江川宏(第1護衛隊群司令・海将補)|第34期・海上自衛隊

その江川が海上自衛隊に入隊したのは平成2年3月。

1等海佐に昇ったのが21年1月であったので、1選抜前期(1番手)での昇任となるスピード出世だ。

海将補に昇ったのが28年12月であったので、こちらも2選抜での昇任であり、34期組のトップで昇任を続ける最高幹部の一人ということになる。

(画像提供:海上自衛隊自衛艦隊司令部公式Webサイト

(画像提供:海上自衛隊自衛艦隊司令部公式Webサイト

2等海佐以降の経歴で見ると、艦長を任されたのは護衛艦みねゆき。

その後、米国防衛駐在官としてアメリカに渡り3年間の軍人外交を挟み、第5護衛隊司令に着任。

また中央(海上幕僚監部)では、班長ポストを人事教育部の補任課補任班長で、課長ポストは指揮通信情報部の指揮通信課長(指揮通信システム課長)で務め、また総務部では副部長などの要職を歴任した。

また海将補に昇任した最初のポストでは、防衛省直轄にして我が国最大の情報機関である情報本部にも赴き、情報官として活躍をしている。

そして平成30年8月、護衛艦いずもを隷下に収める第1護衛隊群司令に着任し、活躍を続けていることは先述のとおりだ。

34期を代表する最高幹部らしい、非常に充実したキャリアを誇る海将補であると言ってよいだろう。

なお言うまでもないことだが、江川が経験した米国防衛駐在官とは我が国の軍人外交の中でも花形中の花形であり、近い将来に将に昇ることが前提と言っても良い人材が就くポジションだ。

派遣されている自衛官の数は、実に6名。

2番目に多い国はインド、韓国、中国、豪州、ロシアの5カ国だが、それでも3名であることを考えると、どれほど我が国がアメリカとの軍人外交を重視しているのか。

数字の上からもおわかり頂けるのではないだろうか。

なお余談だが、防衛駐在官として各国に赴く自衛官は、身分は外務省の職員ではあるが自分で公邸を持てるわけでもなく、自由に使える外交予算を貰えるわけでもない。

そのため、自宅で赴任先の軍事関係者とホームパーティなどができるように豪華な家を構え、さらに自腹で食器セットなどを購入するなどして活動費の多くを私費で持ち出すため、多くの自衛官は、任期である3年間の間に全財産がスッカラカンになるそうだ。

うーん・・・いくらなんでも気の毒ある。。

では最後に、その江川と同期である34期組の人事の動向について見てみたい。

34期組は2015年に最初の将補が選抜された世代であり、2021年に最初の海将が選抜される予定の年次である。

そして2019年4月現在、その海将補のポストにあるのは以下の幹部たちだ。

福田達也(第34期)・統合幕僚監部防衛計画部副部長(2015年8月)

大町克士(第34期)・幹部学校副校長(2015年8月)

泉博之(第34期相当)・統合幕僚学校副校長(2015年12月)

伊藤秀人(第34期)・海上自衛隊補給本部副本部長(2016年7月)

江川宏(第34期)・第1護衛隊群司令(2016年12月)

大西哲(第34期)・第31航空群司令(2016年12月)

※肩書はいずれも2019年4月現在。( )は海将補昇任時期。

※2018年夏の将官人事以降の昇任将補については、期別未確認なので追記する可能性あり。

以上のようになっており、まずは福田、大町、泉までの3名が1選抜での昇任を果たし、近い将来の海上幕僚長候補として注目されている形だ。

またもちろん、海上自衛隊では2選抜の将官もさらに上に行く可能性が高く、伊藤、江川、大西も要注目である。

江川については、米国防衛駐在官に第1護衛隊群司令と、海上自衛隊の幹部としてこれ以上はない要職を歴任し続けている最高幹部だ。

そのため今後も、地方隊の要職や護衛艦隊あるいは自衛艦隊で指導的な地位に昇り、更に活躍の場を広げていくことは間違いないのではないだろうか。

いずれにせよ、今後2020年代後半にかけて、我が国の平和と安全を護り続けるキーマンの一人となるであろう。

その活躍には今後とも注目し、そして応援していきたい。

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。

(画像提供:海上自衛隊第1護衛隊群公式Webサイト

◆江川宏(海上自衛隊) 主要経歴

平成
2年3月 海上自衛隊入隊(第34期)
13年1月 3等海佐
16年7月 2等海佐
16年8月 第2護衛隊群幕僚
17年8月 みねゆき艦長
20年7月 在アメリカ防衛駐在官
21年1月 1等海佐
23年8月 海上幕僚監部補任課
23年12月 海上幕僚監部補任班長
24年12月 第5護衛隊司令
26年8月 海上幕僚監部指揮通信情報部
26年12月 海上幕僚監部指揮通信課長
27年12月 統合幕僚監部指揮通信システム課長
28年12月 情報本部情報官 海将補
29年12月 海上幕僚監部総務部副部長
30年8月 第1護衛隊群司令

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