その橋本が航空自衛隊に入隊したのは昭和58年3月。
1等空佐には平成14年7月に昇っているので、空将まで昇った男としては意外に思われるかも知れないが、同期1選抜後期(2番手グループ)の出世である。
航空自衛隊では本当に、1佐への昇任速度は将官人事を占う上で決定的な意味を持たない。
2018年7月現在で航空支援集団司令官を務める空将・山田真史(第28期)などは、1佐への昇任は同期1選抜前期の2年遅れだ。
このあたりは、航空自衛隊の人事の独特なところであり非常に興味深い。
そして空将補に昇ったのが21年7月であり、空将に昇ったのが27年12月。
それぞれ、同期1選抜前期の1年ほどの遅れであり、1佐以降がとても早い昇任で、空将まで昇り詰めたキャリアであった。
さて、ではその橋本の今後について、といういつもどおりの話であるが、27期組の人事については既に、全てが終了している。
2017年12月に、同期である丸茂吉成(第27期)が、第35代航空幕僚長に着任したためだ。
期別で人事が管理される自衛隊においては、同期が頂点を極めると、原則として他の同期高官は、新しい補職に異動すること無く現職を最後に退役になる。
そのため、2018年7月現在で空将にある27期組、すなわち
前原弘昭(第27期)・航空総隊司令官
荒木淳一(第27期)・航空教育集団司令官
橋本尚典(第27期)・防衛装備庁長官官房装備官
の3名は、現職を最後に間もなく退役となるだろう。
最後の最後まで丸茂と共に航空幕僚長候補であり続けた、我が国の平和と安全のために多大な貢献をし続けてきた空将たちだ。
おそらくその退役は早ければ2018年夏の将官人事で。遅くとも冬の将官人事では、後進に道を譲る事になる見込みだ。
しかしながら、これら3名の空将、そしてもちろん、階級や補職に関係なく最後まで任務を尽くした27期の幹部、さらにそれら幹部を支え続けた曹士の皆さんの活躍は、忘れ去られるものではない。
その活躍を見られるのは残り僅かとなってしまったが、だからこそ最後までしっかりと、その活躍には注目をして応援をし続けたい。
本当に、お疲れ様でした。
そして最後の任務、どうぞ最後までご活躍をされることを、心からお祈りし、応援しております。
※文中、自衛官及び関係者各位の敬称略。
◆橋本尚典(航空自衛隊) 主要経歴
昭和
58年3月 航空自衛隊入隊 (第27期)
平成
6年1月 3等空佐
9年7月 2等空佐
10年3月 第83航空隊
11年8月 第2補給処
13年4月 航空幕僚監部総務課
14年7月 1等空佐
14年8月 幹部学校付
15年8月 航空幕僚監部装備計画班長
17年8月 航空救難団整備群司令
19年3月 航空幕僚監部援護課長
21年7月 第1術科学校長 空将補
23年8月 航空安全管理隊司令
24年7月 西部航空警戒管制団司令
26年8月 航空幕僚監部装備部長
27年10月 航空幕僚監部装備計画部長
27年12月 防衛装備庁長官官房装備官 空将
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