宮本久徳(第1高射特科団長・陸将補)|第33期・陸上自衛隊

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その宮本が陸上自衛隊に入隊したのは平成元年3月。

1等陸佐に昇ったのが20年1月であったので、33期組1選抜(1番乗り)となるスピード出世だ。

原隊(初任地)は宇都宮に所在していた第12高射特科連隊第6大隊第1高射中隊であり、同地で初級幹部として、厳しい自衛官生活のスタートを切った。

(画像提供:陸上自衛隊第1高射特科団公式Webサイト

(画像提供:陸上自衛隊第1高射特科団公式Webサイト

その後職種部隊では、多くの幹部自衛官が思い出深い補職として話してくれる中隊長ポストを、青野原の第8高射特科群第332高射中隊長で経験。

同様に連隊長相当職も、第8高射特科群長兼青野原駐屯地司令で上番した。

その間中央(陸上幕僚監部)では、防衛部運用課の国際協力室、防衛課勤務などを経て班長ポストは防衛部防衛課編成班で着任。

また研究本部で主任研究開発官としても活躍し、西部方面総監部では防衛部長としても手腕を発揮している。

そして平成28年12月、陸将補に昇任すると最初の補職として第1高射特科団長を任され、活躍を続けている。

33期のみならず、我が国の防衛に無くてはならない、非常に思い職責を担う最高幹部の一人と言ってよいだろう。

 

では最後に、その宮本と同期である33期組の人事の動向について見てみたい。

33期組は2014年に最初の陸将補が選抜され、2020年に最初の陸将が選抜される予定になっている年次だ。

そして2019年2月現在で、以下の幹部たちが陸将補の任にあたっている。

 

冨樫勇一(第33期)・陸上幕僚監部人事教育部長(2014年8月)

山根寿一(第33期)・第13旅団長(2014年8月)

牛嶋築(第33期)・東北方面総監部幕僚長兼ねて仙台駐屯地司令(2014年8月)

末吉洋明(第33期)・陸上幕僚監部運用支援・訓練部長(2014年8月)

廣惠次郎(第33期)・陸上幕僚監部指揮通信システム・情報部長(2015年3月)

児玉恭幸(第33期)・陸上幕僚監部監察官(2015年8月)

梅田将(第33期相当)・大阪地方協力本部長(2015年12月)

酒井秀典(第33期)・第1ヘリコプター団長兼ねて木更津駐屯地(2016年3月)

宮本久徳(第33期)・第1高射特科団長(2016年12月)

堀江祐一(第33期相当)・陸上自衛隊高等工科学校長兼ねて武山駐屯地司令(2017年3月)

楠見晋一(第33期)・中央情報隊長兼ねて陸上総隊司令部情報部長(2017年8月)

更谷光二(第33期)・東北方面総監部幕僚副長(2018年3月)

※肩書はいずれも2019年2月現在。( )内は陸将補昇任時期。

※2018年8月以降の将官人事で昇任した陸将補の確認が未了のため、加筆する可能性あり。

 

以上のような状況になっており、まずは冨樫、山根、牛島、末吉の4名が中心になって、33期組の最高幹部人事は進んでいくことになるだろう。

 

宮本については、先述のように2019年2月現在で、ますますその存在感を高めている高射特科の最高幹部だ。

そういった意味では、やはり陸上総隊での要職や、あるいは西部方面隊での要職に着任するなど、さらに重い責任を担っていくことになるのではないだろうか。

これから2020年代中盤にかけて、日本と世界の平和に大きな役割を果たしていくであろう宮本陸将補のご紹介であった。

その活躍には今後も注目し、そして応援していきたい。

 

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。

(画像提供:陸上自衛隊第1高射特科団公式Webサイト

◆宮本久德(陸上自衛隊) 主要経歴

平成
元年3月 陸上自衛隊入隊(第33期)
元年9月 第12高射特科連隊第6大隊第1高射中隊(宇都宮)
11年8月 第8高射特科群第332高射中隊長(青野原)
12年1月 3等陸佐
13年8月 陸上幕僚監部防衛部運用課国際協力室(市ヶ谷)
15年7月 2等陸佐
16年9月 陸上幕僚監部防衛部防衛課(市ヶ谷)
20年1月 1等陸佐
20年3月 幹部学校付
21年3月 陸上幕僚監部防衛部防衛課(市ヶ谷)
22年3月 陸上幕僚監部防衛部防衛課編成班長(市ヶ谷)
24年4月 第8高射特科群長兼青野原駐屯地司令
26年3月 陸上自衛隊研究本部主任研究開発官(朝霞)
27年3月 西部方面総監部防衛部長(健軍)
28年12月 第1高射特科団長(東千歳) 陸将補

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