小原王巳(2等陸佐)|第43期・北部方面対舟艇対戦車隊長

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その小原が陸上自衛隊に入隊したのは平成11年3月。

2019年5月現在で2等陸佐であり、1選抜が平成30年1月に1佐に昇ったばかりの世代だ。

その原隊は松本市に所在する第13普通科連隊であり、同地で初級幹部として、厳しい自衛官生活のスタートを切った。

(画像提供:陸上自衛隊北部方面隊公式Webサイト

その第13普通科連隊にある時、小原はさっそく海外任務を経験し、第5次となるイラク復興業務支援隊に参加している。

なおイラク復興業務支援隊は、イラク戦争直後の同国にあって戦後復興を担うために、現地政府や日本の外務省と様々な利害を調整し、またいずれの場所にどのような支援を行うのか。

その実務交渉にあたるための組織だ。

言うまでも極めて危険な任務であったが、小原は入隊早々、この大きな任務を第5次イラク復興業務支援隊長であった小瀬幹雄(第30期相当)・現西部方面総監部幕僚長の指揮の下で完遂した。

 

帰国後は、北富士に所在する部隊訓練評価隊で部隊評価分析官を務めた後、中隊長ポストは滝ヶ原の普通科教導連隊第3中隊長、帯広の第4普通科連隊第2中隊長で上番。

またスタッフや幕僚のポジションでは、帯広で第5旅団司令部の第1部人事班長、さらに陸上幕僚監部人事教育部では補任課の人事第2班でもスタッフを経験するなど、国防の要職で貢献を果たした。

そして平成30年8月、北部方面対舟艇対戦車隊長兼ねて倶知安駐屯地司令に上番し、我が国に近接する敵性勢力に睨みを利かせ、活躍を続けている。

平和を守る抑止力と言う意味でぜひ注目してほしい、最前線の指揮官たる2等陸佐である。

 

なお、その小原が原隊を過ごした第13普通科連隊だが、空中機動と山中機動に強みを持ち、特に「山岳レンジャー」の集合訓練が行われる部隊として、その精強さが広く知られている部隊だ。

一方で北部方面対舟艇対戦車隊もまた、敵性勢力の企図を読み切り、高い機動力で任意の防衛拠点を確保することが求められる部隊でもある。

中隊長ポストも軽編成部隊で経験していることもあり、軽武装で高機動力を発揮する部隊指揮官として、非常に高い知見を持つ幹部ということになりそうだ。

 

では最後に、その小原と同期である43期組の人事の動向について・・・

と言いたいところだが、43期組は平成30年1月に1選抜の1佐が昇任したばかりの世代だ。

そのため今回は同期のご紹介を見送り、また1選抜の陸将が選ばれた頃合いに加筆をしたい。

 

いずれにせよ、43期組はこの先2030年代にかけて、我が国と世界の平和を護る上で中心になって活躍する世代である。

小原を始めとしたその幹部の皆様の活躍には今後も注目し、そして応援していきたい。

 

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。

(画像提供:陸上自衛隊北部方面隊公式Webサイト

◆小原王巳(陸上自衛隊) 主要経歴

平成
11年3月 陸上自衛隊入隊(第43期)
12年3月 第13普通科連隊(松本)
18年1月 第5次イラク復興業務支援隊
18年7月 第13普通科連隊(松本)
19年8月 部隊訓練評価隊部隊評価分析官(北富士)
22年8月 普通科教導連隊第3中隊長(滝ヶ原)
23年3月 富士学校FOC学生(富士)
24年3月 第4普通科連隊第2中隊長(帯広)
25年8月 第5旅団司令部第1部人事班長(帯広)
27年8月 陸上幕僚監部人事教育部補任課人事第2班(市ヶ谷)
30年8月 北部方面対舟艇対戦車隊長兼ねて倶知安駐屯地司令

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