梶恒一郎(かじ・こういちろう)|第34期・第20普通科連隊長

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その梶が陸上自衛隊に入隊したのは平成2年3月。

初任地は、1976年に発生したベレンコ中尉亡命事件の舞台となり、陸自の普通科連隊として史上初めて臨戦態勢に入ったことで知られる、第28普通科連隊(函館)だ。

その後、第27普通科連隊(釧路)など北方での指揮をさらに重ね、24年7月に1等陸佐に昇任した。


(画像提供:陸上自衛隊公式Webサイト


(画像提供:陸上自衛隊第6師団公式Webサイト

そのキャリアでは、中央即応集団司令部の防衛部、富士教導団高級幕僚といった、新しい時代の普通科の在り方を確立する極めて重要な部隊での要職を歴任。

そして30年7月に第20普通科連隊長に着任し、東北随一の精鋭部隊で指揮を執る忙しい日々を過ごしている。

 

なお、その同期である34期だが、最初の陸将補が選抜されたのが2015年夏の将官人事であった。

そして、最初の陸将が選抜されるのが2021年夏の将官人事の予定なので、陸将補が同期の出世頭ということになるが、2019年4月現在でその任に在るのは、以下の幹部たちだ。

 

荒井正芳(第34期)・自衛隊東京地方協力本部長(2015年8月)

柿野正和(第34期)・陸上幕僚監部監理部長(2015年8月)

小林弘樹(第34期)・統合幕僚監部運用部副部長(2015年8月)

橋爪良友(第34期)・陸上総隊司令部運用部長(2015年8月)

佐藤真(第34期)・第1師団副師団長兼ねて練馬駐屯地司令(2016年3月)

鳥海誠司(第34期)・陸上自衛隊教育訓練研究本部教育部長(2016年7月)

松永康則(第34期)・中部方面総監部幕僚副長(2017年3月)

大場剛(第34期)・第4師団副師団長(2017年8月)

※肩書はいずれも2019年4月現在。( )は陸将補昇任時期。

※2018年8月以降に昇任した陸将補は期別未確認のため、追記する可能性あり。

 

以上のように、まずは荒井、柿野、小林、橋爪の4名が頭一つ抜けた状態にあり、第34期の最高幹部人事の中心になって行くことになりそうだ。

 

梶については、この東北随一の精鋭部隊を任されたほどの連隊長である。

幅広く様々な要職を歴任してきたことから、今後の補職はなかなか想定しづらいところではあるが、あるいは北部方面隊・東北方面隊で積み上げたキャリアを活かし、西部方面隊の要職に転じて、陸上自衛隊の機動戦闘を支える幹部となっていくかもしれない。

 

いずれにせよ、2020年代半ばにかけて、我が国の平和と安全を中心になって支えていく幹部の一人になることは間違いのない梶だ。

その活躍からは目を離さず、そして応援していきたい。

 

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。


(画像提供:陸上自衛隊第20普通科連隊公式Webサイト

◆梶恒一郎(陸上自衛隊) 主要経歴

平成
2年3月 陸上自衛隊入隊(第34期)
3年3月 第28普通科連隊(函館)
5年3月 中央資料隊付(市ヶ谷)
6年3月 普通科教導連隊(滝ヶ原)
10年8月 幹部学校付(目黒)
12年8月 第27普通科連隊(釧路)
14年4月 陸上幕僚幹部防衛部防衛課(市ヶ谷)
16年9月 研究本部(朝霞)
18年8月 統合幕僚幹部運用部運用第1課(市ヶ谷)
21年8月 中央即応集団司令部防衛部(座間)
23年8月 幹部学校付(目黒)
24年7月 1等陸佐
24年8月 近畿中部防衛局防衛補佐官(大阪)
26年12月 岩手駐屯地業務隊長(岩手)
29年3月 富士教導団高級幕僚(富士)
30年7月 第20普通科連隊長(神町)

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2件のコメント

梶さんも、多賀城の大場さんも、普通科教導連隊の副中隊長をやっておられました。
現在、一般部隊では副中隊長のポストは無いかなと思いますが、普教連の副中隊長って、すごいのかもしれませんね。

おぉ、そうなのですね。
確かに、昔はよく見た気がしますが、最近置かれていないような気がしますね。

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