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そんな古賀が陸上自衛隊に入隊したのは平成2年3月。
初任地である第1飛行隊(立川)から長年に渡り、航空科の現場で指揮を取り続けてきた高級幹部だ。
平成23年には総務省に出向し、消防庁国民保護運用室長を務めるなど、非常に充実したキャリアを誇る。
(画像提供:陸上自衛隊公式Webサイト)
その中でも、特筆するべきキャリアはやはり、第15ヘリコプター隊長のポストだろうか。
第15ヘリコプター隊は沖縄に所在し、第15旅団の離島などに対する機動展開を中心になって支える他、島嶼部における急患などを空輸するなどの民生活動にも非常に大きな成果を挙げている部隊である。
その警備担当地域の特性上、空中機動による作戦の展開が我が国の明暗を大きく分けることになるため、飛行隊に要求される要求水準も非常に高く、国民からの期待値はとりわけ大きい。
なによりも、我が国で想定される有事の最前線に在る機動輸送部隊であり、その緊張感と練度は常に臨戦態勢だ。
そう言った意味でも、第15ヘリコプター隊を任された古賀にかかる、自衛隊の期待値の大きさがおわかり頂けるのではないだろうか。
最後に、その古賀と同期である34期の状況について、簡単に見ておきたい。
34期は、2015年夏の将官人事で最初の陸将補が選抜された年次にあたる。
そして2021年に最初の陸将が選抜される年次ということになっているが、2018年8月現在で陸将補の任にある「出世頭」は以下の幹部たちだ。
荒井正芳(第34期)・自衛隊東京地方協力本部長 2015年8月
柿野正和(第34期)・陸上幕僚監部監理部長 2015年8月
小林弘樹(第34期)・統合幕僚監部運用部副部長 2015年8月
橋爪良友(第34期)・陸上総隊司令部運用部長 2015年8月
佐藤真(第34期)・第1師団副師団長兼ねて練馬駐屯地司令 2016年3月
鳥海誠司(第34期)・陸上自衛隊教育訓練研究本部教育部長 2016年7月
松永康則(第34期)・中部方面総監部幕僚副長 2017年3月
大場剛(第34期)・第4師団副師団長 2017年8月
※肩書はいずれも2018年8月現在。末尾数字は陸将補昇任時期。
※2018年8月の昇任陸将補人事は期別未確認のため、追記する可能性あり。
以上のような状況になっており、まずは荒井、柿野、小林、橋爪の4名を中心に、第34期の最高幹部人事は進められることになりそうだ。
古賀については、我が国の安全保障環境の最前線で、その要となるヘリコプター隊を率いたほどの男である。
今後とも、新しい時代の防衛政策を具体的に形にしていく上で不可欠な幹部として、さらに活躍の場を広げていくことは間違いないだろう。
引き続きどの動向からは目を離さず、そして応援していきたい。
※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。
(画像提供:陸上自衛隊第15旅団公式facebookサイト)
◆古賀幹徳(陸上自衛隊) 主要経歴
平成
2年3月 陸上自衛隊入隊(第34期)
3年3月 第1飛行隊(立川)
9年3月 航空学校
12年3月 第12師団司令部第3部(相馬原)
12年8月 幹部学校付(指揮幕僚課程)
14年8月 情報本部
18年3月 第13飛行隊長(防府)
20年3月 陸上幕僚監部運用支援・情報部運用支援課
22年3月 統合幕僚監部運用部運用1課
23年8月 幹部学校(幹部高級課程・統幕学校統合高級課程)
23年8月 陸上幕僚監部運用支援・情報部付(総務省消防庁国民保護運用室長)
26年8月 航空学校主任教官
27年8月 第15ヘリコプター隊長(那覇)
30年8月 札幌駐屯地業務隊長(札幌)
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