源弘紀(みなもと・ひろき)|第31期・陸上自衛隊

源弘紀は昭和39年5月生まれ、千葉県出身の陸上自衛官。

防衛大学校第31期の卒業で幹候68期、出身職種は後方支援系であり、おそらく輸送と思われるが判明しない。

平成29年8月(2017年8月) 第9師団副師団長兼ねて青森駐屯地司令・陸将補

前職は西部方面総監部装備部長であった。

なお、青森駐屯地司令としての指導方針は以下の通り。

【駐屯地司令要望事項】

「規律正しく、いきいきと」


(画像提供:陸上自衛隊第9師団公式Webサイト 各種行事案内より)

2018年7月現在、第9師団副師団長兼ねて青森駐屯地司令をつとめる源だ。

第9師団は本州の最北に所在し、日露戦争以来の青森の強兵を擁する。

源にとっては、東日本大震災以来の東北での仕事となる。

あの印象深い出来事から5年の時を経て、また東北に戻ってきたことになる源だが、実はこの人事。

我が国が抱える非常に大きな問題を解決するために、とても意味のある人事であろうと、その配置に込めた人事担当者の思惑が透けて見える。

というのも、あの震災当時に源は、陸上幕僚監部装備計画課輸送室長の要職にあったからだ。

先に、5年ぶりとなる東北とお伝えしたが、それは源が東北方面隊隷下で任務を遂行していたという意味ではない。

震災で混乱の極みにある中、輸送室長として奮闘しなんとかしてロジスティックスを確保しようとした大仕事を、ここ東北で成し遂げたと言う意味だ。

あの震災では、記憶に新しい人も多いと思うが、陸路で現地入りしようにも幹線道路は各地で寸断され、高速道路もトラフィックが集中し完全に麻痺。

東北以外の各地では、震災直後に災派の準備を万端整えるものの、現地に入ることができないという非常に悔しい思いをしている。

ならばと北海道から船便で現地入りしようにも、当時、海上自衛隊の第1輸送隊は、3隻保有する大型輸送艦のうち1隻が海外で任務行動中、1隻がメンテナンスでドックに所在、残り1隻しか使えず、その1隻は本州からの部隊を現地に輸送する任務にあり、北海道の部隊を現地に輸送することができなかった。

そのため、自衛隊が力を入れている緊急時の民間フェリー借り上げ協定を活用し、順次輸送力を確保するに至ったが、その大仕事の責任者が源であった。

しかしその確保と活用は困難を極め、決して順調とは言えない民間フェリーの活用に終わっている

そのようなこともあり源は、「有事の際を想定した戦力集中には、非常に大きな問題があった」と述懐しており、戦力の転地活用構想に運用が全く追いついていない現実を吐露した。

我が国の現在の防衛構想は、戦力と予算の削減を前提とせざるを得ない。

その上で有事を想定し、各地にある戦力について機動力を向上させ、必要な場所に必要なユニットを一気に投入することを生命線としている。

すなわち、機動力の根幹である輸送力が伴わない限り、この防衛構想は絵に描いた餅に過ぎず、我が国はこのまま有事に直面すれば、確実に最前線を破られるだろう。

図らずも東日本大震災では、陸続きであるはずの東北を源自身が「完全な離島作戦だった」と振り返るように、このような構想が全く機能しない危険性があることを、自衛隊に対して警鐘を鳴らした。

そのような経験を得た源が陸将補に昇任し、第9師団の副師団長に就いたというのはすなわち、各地に所在する戦力の転地活用について、輸送科出身の幹部として有効な提言をまとめよ、という中央からの意志であるように思われる。

そう言った意味でも、この人事は要注目であり、第9師団の動向は非常に楽しみなところだ。

では次に、そんな重要な仕事を任された源とはどのようなキャリアを経て現職まで昇ってきたのか。

その足跡についても、少し見ていきたい。

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