吉田圭秀(よしだ・よしひで)|第30期相当・北部方面総監

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吉田圭秀(よしだ・よしひで)は昭和37年10月30日生まれ、東京都出身の陸上自衛官。

東京大学工学部(都市工学科)の出身であり、出身職種は普通科だ。

昭和61年3月の陸上自衛隊入隊であることから、第30期相当の幹候67期ということになる。

 

令和元年8月(2019年8月) 北部方面総監・陸将

前職は第8師団長であった。

なお、北部方面総監としての指導方針は以下の通り。

 

【統率方針】
先進作戦集団として使命を完遂する。

【要望事項】
一、国を守る気概
一、即動・強靭
一、チーム北海道

(画像提供:陸上自衛隊北部方面隊公式Webサイト

2019年11月現在、北部方面隊を率いる吉田だ。

東京大学工学部を卒業し自衛隊に入隊した英才であり、我が国最大・最強の実力組織を率いる。

なお、現・統合幕僚長の山崎幸二(第27期)は吉田の2代前、第36代となる北部方面総監にあたるが、その頃には既に、我が国の国防の最前線は北方(北部方面隊)から、西方にシフトしていた。

言い換えれば当時、次の陸上幕僚長有力候補であった山崎が、国防の最前線からはもっとも遠い北部方面隊を率いることになったわけだが、意外に思われるだろうか。

もちろん、現・陸上幕僚長の湯浅悟郎(第28期)は、西部方面総監から陸上幕僚長への昇任であったために、西方(西部方面)総監の重要性が増していることは疑いようがない。

しかしそれとは別の意味で、北方は我が国の実力組織の中では文字通り、桁違いの大火力と勢力を誇る。

というよりも、陸上自衛隊における決戦勢力とも言うべき大火力のほとんどは、北方に集中していると言ってもよいだろう。

いわば、西方総監が国防の最前線にあって、新しい戦闘ドクトリンと組織を率い目の前の脅威に対処する役割を求められているのに対し、北方総監は戦闘を決する、圧倒的な勢力と火力を指揮する役割を期待されているということだ。

日本という非常に大きな国家にあって、その国防の責任者たる陸上幕僚長、あるいは統合幕僚長に昇るためには、大組織を俯瞰する適性と経験値がなければ、とても務まるものではない。

そういった意味において、例え我が国の最前線が西方にシフトしようとも、北方総監のポストはこれからも長く、陸上幕僚長・統合幕僚長に昇ることが有力視される幹部のポストで有り続けるだろう。

 

そして、その北部方面隊を率いる吉田についてである。

これほどのポストに昇る幹部なので、そのキャリアの全てが印象深い補職ばかりだが、敢えて一つ挙げるとすれば、それは内閣官房国家安全保障局の内閣審議官を務めたことであろうか。

このように書くと何のことかわからないかも知れないが、いわゆる日本版NSCと呼ばれる組織のことである。

我が国の安全保障に関する最高意思決定機関であり、事実上事務方の最高責任者であったと言ってよいだろう。

 

なお日本版NSCは、内閣総理大臣を筆頭に官房長官、外務大臣、防衛大臣などから構成されるが、ぶっちゃけその実務に精通しているのは、やはり事務方だ。

そして安全保障に関する実務なので、自衛官も多くの実務を担っている。

その自衛官の取りまとめ役でもあり、現在の危機に対する正しい状況認識、対処方法の選択肢、その結果見通しなどについて。

厳しい現実を実務から助言し、内閣総理大臣をサポートする要職が、「国家安全保障局内閣審議官」のポストであった。

 

万が一、我が国周辺で有事が生起した場合。

このポストは、自衛隊の最高指揮官である総理大臣が大きな決断を下す上で、陸海空の各幕僚長と並び、重要なキーマンの一人ということになるだろう。

吉田がかつて務めていたのは、それほどまでにタフであり、我が国と世界の平和を左右する要職であった。

そんな男が、我が国最大の実力組織の指揮を任されることになったのも、非常に納得の人事であったのではないだろうか。

吉田の下で、この我が国最大の火力と勢力を誇る組織がどのような変革を見せるのか。

非常に楽しみである。

 

では、そんな要職を務めた吉田とはこれまで、どのようなポストで活躍してきたのだろうか。

少し詳細に、その経歴をみていきたい。

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6件のコメント

HAJIME VISIONさん投稿(YouTube)の吉田総監着任記者会見を拝見したのですが、本当に素敵な方でした。ぜひご覧ください。

はい、既に拝見していますし、HAJIME VISIONさんはよく知っています!
というよりも、私がいつも北海道でお世話になっている、元2等陸佐の小島さんです!
本当に、お人柄が出ていて良い動画ですよね。

教えて下さいましてありがとうございました!

吉田陸将は、今年の4月から第4代陸上総隊司令官を務められていますね。
一般大学出身者ながら、陸上幕僚長に次ぐポストに着任されたことに驚きを覚えます。
過去3代の陸上総隊司令官は皆、防大出身者なので、一般大学出身者としてはなかなかの快挙だと思います。今後、陸幕長へ進む陸将人事の運用体系が変われば、陸上総隊司令官から陸幕長へというルートが出てくると思いますので、陸幕長に次ぐ重要ポストで重責を担う立場として、吉田陸将には今後も大いに活躍して頂きたいと思います。
長文失礼致しました。

記事の更新が追いついておらず失礼しています。
空白の80年代を除く、事実上「史上初」の防大以外からの陸幕長なるか、注目ですね。

横から失礼します。
先程、時事通信の記事で、吉田陸上総隊司令官が陸上幕僚長に上番される記事を読みました。
約34年ぶりに一般大出身者が陸上幕僚長に上番されることに、何だかとても自分のことのように喜び、また、強い励みにもなります。
私自身、空士時代に精神疾患を患い、志半ばで強制除隊となっただけに、未練がとてもあります。
現在は障害者雇用で陸上自衛隊の部隊で勤務しておりますが、とても環境が良いことから、入隊する先を間違えたのではないかと思ったりもします。
何はともあれ、吉田陸将のご活躍を祈ってやみません。

matsuura.shiさま
色々と大変な想いをされたのかと拝察します。
その上でなお、陸自でご活躍されているお志、一国民として心から感謝申し上げます。
これからも頑張ってください!
吉田新陸幕長の上番は、いろいろな意味で陸自の変革を感じさせる出来事になりましたね!
私も一国民の立場で、しっかりと応援してまいりたいと思います!

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