その勝井だが、陸上自衛隊に入隊したのが昭和61年3月。
関西大学法学部を卒業して入隊している事になっているが、ただ勝井の生まれは、ストレートであれば28期相当にあたる昭和36年度の生まれである。
陸自入隊は30期相当の幹部なので、どこかで2年遠回りしている計算だ。
(画像提供:熊本地方協力本部公式Webサイト 地本だより第99号)
(画像提供:熊本地方協力本部公式Webサイト)
このような場合、少年工科学校卒業生で、任務の傍らで夜学や通信で大学を出た上で改めて幹部採用試験を受けたのだろうかと、まず考えてみたくなる。
しかし勝井の雰囲気は、どうにも小和瀬一(第31期相当)のような、いかにも少年工科学校出身というイカツい幹部に比べればどこか優しい。
普通に遠回りしただけなのかもしれない・・・。
なお、小和瀬陸将補をよくご存じない方はぜひ、リンク先から確認して欲しい。
道でこの人が正面から歩いてきたら、管理人は120%道を譲る。
話を勝井に戻す。
大阪地方協力本部の募集課長や陸幕の家族支援班長、さらに熊本地本長と言った、人に関わる仕事が非常に多い勝井である。
熊本地本長の時には、熊本城も甚大な被害を受けたあの熊本地震に際し、地元自治体と自衛隊の調整役として非常な功績があったことから、陸上幕僚長褒賞まで受賞しているほどだ。
警務の現場でも数多く指揮を執っているが、法務官としての功績も顕著であり、その守備範囲は極めて広い。
それら実績を積み上げた上での将官昇任であり、さらに小平学校長への着任だ。
きっとこのポストでも、さらに大きな成果を上げ続ける活躍を見せてくれるのではないだろうか。
では最後に、同期である30期組の動向について簡単に見ておきたい。
30期組は2017年に最初の陸将が選抜された年次にあたり、すでに陸幕長レースには一定のめどが付いている形だ。
そして2018年8月現在で、30期組で陸将にあるものは以下の幹部である。
髙田祐一(第30期)・富士学校長兼ねて富士駐屯地司令(普通科出身・2017年8月)
野澤真(第30期)・第2師団長(野戦特科出身・2017年8月)
小野塚貴之(第30期)・陸上幕僚副長(施設課出身・2017年8月)
吉田圭秀(第30期相当)・第8師団長(普通科出身・2017年8月)
田中重伸(第30期)・第3師団長(航空科出身・2017年12月)
※肩書はいずれも2018年8月現在。( )は陸将昇任時期。
以上のような状況になっているが、30期組ではおそらく髙田が頭一つ抜けた存在になっていくのではないだろうか。
それを小野塚が追っている展開といったところで、ここ数年ほどは目を離せない最高幹部の人事の動向になるだろう。
勝井については年齢のこともあり、あるいはこの小平学校長のポストが、長かった陸自生活の最後の補職になるかも知れない。
しかし、その幅広い知見と実績を活かし、このポストでもさらに実績を拳げてくれることは確実であろう。
そんな勝井の活躍にはますます注目し、そして変わらず応援をしていきたい。
※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。
(画像提供:熊本地方協力本部公式Webサイト 地本だより第101号)
◆勝井省二(陸上自衛隊) 主要経歴
昭和
61年3月 陸上自衛隊入隊(第30期)
平成
9年1月 3等陸佐
10年6月 陸上幕僚監部監理部庶務室(陸幕副長副官・檜町)
11年12月 陸幕監理部広報室(檜町)
12年7月 2等陸佐
13年8月 第108地区警務隊長(東千歳)
15年3月 陸上幕僚監部付(東京都出向・市ヶ谷)
17年5月 研究本部研究員(朝霞) 1等陸佐
17年8月 幹部学校幹部高級課程(目黒)
18年8月 大阪地方協力本部募集課長(大阪)
19年3月 陸上幕僚監部人事部厚生課家族支援班長(市ヶ谷)
21年4月 北部方面警務隊長(札幌)
23年8月 中部方面総監部法務官(伊丹)
24年12月 陸上幕僚監部総括副法務官(市ヶ谷)
27年8月 自衛隊熊本地方協力本部長
29年8月 陸上自衛隊小平学校副校長 陸将補
30年3月 陸上自衛隊小平学校長兼ねて小平駐屯地司令
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