陸将人事・陸将補人事|2020年4月・陸上自衛隊

2020年4月、陸将・陸将補の人事異動が防衛省から発令された。

 

ついにと言うべきだろうか、31期の人事が動いた。

北部方面総監に前田忠男(第31期)が昇り、31期組から方面総監クラスに一番乗りである。

これまで、竹本竜司(第31期)・陸上幕僚副長が「ポスト師団長」クラスに一番乗りし、31期組では一歩前を走っていたが、前田がその先を行った形だ。

しなしながら、これまでの人事の常識では、師団長の次に

・統合幕僚副長

・陸上幕僚副長

・防大幹事

・その他、これに相当する要職

を経験するのが1選抜陸将の出世ルートだった。

中には1選抜陸将でも、今回の前田のように師団長から方面総監に直接昇った最高幹部はいないわけではなかったが、恐らくそのルートをたどった幹部で、陸上幕僚長まで昇った者はいないのではないだろうか。

逆に言えば、前田には陸上幕僚長の可能性がなくなったのか?ということになるが、今回に関しては恐らくそういうことではないだろう。

 

ご存知のように、2018年3月から始まっている陸自大改革では、非常に多くの組織改編が実施され、また進行中である。

その一環として、有事の際には2つ以上の方面隊をその指揮下に置き、指揮を執る権限が与えられた陸上総隊とその司令官が設置されたわけだが、指定職の号俸はともかくとして、運用の事実上は方面隊の上位組織と位置づけられた。

さらに現在、自衛隊には新たに陸海空を統率する統合司令部・統合司令官の設置も準備がなされている。

つまり、組織の多層化が進んでいるわけだが、そうなると人事のルートも当然のことながら、全ての階層の要職を経験するなど非常に困難になってくるだろう。

 

現在でさえ、1選抜陸将で同じポストを2年務めることは非常に珍しくなっている。

現に今回、北部方面総監から陸上総隊司令官に昇った吉田圭秀(第30期相当)は、在任わずか半年あまりであった。

こう言ってはなんだが、北部方面隊のような巨大組織を任されたとして、各部隊を巡閲するだけでも半年間では足りないのではないだろうか・・・。

しかし1選抜の陸将の人事として、1年以内の異動など決して珍しいものではない。

それがさらに、組織が多層化するのであれば、途中のいくつかのポストをすっ飛ばすのも当たり前になるだろう。

ということで今回、前田が師団長から方面総監に直接昇った人事については、むしろ31期組の陸幕長候補として本命であることに名乗りを上げたとも解釈できそうだ。

そしておそらくこのあと、夏の人事で竹本竜司(第31期)・陸上幕僚副長が、東部方面総監か西部方面総監に昇るだろう。

あるいはそのタイミングで、原田智総(第31期)・防衛大学校幹事、沖邑佳彦(第31期)・第4師団長も方面総監クラスに昇ることがあれば、それらの最高幹部が31期組の、陸幕長最終候補ということになりそうだ。

非常に楽しみな、夏の人事である。

 

またその他、気になるのは陸上総隊司令官の人事であろうか。

ご存知のように第3代・陸上総隊司令官には、高田克樹(第29期)が就いていた。

しかしご存知のように、その在任期間は7ヶ月にも満たない、いわばスピード退役となっている。

そして2020年4月現在、「陸上総隊司令官」と検索すると、サジェストに「陸上総隊司令官 病気」と表示される。

真偽の程はわからないが、高田元陸将はご病気で退役されたのではないか、という噂は一部で流れていた。

同様に、前任である第2代の住田和明(第28期)にも、ご病気で退役となったのではないか、という噂を聞いたことがある。

そんなこともあり、「陸上総隊司令官 病気」というサジェストがでるようになったのだ思うが・・・いずれにせよ、よく考えたらエライ迷惑な話である。

おそらく今後も、自衛隊OBとしてその知見を活かし、自衛隊の活動を支え、日本と世界の平和を守るために活躍を続けられるものと確信している。

どこかの記念行事で万が一お会いできることがあれば、ぜひ一緒にお写真を撮ってもらえるようお願いし、ご健在をアピールしたい。

(`・ω・´)

 

なお例によって、アイキャッチ画像の美しい女性は、将官人事とは何の関係もない。

我が国の最精鋭普通科部隊の一つであり、北辺の守護神である第3普通科連隊に所属し活躍する、三浦彩華・1等陸士である。

冷戦時代には対ソ連戦闘の最前線と位置づけられ、その連隊長経験者からは多くの陸上幕僚長を排出した我が国の最精鋭戦闘部隊で、こんなに美人でかわいい女性自衛官が活躍しているとは・・・。

オジサンもうとっくに、予備自衛官補にすら応募できない年齢ですが、なんとか5等陸士あたりで採用して部下にして頂けませんかね。

(*´ω`*)

 

以下、その詳細な内容は以下の通り。

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。

(画像提供:陸上自衛隊北部方面隊公式Webサイト

陸将補に昇任させる
(東北方面総監部防衛部長)
1等陸佐 相園和宏

 

第1師団副師団長を命ずる兼ねて練馬駐屯地司令を命ずる
(東北方面総監部防衛部長)
陸将補 相園和宏

 

第15旅団長を命ずる
(第1師団副師団長兼練馬駐屯地司令)
陸将補 佐藤真

 

陸将に昇任させる
(第15旅団長)
陸将補 中村裕亮

 

陸上総隊司令官を命ずる
(北部方面総監)
陸将 吉田圭秀

 

北部方面総監を命ずる
(第7師団長)
陸将 前田忠男

 

第7師団長を命ずる
(第15旅団長)
陸将 中村裕亮

 

退職を承認する
(陸上総隊司令官)
陸将 髙田克樹

 

(以上、2020年4月15日付)

防衛省発表資料

https://www.mod.go.jp/j/press/jinji/2020/0410b.pdf
https://www.mod.go.jp/j/press/jinji/2020/0410c.pdf

 

8 件のコメント

  • 初めて書かせていただきます。
    自分は髙田・富士学校長が次の陸上総隊司令官に来て30期の王道コースを歩む小野塚・東部方面総監との勝負かと勝手に予想していましたが、もう全く読めないですね

    • 昔、施設科さま
      書き込みありがとうございました!
      昔ということは、もう退役されているということでしょうか。
      大変な任務、お疲れさまでした!

      はい、私も髙田・富士学校長と小野塚・東部方面総監が30期の本命と思っていましたが、いくらなんでも髙田・富士学校長が今から方面総監や総隊司令官に着任するとは思えません。
      かと言って、Uである吉田総隊司令官が陸幕長に昇るとも思えず。
      30期は本当に、よくわからない人事になってしまいましたね。。

  • 前田陸将、機甲師団長お疲れ様でした。機甲科でない空挺普通科の指揮官でしたが、機甲科の指揮官より機甲科チックでした。知る人みんなが期待していた総監でご活躍ください。
    それにしても、師団長時代に揮毫が欲しかったです。今度は「必成」が合言葉とか。ぜひ、頂きたいです。着任式の貫録は総監そのものでした。活躍を期待しています。

  • コロナ騒動のせいと変則な時期の異動で静かな交代みたいですね。陸自のナンバー2そして最大の方面隊、最強の師団の指揮官が代わったのに。ところでお三方について調べていたら、面白いことに新北方総監は若かりし時の市販ビデオ・「エアボンレンジャー(全5巻)」の学生長、直近ではNHKスペシャルの「60年目の自衛隊」の校長で、結構、メディアに取り上げられているんですね。私の趣味で、米軍の将官のYouTubeを見ますが、マティス、マクマスター、ペトレイアスとか凄いですが、自衛隊の将官もこれに匹敵しますがほとんど取り上げられませんね。残念です。それこそ、お三方の講話なども評判と聞いたことがありますが。リーダー達は組織の中で鍛えられてますからね。陸自幹部用の雑誌の今年の新年号のリーダー論は圧巻と聞き読みました。よかったです。頑張れ、陸上自衛隊のリーダー達。応援してます。

    • 吉田新総監、すごいですね・・・
      とても東大出の英才とは思えません。
      メディアへの露出が多いのは、知的で冷静でまず失言がないという信頼感かも知れませんね。
      もしかして、「空白の80年代」以来となる、事実上史上初の一般大学卒の陸上幕僚長誕生でしょうか?!

  • 小中の先輩である沖邑佳彦第4師団長、あなたの子供の頃からの目立たないながらも沈着冷静な姿と、お父様から受け継いだであろう情熱的な側面を活かして国民のために頑張って下さい。幼い頃を知る者として陰ながら応援しております。

    • コメントを頂きましてありがとうございました!
      沖邑陸将と同郷でいらっしゃるのですね。
      本当に心のこもったコメントに感謝申し上げます。

      沖邑陸将の、ますますのご活躍をお祈り申し上げます!

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