古田清悟(ふるた・せいご)|第29期・富士教導団長

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その古田が陸上自衛隊に入隊したのは昭和60年3月。

1等陸佐に昇ったのが平成16年7月だったので、29期組1選抜後期(1番手グループ)となるスピード出世だ。

陸将補には27年8月に昇っているので、およそ11年間を1佐として過ごし、豊富な現場経験を積んだ上での、堂々の将官昇任であった。


(画像提供:陸上自衛隊滝ヶ原駐屯地公式Webサイト


(画像提供:陸上自衛隊富士学校公式Webサイト

そのキャリアは、やはり特殊作戦群長を任されるだけに、正面戦闘というよりも都市部などにおける対ゲリ・コマ戦闘に強みを発揮する幹部ということのようだ。

1佐以降のポストで見てみると、特殊作戦群群長以降は第1師団司令部幕僚長、第10師団副師団長など、政経中枢師団や都市部での最高幹部としての補職が目立つ。

中央(統合幕僚監部、陸上幕僚監部など)でもその傾向が見られ、統合幕僚監部では特殊作戦室室長を務め、また研究本部では主任研究開発官の要職も担った。

そして平成29年8月、陸将補としては2つ目の補職となる、富士教導団長に着任している。

これもまた特殊作戦群以来の古田の強みであり、諸職種混成で成果が求められるユニットの運用及び教育・訓練の指揮を任されたという方針であることは想像に難くない。

まさに今、陸自大改革で大きくそのあり方を変えようとしている陸上自衛隊にとって、無くてはならない最高幹部の一人と言ってよいだろう。

 

では最後に、その古田と同期である29期組の人事の動向について見てみたい。

29期組の将官は、一部で既に勇退も始まっている年次であり、今まさに、我が国の平和と安全に最も重い責任を担っている世代だ。

そして2019年6月現在で、29期組で陸将に在るのは以下の最高幹部となっている。

 

上尾秀樹(第29期)・東北方面総監(2016年7月)

高田克樹(第29期)・東部方面総監(2016年7月)

本松敬史(第29期)・西部方面総監(2016年7月)

納富 中(第29期)・防衛大学校幹事(2016年7月)

柴田昭市(第29期)・防衛装備庁長官官房装備官(2017年3月)

山内大輔(第29期)・陸上自衛隊補給統制本部長兼ねて十条駐屯地司令(2017年3月)

清田安志(第29期)・統合幕僚学校長(2017年8月)

岩村公史(第29期)・第9師団長(2018年8月)

権藤三千蔵(第29期)・陸上自衛隊関東補給処長兼ねて霞ヶ浦駐屯地司令(2018年8月)

※肩書はいずれも2019年6月現在。( )は陸将昇任時期。

 

以上のような状況となっており、中でも29期の陸幕長候補は、本松、上尾、高田の3名に絞り込まれたと言って良いだろう。

あるいは山崎幸二(第27期)・第36代陸上幕僚長の後任が28期組である湯浅悟郎(第28期)から選ばれたために、29期組からは陸幕長が誕生しない可能性もあるが、こればかりは最後は運も左右する。

外野からは、楽しく見守りながら、重責を担う全ての幹部に最高のエールを送り続けたい。

 

古田については、その充実したキャリアと諸職種協同戦闘におけるエキスパートであることを考えると、富士学校の副校長、すなわち諸職種協同センター長に転じてもおかしくはないキャリアを誇る。

しかしながら、先述のように29期組は、すでに1佐クラスは2018年度中に全員が定年退官を迎え、将官クラスでも既に勇退が始まっている年次だ。

そのためあるいは、富士教導団長という古田らしいポストを最後に制服を置く可能性もあり、また一方でもうひと仕事あるのではないかと、そんな予感もさせる状況だ。

どうなるものか確たることはわからないが、いずれにせよ古田の活躍は、まさに新しい時代の精強な陸自の姿そのものであるということだ。

これからもその活躍には注目し追い続け、そして応援していきたい。

 

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。


(画像提供:陸上自衛隊富士学校公式Webサイト 広報誌岳友249号)

◆古田清悟(陸上自衛隊) 主要経歴

昭和
60年3月 陸上自衛隊入隊(第29期)

平成
8年1月 3等陸佐
11年7月 2等陸佐
16年3月 幹部学校付
16年7月 1等陸佐
17年3月 研究本部研究員
19年3月 特殊作戦群群長
21年12月 統合幕僚監部特殊作戦室室長
24年7月 研究本部主任研究開発官
25年12月 第1師団司令部幕僚長
27年8月 第10師団副師団長兼ねて守山駐屯地司令 陸将補
29年8月 富士教導団長

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2件のコメント

管理人様はご存知か分かりませんが、古田陸将補、2020年3月17日付で富士教導団長を最後に退官をされた後、何と万年筆工房を自ら立ち上げて活動されています…

何でも、それまで十数年間にわたり趣味の一環で万年筆を作成されていたのを、自衛隊退官と共に起業し、他にない唯一無二の手作り万年筆を目指して修行中のようです…
「万年筆工房FURUTA」と検索して頂くと出てくると思います。

何と言いますか、現役時代に特殊作戦群長を務められたほどの方が退官後にこのような活動をされているのを見ると、素敵な第2の人生を過ごされているなと、何だか感慨深いものがありますね…

ひょえー!!本当だ!!
初めて知りました、すごいですね!
^^
買いに行きます!!

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