井上浩秀(航空開発実験集団司令官・空将)|第29期相当・航空自衛隊

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その井上が航空自衛隊に入隊したのは昭和60年3月。

1等空佐に昇ったのは29期1選抜(1番乗り)より半年も早い平成15年6月であったが、これは中国に防衛駐在官として赴任するための、特別の措置だ。

空将補には24年3月、空将には29年12月にそれぞれ昇任している。

(画像提供:航空自衛隊三沢基地公式Webサイト

(画像提供:航空開発実験集団公式Webサイト

そのキャリアは国際色豊かなものになっており、平成2年2月の米国交換留学生を皮切りに、PKO要員ではアフリカの東部モザンビーク(中部地域司令部)に赴任。

平成9年3月からは外務省国際情報局の分析1課に出向し、さらに米国統合幕僚大学への留学を挟んで、15年6月からは中国に防衛駐在官として赴くなど、米中2大国を中心にした海外畑での活躍を重ねる。

その間中央(航空幕僚監部)では、航空幕僚監部装備課を経て班長ポストを装備課調整班長と総務課総務調整官で、課長ポストは装備課長で、部長ポストは装備計画部長で着任した。

また指揮官ポストとしても航空自衛隊幹部候補生学校長、第3航空団司令兼ねて三沢基地司令を務めるなど、驚くほどの要職を歴任する。

そして平成29年12月に空将に昇任し、航空開発実験集団司令官に昇ると航空機整備の現場で培った知見を活かし、我が国の航空優勢を技術面から確保する非常に重い責任を担っている。

航空自衛隊のみならず、制服自衛官を代表する最高幹部の一人であると言ってよいだろう。

 

では最後に、その井上と同期である29期組の人事の動向について見てみたい。

29期組は2016年に最初の空将が選抜された年次であり、1佐までの同期は今まさに、2018年度で、全て定年退官を迎えようとしている。

そして、同期の航空幕僚長候補は既に出揃っており、その候補となる空将にあるものは、以下の通りになっている。

 

城殿保(第29期)・航空教育集団司令官(2016年7月)

三谷直人(第29期)・補給本部長(2016年7月)

増子豊(第29期)・中部航空方面隊司令官(2016年12月)

長島純(第29期)・航空自衛隊幹部学校長(2016年12月)

井上浩秀(第29期相当)・航空開発実験集団司令官(2017年12月)

※肩書は2019年3月現在。( )内は空将昇任時期。

 

以上のようになっており、あるいはこの中から、丸茂吉成(第27期)の後を継ぎ、第36代の航空幕僚長に着任するものが現れるかもしれないという状況だ。

いずれの空将も今まさに、我が国の安全保障政策の中でもっとも重い責任を担っている、他に得難い最高幹部ばかりであると言ってよいだろう。

 

井上については、今まさに我が国にとって必要となる、米中両国に通じる知見を持ち合わせる最高幹部だ。

あるいは次のポストでは航空幕僚副長に昇るなど、より重い責任担う可能性も十分考えられるのではないだろうか。

いずれにせよ、今の難しい国際情勢の中で、さらに手腕を発揮していくことは間違いのない空将である。

その活躍にはさらに注目し、そして応援していきたい。

 

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。

(画像提供:航空開発実験集団公式Webサイト

◆井上浩秀(航空自衛隊) 主要経歴

昭和
60年3月 航空自衛隊入隊(第29期相当)
61年2月 第2航空団

平成
2年2月 米国交換留学生(Chanute AFB)
4年3月 第2補給処
6年5月 モザンビークPKO(中部地域司令部)
6年12月 第2補給処
8年1月 3等空佐
8年3月 幹部学校付
9年3月 外務省国際情報局分析1課
11年3月 幹部学校付
11年7月 2等空佐
12年1月 米国統合幕僚大学
12年8月 航空中央業務隊付
15年6月 中国防衛駐在官(北京) 1等空佐
18年7月 航空幕僚監部装備課
18年8月 航空幕僚監部装備課調整班長
19年9月 航空幕僚監部総務課総務調整官
21年3月 航空幕僚監部装備課長
24年3月 幹部候補生学校長 空将補
26年3月 第3航空団司令兼ねて三沢基地司令
27年12月 航空幕僚監部装備計画部長
29年12月 航空開発実験集団司令官 空将

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