その南川が陸上自衛隊に入隊したのは平成4年3月。
1等陸佐に昇ったのが23年1月なので、36期1選抜(1番乗り)となるスピード昇任だ。
陸将補に昇ったのが30年3月だったので、こちらも1選抜後期(1番手グループ)となるスピード昇任だった。
(画像提供:陸上自衛隊教育訓練研究本部公式Webサイト)
2佐以降の経歴で見ると、連隊長ポストには機甲科の聖地・第7機甲師団隷下にある第7特科連隊で上番。
中央(陸上幕僚監部)では、班長ポストを教育訓練部教育訓練課の訓練・演習班長で、課長ポストを教育訓練部の教育訓練課長で務めるなど、主に教育訓練系の要職を歴任した。
中でも、教育訓練部教育訓練課訓練・演習班長であった頃には日米の運用と即応性を高める取り組みに尽力したことにより米陸軍から功績勲章を授与されるなど非常な活躍が目立つ。
そしてその延長として30年3月、陸将補に昇り初代となる教育訓練研究本部訓練評価部長に着任している。
このキャリアを考えると納得の配置であり、まさに教育訓練系を代表する最高幹部の一人であると言ってよいだろう。
そしてその36期。
2017年夏の将官人事で最初の陸将補が選抜されたばかりの、まだ「若手将補」の世代にあたるが、2019年4月現在では以下の幹部たちがその任にあたっている。
松永浩二(第36期)・沖縄地方協力本部長(2017年8月)
德永勝彦(第36期)・教育訓練研究本部研究部長(2017年8月)
堺一夫(第36期)・富士学校普通科部長兼富士学校諸職種協同副センター長(2017年8月)
藤岡史生(第36期)・陸上自衛隊幹部候補生学校長兼ねて前川原駐屯地司令(2017年8月)
若松純也(第36期)・東部方面総監部幕僚副長(2017年12月)
南川信隆(第36期)・教育訓練研究本部訓練評価部長(2018年3月)
※肩書は全て2019年4月現在。( )は陸将補昇任時期。
※2018年夏の将官人事以降に昇任した将補について、年次未確認のために追記する可能性あり。
上記のような状況になっており、まずは1選抜前期の昇任であった松永、徳永、堺、藤岡の4名が頭ひとつ抜け、それを若松と南川が追っていると言ったところだろうか。
おそらく陸将人事も、この4名+2名を中心に選抜されることになると思われる。
いずれにせよ、36期組は2020年代後半にかけて、我が国の安全保障にもっとも重い責任を背負っていく重要な世代だ。
その活躍にはますます注目し、これからも応援していきたい。
※ 文中、自衛官及び関係者各位の敬称略。
◆南川信隆(陸上自衛隊) 主要経歴
平成
4年3月 陸上自衛隊入隊(第36期)
16年8月 3等陸佐
18年7月 2等陸佐
23年1月 陸上幕僚監部運用支援課 1等陸佐
23年3月 幹部学校付
24年3月 陸上幕僚監部教育訓練部教育訓練課訓練・演習班長
26年3月 第7特科連隊長
28年3月 陸上幕僚監部教育訓練部教育訓練課長
29年3月 陸上幕僚監部運用支援・訓練部訓練課長
30年3月 教育訓練研究本部訓練評価部長 陸将補
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