【退役】甲斐芳樹(第10師団長・陸将)|第28期・陸上自衛隊

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その甲斐が陸上自衛隊に入隊したのは昭和59年3月。

先述のように、原隊(初任地)は普通科連隊として最大規模を誇る北海道の第11普通科連隊であり、機甲師団の普通科連隊として厳しくも充実した初級幹部時代を過ごした。


(画像提供:陸上自衛隊第10師団公式Webサイト


(画像提供:陸上自衛隊第10師団公式Webサイト

さらに程なくして転じた職種部隊が、こちらもまた陸自の幹部候補生ですら尻込みすることがあるという、第26普通科連隊(留萌)。

そして中隊長ポストも、先述のように第73戦車連隊の中隊長であったが、連隊長職は一転して、三重県に所在する第33普通科連隊であった。

その後、将官に昇った後は、副師団長ポストが第1師団であり、旅団長ポストは北海道真駒内の第11旅団長。

そしてその後職として、名古屋に司令部が所在する、東海から北陸にかけてを担当地域とする第10師団長に着任した形だ。

これらのキャリアを見ていると、やはり若き士官時代からの期待通り諸職種共同、とりわけ都市部における機動力を重視した対非対称戦闘のエキスパートとして、その強みを積み上げたと言えるのではないだろうか。

確かな経験と知見に裏付けられた、非常に頼もしい師団長である。

 

では最後に、その甲斐と同期である28期組の人事の動向について見てみたい。

28期組は、先述のように2019年夏の将官人事で、おそらく陸上幕僚長が一人、選抜されるであろう年次にあたる。

そしてその候補者たる陸将にある幹部は、2018年10月現在で以下のようになっている。

 

住田和明(第28期)・陸上総隊司令官 高射特科出身

田浦正人(第28期)・北部方面総監 機甲科出身

岸川公彦(第28期)・中部方面総監 施設科出身

湯浅悟郎(第28期)・西部方面総監 普通科出身

岩谷要(第28期)・陸上自衛隊研究本部長 施設科出身

藤田浩和(第28期)・陸上総隊幕僚長 高射特科出身

甲斐芳樹(第28期)・第10師団長 普通科出身

 

7名の陸将がそれぞれのポストで重い責任を担うが、実質的にその候補者となるのは住田、田浦、岸川、湯浅の4名となるだろう。

更に湯浅に関しては、28期ではあるが、現陸上幕僚長の山崎幸二(第27期)よりも年長者であることから、その可能性は余り高いとは言えない。

そしておそらく、様々な状況を考慮すると、東部方面総監から陸上総隊司令官に昇った住田が、第37代の陸上幕僚長に着任することになるのではないだろうか。

 

甲斐については、第10師団長としての任期は長くとも、2019年夏までとなる見込みだ。

つまり同期から誰か1名が、陸幕長に選抜される可能性が高い時期である。

そのようなことを考えると、第10師団長のポストを最後に勇退となる可能性が高い。

 

これほどまでに実績を積み上げた将官と言えども、いずれ勇退の時期が来ることは避けられないとは言え、やはり一抹の寂しさを禁じ得ない。

とはいえ、もちろんまだまだ甲斐の担うべき重責は続き、まさに今、国防の中枢で力を尽くして任務を遂行している誇り高き自衛官である。

その活躍には最後まで注目を続け、そして最後までしっかりと、声を大にして応援して行きたい。

 

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。


(画像提供:陸上自衛隊第10師団公式Webサイト 金鯱新聞第588号)

◆甲斐芳樹(陸上自衛隊) 主要経歴

昭和
59年3月 陸上自衛隊入隊(第28期)
60年3月 第11普通科連隊(北海道:東千歳)
62年3月 防衛大学校 研究科学生(神奈川:横須賀)

平成
元年3月 第26普通科連隊(北海道:留萌)
3年3月 幹部候補生学校(福岡:前川原)
4年8月 幹部学校学生(東京:目黒)
6年8月 富士学校普通科部(静岡:富士)
7年1月 3等陸佐
8年8月 第73戦車連隊中隊長(北海道:南恵庭)
10年3月 陸上幕僚監部装備部装備計画課(東京:檜町)
10年7月 2等陸佐
13年3月 陸上幕僚監部防衛部防衛部防衛課(東京:市ヶ谷)
15年1月 1等陸佐
15年8月 統合幕僚学校学生(東京:目黒)
16年8月 陸上幕僚監部人事部人事計画課 制度班長(東京:市ヶ谷)
18年12月 第33普通科連隊長兼久居駐屯地司令(三重:久居)
20年8月 陸上幕僚監部防衛部情報通信・研究課長(東京:市ヶ谷)
23年4月 第1師団副師団長兼練馬駐屯地司令(東京:練馬) 陸将補
25年3月 北部方面総監部幕僚副長(北海道:札幌)
26年3月 陸上幕僚監部法務官(東京:市ヶ谷)
27年8月 第11旅団長(北海道:真駒内)
29年8月 第10師団長(愛知県:守山) 陸将
31年4月 第10師団長のポストを最後に勇退

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