(2/2ページ)
その早崎が陸上自衛隊に入隊したのは平成4年3月。
その原隊(初任地)は第42普通科連隊であり、2018年3月の陸自大改革で第42即応機動連隊へと生まれ変わった、国防の最前線にある部隊だ。
この精強な部隊で、初級幹部としての知見を積み上げていくことになる。
(画像提供:陸上自衛隊第36普通科連隊公式Webサイト)
そして平成11年には、北海道の中でも特に過酷な訓練で知られる、遠軽駐屯地に所在する第25普通科連隊に異動。
さらに、その連隊長ポストは「出世の登竜門」と言ってよいだろう、青森の弘前に所在する第39普通科連隊に転じるなど、厳しくも充実した若手時代を過ごした。
なお第39普通科連隊で連隊長を務めた幹部は、初代統合幕僚長などをつとめた先崎一(第12期)など、いずれ劣らぬ顔ぶればかりだ。
現役では、以下の39普連隊長経験者が、2018年9月現在で将官にある。
本松敬史(第29期) 統合幕僚副長・陸将
吉田圭秀(第30期相当) 第8師団長・陸将
佐々木俊哉(第32期) 自衛隊情報保全隊司令・陸将補
鳥海誠司(第34期) 教育訓練研究本部教育部長・陸将補
このような厳しい現場で若手幹部時代を過ごし、さらに平成27年からは部隊の中核を担う陸曹の教育に責任を持つ、第3陸曹教育隊長に着任。
非常に厳しくタフな現場でも期待以上の成果を残し、平成29年3月に第36普通科連隊長に着任している。
それにしても、陸曹教育の次のポストとしての連隊長職だ。
各中隊長、各科長にはひときわ厳しい部隊指導で、いつも以上に力が入っているのではないだろうか。
では最後に、その早崎と同期である36期組の動向について、簡単に見ておきたい。
36期組は、2017年8月の将官人事で最初の陸将補が選抜された年次にあたる。
そして、2018年9月現在でその任にあるのは、以下の幹部たちだ。
松永浩二(第36期)・沖縄地方協力本部長(2017年8月)
德永勝彦(第36期)・教育訓練研究本部研究部長(2017年8月)
堺一夫(第36期)・富士学校普通科部長兼富士学校諸職種協同副センター長(2017年8月)
藤岡史生(第36期)・北部方面総監部幕僚副長(2017年8月)
若松純也(第36期)・東部方面総監部幕僚副長(2017年12月)
南川信隆(第36期)・教育訓練研究本部訓練評価部長(2018年3月)
※肩書は全て2018年9月現在。( )は陸将補昇任時期。
※2018年夏の将官人事で昇任した将補について、年次未確認のために追記する可能性あり。
以上のようになっており、まずは松永、徳永、堺、藤岡の4名が、36期組の最高幹部人事で一歩リードしている状況だ。
36期組はまだ、1選抜の陸将補が選ばれて間もない時期ではあるが、陸上自衛隊では陸将補の1選抜がそのまま、同期の陸幕長候補に残ることが多い。
そのためこの4名を中心に、2023年夏の陸将人事も進められていくことになるだろう。
早崎については、教育や調整の分野での活躍が目立つ幹部だ。
そのため今後も、後進の育成やあるいは地本(地方協力本部)などの現場でも人間力を発揮するような、要職を歴任していくことになるのではないだろうか。
非常に幅広い分野で活躍することが期待される早崎である。
その動向には特に注目をしながら追い続け、そして応援していきたい。
※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。
(画像提供:陸上自衛隊第36普通科連隊公式Webサイト)
◆早崎和寿(陸上自衛隊) 主要経歴
平成
4年3月 陸上自衛隊入隊(第36期)
4年 月 第42普通科連隊(熊本)
11年 月 第25普通科連隊(紋別)
16年 月 第39普通科連隊(弘前)
18年 月 陸上幕僚監部教育訓練部(新宿)
22年 月 西部方面総監部防衛部(熊本)
24年 月 陸上自衛隊幹部学校教育部(目黒)
26年 月 中部方面総監部防衛部陸上連絡官(舞鶴)
27年1月 1等陸佐
27年 月 第3陸曹教育隊長(御殿場)
29年3月 第36普通科連隊長(伊丹)
コメントを残す