その弓場が陸上自衛隊に入隊したのは平成2年3月。
武器科の幹部として各地で活躍し、米国陸軍兵站学校の後方支援技術課程を履修するなど、我が国の防衛政策の柱とも言える後方支援のエキスパートとして、名実ともにその中心で活躍する。
(画像提供:自衛隊帯広地方協力本部公式ツイッター)
1佐以降のポストで見ると、現場では第4後方支援連隊長や北海道補給処装備計画部長、関東補給処火器車両部長と言った要職を歴任。
またその一方で、先述のように人を扱う分野にも強みが有り、福岡地方協力本部では募集課長にも着任している。
また中央(陸上幕僚監部)では、人事部の募集・援護課募集班長としてもその手腕を発揮。
そして平成29年3月から、帯広地方協力本部長に着任し、自衛官の採用や第二の人生を援護する「平時の最前線」に立ち、民間との架け橋として力を尽くす。
もちろん、防災や減災などと言った自衛隊のノウハウを民間に提供し、また自衛官採用企業との関係を維持発展させるなど、国民に寄り添った任務を遂行してきた。
一般国民に最も近いところに立つ、非常に頼りになる高級幹部である。
では最後に、その弓場と同期である34期組の人事の動向について見ていきたい。
34期組は、2015年に最初の陸将補が選抜された年次にあたる。
そして2018年11月現在で、陸将補の任に在るのは以下の幹部たちだ。
荒井正芳(第34期)・自衛隊東京地方協力本部長(2015年8月)
柿野正和(第34期)・陸上幕僚監部監理部長(2015年8月)
小林弘樹(第34期)・統合幕僚監部運用部副部長(2015年8月)
橋爪良友(第34期)・陸上総隊司令部運用部長(2015年8月)
佐藤真(第34期)・第1師団副師団長兼ねて練馬駐屯地司令(2016年3月)
鳥海誠司(第34期)・陸上自衛隊教育訓練研究本部教育部長(2016年7月)
松永康則(第34期)・中部方面総監部幕僚副長(2017年3月)
大場剛(第34期)・第4師団副師団長(2017年8月)
※肩書はいずれも2018年11月現在。( )は陸将補昇任時期。
※2018年8月の昇任陸将補人事は期別未確認のため、追記する可能性あり。
以上のように、まずは荒井、柿野、小林、橋爪の4名が頭一つ抜けた状態にあり、第34期の最高幹部人事の中心になって行くことになりそうだ。
弓場については、後方支援系で豊富な経験を積み上げ、補給処での実務も数多くこなすなど、陸自大改革の中で更に要職を歴任していくことは確実な幹部だ。
おそらく今後は、各地の補給処でさらに重い責任を背負い、また中央でも同様に、関連するポストで要職を任されていくことになるだろう。
いずれにせよ、34期組は2020年代半ばにかけて、我が国の平和と安全にもっとも重い責任を担っていく世代だ。
その動向は要注目であり、また決して目立つことはないが、だからこそ弓場を始めとした後方支援系の職種にこそ、より一層の注目をして、そして応援していきたい。
※文中、自衛官および関係者各位の敬称略
(画像提供:自衛隊帯広地方協力本部公式ツイッター)
◆弓場信行(陸上自衛隊) 主要経歴
平成
2年3月 陸上自衛隊入隊(第34期)
11年11月 米国陸軍兵站学校後方支援技術課程履修(アメリカ)
21年12月 自衛隊福岡地方協力本部募集課長(福岡)
23年4月 陸上幕僚監部人事部募集・援護課募集班長(市ヶ谷)
25年3月 陸上自衛隊第4後方支援連隊長(福岡)
26年8月 陸上自衛隊北海道補給処装備計画部長(島松)
26年12月 陸上自衛隊関東補給処火器車両部長(霞ヶ浦)
29年3月 自衛隊帯広地方協力本部長(帯広)
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