杉山が陸上自衛隊に入隊したのは昭和60年3月。
1等陸佐に昇ったのが16年1月なので、29期組1選抜前期の昇任となるスピード出世だ。
それから13年に渡り現場指揮を執り、29年8月に陸将補に昇任しているので、非常に現場経験が豊富な将官であると言ってよいだろう。
上滑りしない知見と経験に裏付けられた、とても頼もしい陸将補である。
(画像提供:自衛隊愛知地方協力本部公式Webサイト)
なお、その29期組だが先に同期の動向をご紹介すると、最初の陸将が選抜されたのが2016年夏の将官人事。
そのため、既に同期の陸上幕僚長候補も出揃っており、以下の幹部たちがその出走馬ということになっている。
本松敬史(第29期)・統合幕僚副長(2016年7月)
上尾秀樹(第29期)・防衛大学校幹事(2016年7月)
高田克樹(第29期)・陸上幕僚副長(2016年7月)
納富 中(第29期)・第9師団長(2016年7月)
柴田昭市(第29期)・第1師団長(2017年3月)
山内大輔(第29期)・陸上自衛隊関東補給処長(2017年3月)
清田安志(第29期)・第6師団長(2017年8月)
※肩書はいずれも2018年6月現在。( )は陸将昇任時期。
この中でも、実質的には本松、上尾、高田の3名に絞り込まれたと言ってもよく、この3名のうち何名かあるいは3名が、2018年夏の将官人事でいずれかの地方総監か、その相当職に着任するだろう。
そして28期組・30期組と、陸幕長である山崎幸二(第27期)、統幕長である河野克俊(第21期)の動向の影響を受けながら、陸幕長に着任するものが選抜されるかどうか。考査が続くことになる。
その結果が出るには、まだしばらくの時間がかかりそうだ。
杉山については、現職に着任したのが2017年8月であることを考えると、あるいはこの名誉ある補職が最後のポストになる可能性が極めて高い。
2018年夏の人事で異動がない場合、恐らく2019年春か、もしくは夏の将官人事で退役となるのではないだろうか。
幅広いポストで活躍を見せてきた将官の退役はとても残念だが、曹士の若年定年制を含めて、自衛隊が精強であり続けるために無くてはならない一面の真実だ。
その様になるかどうか、確たることはもちろんわからないが、最後まで変わらずその活躍には注目し、そして応援していきたい。
※文中、自衛官・関係者各位の敬称略。
※この記事は2017年8月10日に公開していた内容を、2018年6月18日に加筆修正した。
(画像提供:自衛隊愛知地方協力本部公式Webサイト)
◆杉山利行(陸上自衛隊) 主要経歴
昭和
60年3月 陸上自衛隊入隊(第29期)
61年3月 第39普通科連隊(弘前)
平成
8年1月 3等陸佐
8年8月 第26普通科連隊中隊長(留萌)
11年7月 2等陸佐
16年1月 幹部学校付 1等陸佐
16年8月 中部方面総監部防衛部防衛課長(伊丹)
18年8月 研究本部研究員
18年10月 陸上幕僚監部人事部
19年8月 第41普通科連隊長(別府)
21年7月 研究本部主任研究開発官
21年12月 中央即応集団司令部幕僚副長(朝霞)
22年12月 第4師団司令部幕僚長(福岡)
25年4月 防衛医科大学校学生部長(所沢)
27年3月 自衛隊愛知地方協力本部長(名古屋)
29年8月 第1師団副師団長兼ねて練馬駐屯地司令 陸将補
30年8月 1師団副師団長兼ねて練馬駐屯地司令のポストを最後に勇退
自衛隊のみなさん、
いつも各種のご援助、おんれいもうします。どうぞ日本国のため、お励みください。
木村様
コメントありがとうございました。
私も微力ながら、これからも自衛隊と自衛官の皆さまを応援して参ります。