今城弘治(航空総隊司令部防衛部長・空将補)|第33期・航空自衛隊

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その今城が航空自衛隊に入隊したのは平成元年3月。

1等空佐に昇ったのが20年1月であったので、33期組1選抜となるスピード出世だ。

パイロットとしての初任地は平成5年2月からの第3航空団であり、おそらく当時の愛機はF-1であったと思われる。

(画像提供:航空自衛隊三沢基地公式Webサイト 広報みさわ421号)

その後パイロットとしては、8年7月から米国空軍との交換幹部として現地に渡りF-16教官操縦士を務め、帰国後の12年10月に臨時F-2飛行隊配属となったのは先述のとおりだ。

また17年8月には同じ第3航空団で第3飛行隊長に、空将補昇任後の最初のポストとして27年12月からは第3航空団司令兼ねて三沢基地司令に上番している。

その間中央(航空幕僚監部)では、装備体系課、防衛課などを経て班長ポストは人事計画課の養成班長と防衛課の防衛調整官(F-35A事業推進室長)で着任。

課長ポストは人事教育部の人事計画課長で重責を担った他、各地の司令部では南西航空混成団司令部の防衛部長も経験している。

そして29年8月に航空総隊司令部で防衛部長に着任し、我が国における航空戦力のほぼ全てを運用する組織で、実務上の部隊運用を担う責任者を務めている。

33期のみならず、我が国を代表する最高幹部の一人であると言ってよいだろう。

 

なお上記をご覧頂ければおわかりのように、今城は我が国の次世代主力戦闘機・F-35の導入段階から中央で活躍をし続けており、そしてF-35の三沢配備が正式決定された際に、第3航空団司令兼ねて三沢基地司令を務めている。

いわば、F-2戦闘機の導入にも携わり、F-35の導入にも深く関わった、非常にレアな幹部だ。

戦闘機の入れ替えサイクルが長期化している昨今において、我が国の30年、50年先の未来をも見据えたこのような大仕事に2度も関われたことは、今城自身もとても印象深い思い出になっているのではないだろうか。

 

では最後に、その今城と同期である33期組の人事の動向について見てみたい。

33期組は、2020年夏の将官人事で最初の空将が選抜される年次になっている。

そのため2019年2月現在では1選抜でも空将補ということになるが、その空将補の任にある幹部は以下の通りだ。

 

南雲憲一郎(第33期)・航空幕僚監部防衛部長(2014年8月)

森田雄博(第33期)・西部航空方面隊副司令官(2014年8月)

安藤忠司(第33期)・航空戦術教導団司令(2015年3月)

今城弘治(第33期)・航空総隊司令部防衛部長(2015年12月)

影浦誠樹(第33期)・中部航空警戒管制団司令(2015年12月)

石上誠(第33期相当)・防衛装備庁調達事業部総括装備調達官(2016年12月)

増田友晴(第33期)・幹部候補生学校長(2017年8月)

樋山謙一郎(第33期)・航空自衛隊第1術科学校長(2018年12月)

※肩書はいずれも2019年2月現在。( )は空将補昇任時期。

 

以上のような状況になっており、まずは南雲と森田に加え、安藤、今城、影浦までの5名が、1選抜空将の有力候補と言うことになるだろうか。

 

今城については、これだけの激務をこなしてきたにもかかわらずイケメンであり、また部下からの信頼もとても厚い。

航空自衛隊の「顔」としてますます重い責任を担っていくことは確実であり、やがて空将に昇ることも、十分に考えられるだろう。

その活躍は要注目であり、2020年代前半にかけて、我が国の安全保障の中心で力を尽くしてくれるはずだ。

その動向からは引き続き目を離さず、そして応援していきたい。

 

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略

(画像提供:航空自衛隊三沢基地公式Webサイト 広報みさわ426号)

◆今城弘治(航空自衛隊) 主要経歴

平成
元年3月 航空自衛隊入隊(第33期)
元年9月 航空教育集団付
5年2月 第3航空団
8年7月 第3航空団付(米国空軍交換幹部・F-16教官操縦士)
11年6月 第3航空団
12年1月 3等空佐
12年10月 臨時F-2飛行隊
14年3月 幹部学校付
15年3月 航空幕僚監部装備体系課
15年7月 2等空佐
17年4月 第3航空団
17年8月 第3飛行隊長
19年8月 航空幕僚監部防衛部防衛課
20年1月 1等空佐
20年8月 幹部学校付
21年7月 航空幕僚監部人事計画部人事計画課養成班長
22年12月 南西航空混成団司令部防衛部長
23年12月 航空幕僚監部防衛課付
24年4月 航空幕僚監部防衛部防衛課防衛調整官(F-35A事業推進室長)
24年7月 航空幕僚監部防衛部防衛課
26年3月 航空幕僚監部人事教育部人事計画課長
27年12月 第3航空団司令兼ねて三沢基地司令 空将補
29年8月 航空総隊司令部防衛部長

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