佐藤一郎(第3航空団副司令・1等空佐)|第35期相当・航空自衛隊

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佐藤が航空自衛隊に入隊したのは平成3年3月。

1等空佐に昇ったのが平成22年1月なので、35期組1選抜のスピード出世だ。

職種は生産調達であり、主に補給系の現場で要職を歴任した。


(画像提供:航空自衛隊三沢基地公式Webサイト トピックスより)

その佐藤が今回、このタイミングで第3航空団の副司令に抜擢された意味だ。

おそらくそれは、F-35の国内初配備と無縁ではないだろう。

先述のように、佐藤はそのキャリアから空自きっての米国通である。

そして、米国と協同で運用する三沢で、F-35の新しい主力戦闘機としての歴史を作っていくわけだが、米軍とのコミュニケーションに不安はない。

また生産調達が特技ということで、この最新鋭機をどのように運用し、必要な備品の調達・整備をどのように管理するのか。

その仕組みづくりを行うには、まさに佐藤以上の適任者はいないということだったのではないだろうか。

 

全ての要職にはやはり、そのポストに選ばれるだけの意味があると人事異動の際にはいつも考えさせられるが、佐藤についてもまさにそういうことだったのだろう。

我が国の国防をこれから長きに渡り、最前線で守って行くことになるF-35の、その運用の根幹を作り上げていく幹部。

佐藤には、それほどまでに重い責任と期待が寄せられていると考えて間違いなさそうだ。

 

では最後に、その佐藤と同期である35期組の状況についてみてみたい。

35期組は、2016年に最初の空将補が選抜されたばかりの年次にあたる。

そして、2018年8月現在で空将補にある最高幹部は、以下の通りだ。

 

熊谷三郎(第35期)・北部航空方面隊副司令官(2016年7月)

亀岡弘(第35期)・防衛監察本部監察官(2016年7月)

船倉慶太(第35期)・第1輸送航空隊司令(2017年12月)

稲月秀正(第35期)・第9航空団司令兼ねて那覇基地司令(2017年12月)

※肩書は全て2018年8月現在。( )は空将補昇任時期。

※2018年夏の将官人事の期別整理が未了のために、加筆する可能性あり。

 

以上のような状況になっており、まずはこの4名を中心に、第35期組の最高幹部人事は進んでいくことになりそうだ。

 

佐藤については、これだけの要職を歴任し、また大きな期待を背負って要職を任され続けている幹部である。

近い将来に将官に昇り、さらに活躍の場を広げていくことになるのではないだろうか。

一般大学卒業生として活躍する自衛官は、これから自衛官を志す一般大学生にとっても大きな励みになる。

そう言った意味でも、佐藤の活躍には特に注目し、そして応援していきたい。

 

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。


(画像提供:航空自衛隊三沢基地公式Webサイト トピックスより)

◆佐藤一郎(航空自衛隊) 主要経歴

平成
3年3月 航空自衛隊入隊(第35期相当)
4年2月 第4高射群
5年3月 飛行開発実験団
7年8月 第4補給処
8年8月 防衛大学校
10年8月 第2補給処
13年4月 内部部局
14年3月 幹部学校付
16年5月 米国防衛駐在官
19年7月 航空幕僚監部装備課
21年8月 幹部学校付
22年1月 1等空佐
22年4月 航空幕僚監部調達室調達計画班長
24年4月 第1航空団整備補給群司令
25年7月 静岡地方協力本部長
26年8月 補給本部第1部長
28年10月 補給本部需品部長
29年8月 第3航空団副司令

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