【高級幹部】海上自衛隊 海将名簿氏名一覧|2018年6月版

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さて、2018年6月時点での最新版となる、海上自衛隊海将名簿氏名一覧である。

概ね年に2回、12月と6月に更新しているが、半年に1回では海将クラスの入れ替えはさすがに大幅なものではない。

今回は、2018年春の将官人事で道満誠一(第26期)・前横須賀地方総監がご勇退されたことに伴い、その後任に渡邊剛次郎(第29期)・教育航空集団司令官が着任。

そして教育航空集団司令官の後任に西成人(第30期)・前横須賀地方総監部幕僚長が海将に昇任の上で、着任している状況だ。

入れ替えはこのポストだけである。

 

一方で、これは海上自衛隊に限らないが、幕僚長人事が動けば将人事も大きく動く。

具体的には、村川豊(第25期)の後任に27期のいずれかの幹部もしくは28期から山村浩(第28期)が選ばれた場合、基本的に27・28両期の将官は新ポストに異動すること無く、退役になるだろう。

そして村川は、最長でも2018年12月までが、その海上幕僚長としての任期になると予想される。早ければ2018年夏の将官人事で、退役になるかもしれない。

もちろん、統合幕僚長に昇る可能性が0とは言わないが、2018年夏のタイミングでそれはまずありえない。いずれにせよそれは別のコラムに譲る。

 

つまり、2018年冬までには、海将一覧の顔ぶれは大きく変わる可能性があるということだ。

特に27期については、恐らく第34代海上幕僚長に1名が選抜され、他の海将は2018年中に退役になる公算が高い。

おそらくそれは山下万喜(第27期)で間違いないとは思うものの、一方でここに来て、

「山下で良いのか」

という論評が、外野からいろいろ聞こえてくるようになった。

 

過去の人事を見ても、香田洋二(第16期)・元自衛艦隊司令官や番匠幸一郎(第24期)・元西部方面総監のように、当選確実なキャリアを持っていた最高幹部ほど、最後のステップを踏み外している。だからこそ、山下も最後までわからないだろう。

強烈に競い合うライバルがいればポジティブな要素で比較されるはずだが、盤石であればあるほど、小さくともネガティブな要素に目を向けられがちだからだろうか。

こういう時は、「山下が良い」ではなく、「山下で良いのか」という声がどうしても目立つ。

その最後の声を乗り越えられるのか。

それとも、一般人の人気ランキングでは圧倒的な愛されキャラの池太郎(第27期)が呉からジャンプアップを見せる異例の展開になるか。

あるいは2代先の統合幕僚長人事を見据え、河野克俊(第21期)・統合幕僚長の長期政権再現を期して山村浩(第28期)を抜擢する人事もあり得るのかも知れない。

いずれにせよ、大きく動く2018年の海将人事になりそうだ。

その動向を楽しみに注目したい。

 

なお例によって、アイキャッチ画像の美しい女性は  むさ苦しいオッサンども  凛々しい海将の顔ぶれとは一切関係がない。

海上自衛隊では初、というだけでなく、世界初にして2018年6月時点で世界で唯一人の飛行艇パイロットである、岡田めぐみ・3等海尉(第71航空隊飛行隊)だ。

高校を卒業して8年の26歳になる若い女性(2018年6月現在)だが、海上自衛隊が世界に誇るUS-2を手足として要救助者の元に駆けつける、我が国が誇る海自の宝である。

ぜひこんな素敵な女性パイロットがいることにも注目し、自衛隊を応援して欲しい。


(画像提供:youtube海上自衛隊公式チャンネル
※クリックしたら音声が流れます。

 

海将名簿氏名一覧(2018年6月18日現在)

氏名 期別 生年月日
(昭和)
出身地 昇任
(西暦)
補職 ひとこと
村川豊 25 33年1月 神奈川 2013.08 海上幕僚長 史上初の後方出身海幕長
経理畑のスペシャリスト
山下万喜 27 35年8月 熊本 2014.08 自衛艦隊
司令官
次期海上幕僚長候補最有力。
山下の落選だけは、まず無いだろう。
池太郎 27 35年11月 愛知 2014.12 呉地方総監 「愚直たれ」の名物海将
眼光鋭い飛行屋
大塚海夫 27 35年8月 東京 2015.08 情報本部長 小学校の頃の夢は「提督」
有言実行の海の男
中西正人 27 36年3月 神奈川 2016.03 大湊地方総監 軍人外交にも通じるサブマリナー。
中西カラーで大湊の経済界にも貢献。
山村浩 28 37年1月 神奈川 2015.08 海上幕僚副長 次期海上幕僚長もありえる28期のエース。
次の次の海幕長の可能性も十分。
菊地聡 28 36年2月 茨城 2015.12 佐世保
地方総監
日本海から北を睨む飛行屋
28期組トップエリート
佐藤直人 28 36年12月 神奈川 2016.12 防衛装備庁長官官房装備官 面倒見の良さで知られる補給マン。
防大ボート部出身の細マッチョ
高島辰彦 28
相当
35年8月 兵庫 2017.12 潜水艦隊
司令官
京都大出身のサブマリナー。
統幕の部長相当職に2度に渡り補職。
渡邊剛次郎 29 36年6月 千葉 2016.07 横須賀
地方総監
ヘリコプター部隊で積み上げた飛行のエキスパート。
海軍航空隊の伝統を引き継ぐ男。
糟井裕之 29 38年1月 滋賀 2016.12 護衛艦隊
司令官
海無し県から護衛艦隊司令官
軍人外交にも通じるシーマンシップの紳士
杉本孝幸 29 37年10月 青森 2017.08 航空集団
司令官
この勢いで先行組に追いつくか。
中尾剛久 29 37年12月 鹿児島 2017.12 舞鶴地方総監 経理出身で後方支援のスペシャリスト。
座右の銘は「不進即退」(立ち止まることは退くこと)。
大島孝二 29 37年8月 神奈川 2017.12 海上自衛隊
補給本部長
応用物理の工学博士で技術系のエキスパート。
整備・補給系の要職でも活躍。
出口佳努 30
相当
37年6月 大阪 2017.08 統合幕僚
学校長
一般大卒で30期海将一番乗り
笑顔の素敵な坊主頭
湯浅秀樹 30 39年2月 徳島 2017.12 海上自衛隊
幹部学校長
絵に描いたような真面目顔なのに笑顔がとても魅力的。
掃海隊群司令としても活躍。
西成人 30 39年1月 鹿児島 2018.03 教育航空集団
司令官
海軍伝統の鹿児島出身最高幹部。ポーカーフェイスでカッコよく一般人にもファンが多い。

※文中、自衛官・関係者各位の敬称略

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