・第1ヘリコプター団長兼ねて木更津駐屯地司令(2016年3月)

宮本久徳(第33期)・高射学校長兼ねて下志津駐屯地司令(2016年12月)

堀江祐一(第33期相当)・陸上自衛隊高等工科学校長兼ねて武山駐屯地司令(2017年3月)

楠見晋一(第33期)・中央情報隊長兼ねて陸上総隊司令部情報部長(2017年8月)

更谷光二(第33期)・東北方面総監部幕僚副長(2018年3月)

竹内綱太郎(第33期)・化学学校長(2018年12月)

豊田真(第33期)・第1施設団長(2018年12月)

高木勝也(第33期)・第1高射特科団長(2019年4月)

※肩書はいずれも2020年1月現在。( )内は陸将補昇任時期。

 

以上のような状況になっており、まずは冨樫、山根、牛島、末吉の4名が中心になって、33期組の最高幹部人事は進んでいくことになるだろう。

人事のルーティンが過渡期にあるので何とも言えないが、おそらく2020年夏の人事でも、この4名が1選抜で、陸将に昇るのではないだろうか。

 

嶋本については、対ゲリコマ(ゲリラ・コマンド)戦闘にも精通した、戦闘の初動を制するエキスパートだ。

沖縄那覇で指揮を執っていることそのものが抑止力になるほど、存在感の在る非常に頼もしい幹部である。

今後もさらに要職を任され、活躍を続けてくれることは確実だろう。

その動向には今後も注目し、そして応援していきたいと願っている。

 

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。

(画像提供:陸上自衛隊第1特科団公式Webサイト

◆嶋本学(陸上自衛隊) 主要経歴

平成
元年3月 陸上自衛隊入隊(第33期)
2年3月 第7偵察隊
5年3月 防衛大学校指導教官
7年3月 第12戦車大隊
8年8月 第12戦車大隊中隊長
10年3月 富士学校機甲科部
12年8月 第13戦車中隊隊長
14年3月 内局(大官官房)
16年3月 陸上幕僚監部防衛部(防衛)
18年3月 研究本部研究員
18年8月 陸上幕僚監部運用支援情報部付
19年6月 エジプト防衛駐在官
22年8月 研究本部研究員
23年4月 富士学校機甲科部主任教官
24年3月 第71戦車連隊長
25年8月 研究本部主任研究開発官
26年3月 富士学校機甲科部教育課長
28年12月 研究本部主任研究開発官
29年3月 東部方面総監部情報部長

令和
元年12月 第15副旅団長兼ねて那覇駐屯地司令

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2件のコメント

7偵に関して言えば、おっしゃる通り、威力偵察目的です。何も特別な目的のものでもありません。

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