その中尾が海上自衛隊に入隊したのは昭和60年3月。
1等海佐に昇ったのが16年1月であったので、29期組1選抜(1番乗り)となるスピード出世だ。
海将補には25年3月に、海将には29年12月に、それぞれ昇任している。
(画像提供:海上自衛隊舞鶴地方隊公式Webサイト)
(画像提供:海上自衛隊公式フェイスブック)
1佐以降のキャリアで見ると、中央(海上幕僚監部)では、班長ポストを総務部経理課予算班長で、課長ポストは装備計画部装備需品課長でそれぞれ経験。
部長ポストは2つ務めており、総務部長と装備計画部長で、その重い職責を担った。
その間地方隊では、大湊地方総監部の経理部長、横須賀地方総監部の管理部長などの要職も歴任。
また海将補に昇任した最初のポストでは、舞鶴に所在し、主として経理、補給、給養、監理などの術科教育を行う、第4術科学校の校長ポストでも手腕を発揮している。
そして平成29年12月、海将に昇任すると舞鶴地方総監の要職に着任。
先述のように、極めて厳しい北東アジア情勢を正面から受け止める、極めて重要なポストで活躍を続けている。
29期のみならず、我が国を代表する最高幹部の一人であると言ってよいだろう。
では最後に、その中尾と同期である29期組の人事の動向について見てみたい。
29期組は、2016年に最初の海将が選抜され、同期の海幕長候補も出揃っていると言っても良い状況にある。
そして2019年2月現在では、以下の幹部たちが海将の任にあたっている。
渡邊剛次郎(第29期)・横須賀地方総監(2016年7月)
糟井裕之(第29期)・護衛艦隊司令官(2016年12月)
杉本孝幸(第29期)・呉地方総監(2017年8月)
大島孝二(第29期)・海上自衛隊補給本部長(2017年12月)
中尾剛久(第29期)・舞鶴地方総監(2017年12月)
※肩書はいずれも2019年2月現在。( )は海将昇任時期。
以上のようになっており、いずれの幹部も極めて近い将来に、海上幕僚長に着任する可能性があるという状況だ。
2019年2月現在の客観的な状況では、村川豊(第25期)の跡をつぎ、第34代の海上幕僚長に着任するのは山下万喜(第27期)であることはまず間違いなく、そうなればその次の海上幕僚長は、この5名の中から選ばれる可能性が高くなるだろう。
その中でも、おそらく先頭を走るのは渡邊ということになるのではないだろうか。
中尾については、後方支援出身の最高幹部として今ほどその役割が重要な時期は無いだろう。
3自衛隊の統合任務もますます加速する中で、兵站を熟知し全軍を俯瞰する知見を活かし、ますますその活躍の場を広げていってくれるはずだ。
その動向は要注目であり、これからも引き続き、応援していきたい。
※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。
(画像提供:海上自衛隊舞鶴地方隊公式Webサイト)
◆中尾剛久(海上自衛隊) 主要経歴
昭和
60年3月 海上自衛隊入隊(第29期)
平成
8年1月 3等海佐
11年7月 2等海佐
16年1月 1等海佐
18年8月 海上幕僚監部経理課予算班長
20年8月 大湊地方総監部経理部長
22年3月 横須賀地方総監部管理部長
24年4月 海上幕僚監部装備需品課長
25年3月 第4術科学校 海将補
27年8月 海上幕僚監部総務部副部長
27年12月 海上幕僚監部総務部長
28年12月 海上幕僚監部装備計画部長
29年12月 舞鶴地方総監 海将
中尾剛久元海将は艦艇徽章がついていますが、経理の方が取得?するのは珍しいですよね
いえほさま
コメントありがとうございました!
どうなのでしょうか、数字で把握してないので正直、詳細はわからないのです><;
お役に立てずに申し訳ございません・・・。