濱本博文(教育訓練研究本部主任教官・1等陸佐)|第32期・陸上自衛隊

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その濱本が陸上自衛隊に入隊したのは昭和63年3月。

原隊(初任地)は山形県の神町駐屯地に所在する第20普通科連隊だが、濱本の連隊長当時のプロフィールでは、昭和63年3月の配属となっている。

32期の場合、幹部候補生学校の入校が昭和63年3月のはずであり、おそらくこれは誤記だとおもわれるので、本サイトの略歴では平成元年3月の配属と記載させて頂いている。

(画像提供:陸上自衛隊大村駐屯地公式Webサイト

その後、職種部隊では、大宮に所在する第32普通科連隊を経て、中隊長ポストは静岡県の板妻駐屯地に所在する第34普通科連隊で、連隊長ポストは長崎県の大村に所在する第16普通科連隊でそれぞれ上番した他、平成27年4月からは第1空挺団の副団長も務めている。

その間、幕僚やスタッフのポストでは、第1師団司令部第3部長、陸上自衛隊技術研究本部主任研究開発官に加え、第14旅団の幕僚長でも手腕を発揮したことは先述のとおりだ。

また防衛大学校指導教官や統合幕僚学校教官として教壇に立ち、後進の指導育成でも大いに結果を残す。

そして平成30年8月から陸上自衛隊教育訓練研究本部主任教官に着任し、我が国の将来の最高幹部を指導育成する、極めて重要なポジションでさらに活躍を続けている状況だ。

機動戦闘力の追求を続ける現在の陸上自衛隊において不可欠な、知識・見識ともに群を抜いている高級幹部の一人であると言ってよいだろう。

 

では最後に、その濱本と同期である32期組の人事の動向について見てみたい。

32期組は、2019年夏の将官人事で最初の陸将が選抜される年次であり、2019年3月現在では、1選抜の幹部でも陸将補ということになる。

そしてその陸将補にある幹部たちは、以下の通りだ。

 

梶原直樹(第32期)・統合幕僚監部防衛計画部長(2013年8月)

大塚裕治(第32期)・陸上幕僚監部装備計画部長(2013年8月)

森下泰臣(第32期)・陸上幕僚監部防衛部長(2013年8月)

堀井泰蔵(第32期相当)・第5旅団長(2013年8月)

中村裕亮(第32期)・教育訓練研究本部副本部長兼ねて総合企画部長(2014年3月)

田尻祐介(第32期)・第12旅団長(2014年8月)

鬼頭健司(第32期相当)・陸上自衛隊幹部候補生学校長(2014年12月)

木口雄司(第32期)・高射学校長兼ねて下志津駐屯地司令(2015年8月)

腰塚浩貴(第32期)・施設学校長(2015年8月)

青木伸一(第32期)・水陸機動団長兼ねて相浦駐屯地司令(2015年12月)

池田頼昭(第32期)・第10師団副師団長兼守山駐屯地司令(2016年3月)

檀上正樹(第32期)・警務隊長(2017年3月)

小谷琢磨(第32期)・第4施設団長(2017年8月)

斎藤兼一(第32期相当)・第7師団副師団長兼ねて東千歳駐屯地司令(2017年12月)

叶謙二(第32期)・開発実験団長(2018年3月)

佐々木俊哉(第32期)・自衛隊情報保全隊司令(2018年3月)

岩名誠一(第32期)・東北方面総監部幕僚副長(2018年8月)

※肩書はいずれも2019年3月現在。( )内は陸将補昇任時期。

※2018年8月以降の将官人事で昇任した将補の期別は未確認のため、追記する可能性あり。

 

以上のようになっており、まずは梶原、大塚、森下、堀井の4名が1選抜で陸将補に昇任し、同期の最高幹部人事の中心になっている状況だ。

2019年夏の陸将人事も、おそらくこの4名を中心に選抜が進められるのではないだろうか。

 

濱本については、第14旅団の機動旅団化で大いに手腕を発揮し、また教育の現場でも大きな成果を残してきた高級幹部だ。

今後、各地の混成団長などさらに教育の現場で活躍するか、あるいは陸将補に昇って今以上に重い責任を担っていくことも十分考えられるのではないだろうか。

いずれにせよ、その活躍が陸自大改革を推し進める大きな原動力になることは、間違いのない存在である。

今後ともその動向にはますます注目し、そして応援していきたい。

 

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。

(画像提供:陸上自衛隊大村駐屯地公式Webサイト

◆濱本博文(陸上自衛隊) 主要経歴

昭和
63年3月 陸上自衛隊入隊(第32期)

平成
元年3月 第20普通科連隊(神町)
4年3月 防衛大学校指導教官
6年3月 第32普通科連隊(大宮)
9年3月 第1師団司令部
9年8月 幹部学校付
11年8月 第34普通科連隊中隊長(板妻)
13年3月 中央業務支援隊付(伊藤忠商事研修)
14年3月 陸上幕僚監部防衛部
17年5月 陸上幕僚監部防衛部付(東京都出向)
19年4月 東部方面総監部
21年3月 幹部学校付
22年3月 統合幕僚学校教官
22年8月 第1師団司令部第3部長
24年3月 第16普通科連隊長(大村)
26年3月 陸上自衛隊技術研究本部主任研究開発官
27年4月 第1空挺団副団長(習志野)
28年12月 第14旅団幕僚長(善通寺)
30年8月 陸上自衛隊教育訓練研究本部主任教官

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