【退役】小川能道(航空救難団司令・空将補)|第29期・航空自衛隊

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その小川が航空自衛隊に入隊したのは昭和60年3月。

1等空佐に昇ったのが17年1月であったので、2選抜前期(2番手グループ)での昇任となるスピード出世だ。

空将補には25年8月に昇っているので、8年半に渡り1佐の現場で指揮を執った上での、堂々の将官昇任であった。

(画像提供:航空自衛隊航空救難団公式Webサイト

1佐以降の経歴で見ると、中央(航空幕僚監部)では、班長ポストを防衛部装備体系課の装備体系第1班長で、課長ポストは運用支援・情報部の運用支援課長で、そして部長ポストでは先述のように監理監察官を務め、時に厳しい役回りも担った。

指揮官ポストでは、北海道・千歳に所在する第2航空団飛行群司令を務めた後、同じ千歳に所在する第2航空団司令兼ねて千歳基地司令にも着任し、北辺の厳しい防空任務で大きな責任を全うした。

またその間、幕僚やスタッフのポストでは航空総隊司令部で防衛部の運用課長も経験している。

そして平成28年12月、入間基地に所在する航空救難団の司令に着任し、我が国の最後の救難の砦として、精鋭部隊をまとめ上げ活躍を続けている状況だ。

心身ともに精強な指揮官しかなり得ない任務にふさわしい、我が国を代表する最高幹部の一人であると言ってよいだろう。

 

では最後に、その小川と同期である29期組の人事の動向について見てみたい。

29期組は既に同期の航空幕僚長候補たる空将は出揃っている形であり、2017年11月現在、以下の幹部たちがその責任を担っている。

 

城殿保(第29期)・北部航空方面隊司令官・・・2016年7月着任

長島純(第29期)・航空自衛隊幹部学校長・・・2016年12月着任

増子豊(第29期)・統合幕僚監部運用部長・・・2016年12月着任

三谷直人(第29期)・航空自衛隊補給本部長・・・2017年8月着任

(肩書はいずれも、2017年11月現在)

 

以上のようになっており、まずは城殿、長島、増子の3名が同期の航空幕僚長候補と言ったところであろうか。

 

小川については、29期という年齢や、過去の航空救難団司令の後職などを考えると、あるいはこのポストが、長かった自衛官生活の最後の任務になるのではないだろうか。

とはいえ、もちろんまだまだ、非常に厳しいタフな現場で指揮を執り続けている指揮官である事実には一切の変わりない。

後職がどうであれ、このポストにある小川にはますます注目を続け、そして応援していきたいと願っている。

 

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。

(画像提供:航空自衛隊航空救難団公式Webサイト

◆小川能道(航空自衛隊) 主要経歴

昭和
60年3月 航空自衛隊入隊(第29期)

平成
8年1月 3等空佐
12年1月 2等空佐
12年3月 第6航空団(小松)
15年3月 航空幕僚監部運用課(市ヶ谷)
17年1月 1等空佐
17年9月 幹部学校付
18年8月 航空幕僚監部防衛部装備体系課装備体系第1班長(市ヶ谷)
21年4月 第2航空団飛行群司令(千歳)
22年12月 航空総隊司令部防衛部運用課長(府中、横田)
24年3月 航空幕僚監部運用支援・情報部運用支援課長(市ヶ谷)
25年8月 第2航空団司令兼ねて千歳基地司令(千歳) 空将補
27年3月 航空幕僚監部監理監察官(市ヶ谷)
28年12月 航空救難団司令(入間)
31年4月1日 航空救難団司令のポストを最後に退役

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2件のコメント

そうだったのですね、ありがとうございます!
ツイッターでもフォローしていただいていますね。
いつもありがとうございます!

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