小橋史行(こばし・ふみゆき)|第34期・陸上自衛隊

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その小橋が陸上自衛隊に入隊したのは平成2年3月。

21年6月にドイツ防衛駐在官として現地に赴任しているので、同年に1選抜で1等陸佐に昇っていることになる。

防衛駐在官を任された任務に代表されるように、非常に国際経験が豊かなキャリアとなっている。

(画像提供:自衛隊帯広地方協力本部公式Webサイト

(画像提供:防衛省統合幕僚学校公式Webサイト

職種部隊で見ると、原隊は明らかにならないが、この原隊に在った時にさっそく、

UNTAC・第1次カンボジア派遣施設大隊の一員として現地に渡り、20代なかばにして国際貢献活動に初めて参加している。

なおUNTACは、自衛隊が史上初めて参加したPKOであり、内戦で疲弊したカンボジアを国連が暫定統治し、平和のうちに国際社会に復帰させようとした活動だ。

この活動では、散発的な戦闘や活発なゲリラによりその活動は難航を極め、我が国からも文民警察官である高田晴行警部補、及び中田厚仁国連ボランティアの2名が、任務中に尊い命を落とされた。

そのような「戦場」に、PKO史上初となる部隊の第一次隊として派遣されたのが小橋であったわけだが、いろいろな意味で印象深い任務になっているのではないだろうか。

逆に言えば、初級幹部であった頃から、小橋は陸自内外の期待を大いに集めていた存在であると言ってよいだろう。

そして無事帰国を果たした後、中隊長ポストは姫路に所在する第3特科連隊で上番したが、この後は職種部隊から長く離れることになる。

 

その間、中央(陸上幕僚監部)や幕僚・スタッフのポジションでは、陸上幕僚監部防衛部、陸上幕僚監部運用支援・情報部、幹部学校教官、研究本部主任研究開発官、防衛研究所主任研究官など、研究畑での活躍が目立つ。

そして国際畑での活躍は、平成14年3月からシリア及びイスラエルに在って、UNDOF司令部の先任兵站幕僚を務め21年6月からは先述のように、在ドイツ日本大使館防衛駐在官として辣腕を振るった他、25年4月からは統合幕僚学校の国際平和協力センター長としても指揮を執った。

また27年4月からは、帯広地方協力本部長を務めるなど、まさに八面六臂の活躍を見せた。

 

そして令和元年8月、第2地対艦ミサイル連隊長兼ねて美唄駐屯地司令に上番し久しぶりの職種部隊で指揮を任され、我が国にとって極めて重要なこの職種部隊をますます精強なものへと鍛え上げている。

今の安全保障環境の中で、もっとも注目をして欲しい幹部の一人だ。

 

では最後に、その小橋と同期である34期組の人事の動向について見てみたい。

34期組は、最初の陸将補が選抜されたのが2015年夏の将官人事であった。

そして最初の陸将が選抜されるのが2021年夏の将官人事の予定なので、陸将補が同期の出世頭ということになるが、2019年11月現在でその任に在るのは、以下の幹部たちだ。

 

荒井正芳(第34期)・陸上幕僚監部防衛部長(2015年8月)

柿野正和(第34期)・北部方面総監部幕僚長兼ねて札幌駐屯地司令(2015年8月)

小林弘樹(第34期)・陸上幕僚監部装備計画部長(2015年8月)

橋爪良友(第34期)・西部方面総監部幕僚長兼ねて健軍駐屯地司令(2015年8月)

佐藤真(第34期)・第1師団副師団長兼ねて練馬駐屯地司令(2016年3月)

鳥海誠司(第34期)・陸上自衛隊教育訓練研究本部教育部長(2016年7月)

松永康則(第34期)・中部方面総監部幕僚副長(2017年3月)

大場剛(第34期)・第4師団副師団長(2017年8月)

平田隆則(第34期相当)・西部方面総監部幕僚副長(2018年3月)

今村武(第34期)・北部方面総監部幕僚副長(2019年4月)

※肩書はいずれも2019年11月現在。( )は陸将補昇任時期。

 

以上のように、まずは荒井、柿野、小林、橋爪の4名が頭一つ抜けた状態にあり、第34期の最高幹部人事の中心になって行くことになりそうだ。

 

小橋についてはご覧のように、国際畑での活躍が非常に目立ち、また数多くの国際会議でも実績を残してきた幹部だ。

おそらく今後も、陸上総隊や統幕の関係する部署において、その強みを発揮し活躍を重ねていくのではないだろうか。

いずれにせよ、34期組は今まさに、我が国の国防を中心になって支えている世代である。

その活躍には今後も注目し、そして応援していきたい。

 

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。

(画像提供:防衛省統合幕僚学校公式Webサイト

◆小橋史行(陸上自衛隊) 主要経歴
平成
2年3月 陸上自衛隊入隊(第34期)
4年9月 第1次カンボジア派遣施設大隊(UNTAC)(カンボジア)
9年3月 第3特科連隊中隊長(姫路)
12年9月 陸上幕僚監部防衛部(市ヶ谷)
14年3月 UNDOF司令部先任兵站幕僚(シリア、イスラエル)
18年8月 陸上幕僚監部運用支援・情報部(市ヶ谷)
21年6月 在ドイツ日本大使館防衛駐在官(ドイツ)
24年8月 陸上自衛隊幹部学校教官(目黒)
25年4月 統合幕僚学校国際平和協力センター長(目黒)
26年8月 陸上自衛隊研究本部主任研究開発官(朝霞)
27年4月 自衛隊帯広地方協力本部長(帯広)
29年3月 陸上自衛隊研究本部主任研究開発官(朝霞)
30年3月 防衛研究所主任研究官

令和
元年8月 第2地対艦ミサイル連隊長兼ねて美唄駐屯地司令(美唄)

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